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(回答先: 国家破産の問題は経常収支比率の問題に収斂していきます 投稿者 ODA ウォッチャーズ 日時 2005 年 4 月 05 日 01:27:27)
はじめましてこんばんわ。
どうもあなたはマクロというものを理解されていないようです。
ただ、こういう誤解をしている方が非常に多い。一般市民の多くの
人はもちろん、株屋さんとか金融関係に携わる人でも実に多くのひとが
マクロ経済学を理解されていいないようです。今日はあえて反論させて
頂き、なぜ、『国家破産本が巷にあふれている限り経済成長はない』のか
考えて頂きたいと思います。
”マクロ効果を伴わない「ザル的放漫公共事業」”ってなんでしょうか?
マクロ効果っておそらく乗数効果のことを言っていると思いますが、
乗数効果のない公共投資なんてありませんよ。はっきり言って、ただ穴掘る
だけでも効果はありますから。
”TBなどの問題は、性質別の問題です”これも意味がよくわかりません。単に
オープンマクロで考えるか否かの違いだけでしょう。
>日本に本社機能を維持しても、税収を確保できない。今、日本は、
>トヨタで持っているから、トヨタが不買のターゲットになったら、
>財界と税は非常に困るだろう
あなたは税とマクロ経済学の関係もぜんぜん理解されていないようです。
そもそも何で政府が税金を取るかというと、貯蓄を吸収するためです。
企業(資本家)は従業員(労働者)をこき使って利益を得る。そしてその利益は
本来は投資に回さない分つまり余剰となり消費にも投資にも回さない分は従業員で
ある労働者に還元すべきものです。もしくは百歩譲って株主に配当してもいいでしょう。
しかし、トヨタを初め多くの企業は労働者や株主に還元しようとせず内部保留に
回してしまい貯蓄してしまう。ところがこの行為はマクロ的には大問題なんですね。
なぜなら投資も消費もされないものは貯蓄となるわけですが、この貯蓄というものは
裏を返すと売れ残りつまり在庫になるからです。貯蓄を誰かがしているということは
必ず在庫が発生している。ちょうど簿記の貸方、借方のように貯蓄=在庫なわけです。
これはどういうことかというと、マクロ経済では三面等価の原則というのがあって、
供給=需要=所得となる。しかし、貯蓄があるということは、需要がその分足りない
わけだから本来、需要=供給という恒等式となるべきものが、需要<供給という不等式
(もっとわかりやすくいうと需要+在庫=供給もしくは需要+貯蓄=供給)となること
を意味する。つまり貯蓄というものがおこなわれるかぎりマクロ経済学的にはどんなに
いい物を作っても、どんなにいいサービスを提供しても絶対にGDPは大きくならないのです。
(三面等価の原則からGDP=供給=需要=所得だから需要の一部が貯蓄されると供給=所得
の恒等式が得られずに供給も所得も縮小していくことになる)
それではどうすればいいのかというと、資本家に貯蓄をさせなければいいわけです。
しかしそうもいかないかないですよね?共産主義じゃないわけですし。そこでどうするの
かというと、政府が税金を課して貯蓄分を吸収するわけです。本来投資するか消費
するか分配するかして経済サイクルに還元すべき資本を溜め込んでしまって
いるのだから、やむを得ず政府は企業から税金というかたちで回収をしている
わけです。このままではGDPが縮小してしまって国民経済に悪影響を及ぼすから
仕方が無い処置なわけです。それがいやなら企業は投資をするか分配してしまえば
いいのだから。
ただ、これでも全額は貯蓄を回収できない。なぜなら企業の内部保留がどうだの、
自己資本がどうだのというマクロ経済学見地からすると実にくだらない制度がある
からです。これでも取り逃がしてあげているわけです。そして、この回収できない分が
政府の発行する赤字国債やFBとなっているのですね。つまり赤字国債というのは
貯蓄のうち回収できない分を政府があえて国債というかたちで負担して企業や資本家
にあたえている思いやり予算だということです。これが赤字国債の正体です。だから
国家破産などというくだらない本が日本中いたるところでうじゃうじゃ置いてある
ことが異常だと言っているわけです。
トヨタみたいな労働者に分配しないし、株主に還元もしないくそ企業なぞ
日本からいなくなってもらった方がよっぽどいいということもわかりますね。