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【視点】カルフール撤退 国内業界の危機裏返し
カルフールが世界的な商品調達網を活用した低価格戦略で日本に上陸してから四年。当初は“黒船”と恐れられたが、モノがあふれて店も多すぎる日本市場の厳しさには打ち勝てなかった。ただ日本のスーパーにとっても不振続きは同じ。「フランスに勝った」と喜んではいられない。日本の消費者は低価格商品でも、質の高さ、品ぞろえの豊富さを求める。例えば、衣料品では素材や縫製の良さだけでなく、デザイン、色づかいなどで新鮮さを打ち出し「衝動買いを誘うようなものでないと売れなくなっている」(大手スーパー幹部)。食品も味が良く、安全で安心できるものであることが重視され、低価格は、その上での条件なのだ。
大手スーパーはメーカー商品にない安さと品質、個性をアピールする自社開発商品を積極的に売り場に投入。店の集客力を高めるために、有力テナントの誘致や、大型ショッピングセンターの開発に余念がない。それでも各社、既存店売上高の前年割れに苦しんでいる。
業界の雄だったダイエーは産業再生機構の活用を余儀なくされ、世界最大の小売業、米ウォルマート・ストアーズ傘下の西友は赤字が続く。勝ち組とされるイオンとヨーカ堂ですら、平成十七年二月期の業績予想を下方修正したほどだ。
フランスの“黒船”が去るという状況は、実は、勝者不在といわれる国内スーパー業界の危機の裏返しでもあるのだ。(粂博之)
http://www.sankei.co.jp/news/morning/10kei002.htm