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危機感薄い民放各局、メディア買収に現実味 (読売新聞)
ライブドアが、ニッポン放送の経営権を握ることを確実にしたのを背景に、民放最大手のフジテレビジョンとの提携交渉を進めていることは、資金力さえあれば、上場している民放キー局をいつでも買収できるという資本市場の現実を示している。
しかし、民放各局には、公共財としての電波メディアの存立基盤が脅かされているとの意識が希薄だ。
株価による企業の価値を示す時価総額をみると、フジテレビは23日終値で7161億円に上り、民放キー局では2位の日本テレビの1・5倍以上だ。そのフジテレビが狙われようとしていることで、「ライブドアによる敵対的買収行為は、民放各局にとって対岸の火事ではなくなった」(業界関係者)といえる。
しかも、日本テレビやTBSの外国人の議決権比率(昨年9月末)は、20%以上になれば放送免許が取り消されるという電波法の規定ぎりぎりの19・99%で、外国人が保有する議決権のない株も多い。
外国人投資家が、ライブドアのような国内の買収者と手を組めば、株主総会で合併などの重要事項への拒否権を持てる3分の1超を確保するのは難しくなく、過半数取得すら可能だ。
しかし、当の民放局側に危機感は薄い。
2月13日から3週連続で堀江社長を出演させたテレビ朝日の「サンデープロジェクト」の3回の平均視聴率は10・2%で、その前3週の平均視聴率を0・6ポイント上回った(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。テレビ朝日の広瀬道貞社長は「我々も火をつけるためにやっているわけではない」と言うが、「視聴率を稼げる男」がテレビには欠かせないという思惑が見える。
立教大の服部孝章教授(メディア法)は「NHKも含め放送各社は乗っ取られるか、乗っ取るかといった分かりやすい話に終始した。放送の文化的意義や報道機関としての社会的存在意義などは置き去りになっていた」と話す。
一方、行政面でも課題は多い。現行法では、放送局が敵対的買収にさらされることは想定されていない。
放送局の支配者が変われば、主要株主の変更届を総務省に出すことになっているが、その適格性をチェックする仕組みにはなっておらず、投資ファンドが放送局を買収しても何ら問題はないのが現状だ。(是枝 智)
[ 2005年3月24日1時27分 ]
http://news.www.infoseek.co.jp/business/story.html?q=24yomiuri20050323i215&cat=35