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金融庁、株式分割ルール整備 「価格つり上げ抑制」証取所に要請
金融庁は、大幅な株式分割が実態以上の株価つり上げにつながらないよう対策に乗り出す。株式分割は一般投資家のすそ野を広げる半面、市場を混乱させるマネーゲームを招いているとの懸念があるためだ。金融庁はすでに東京証券取引所など全国の取引所に対しルール整備を要請。これを受けて、東証などは株価上昇を抑制する効果が期待できるとして、株式分割の権利落ち日(株価が分割に対応する日)から新株発行までの期間を短縮することなどを念頭に具体化を検討している。
株式分割は一株をいくつかに分割し、発行済み株式数を増やすこと。例えば、株価一千円の銘柄が十分割された場合は、一株は百円となる。売買単価が下がるため買いやすくなるが、新株の九株が発行されるまでの約一カ月半の間、既存の株主が売却できるのは一株のみ。この間は市場に出回る株式数が少なくなるので流動性が低下してストップ高が続くなど、株価は上昇しやすくなる。
市場関係者によると、「分割後の株価は分割前の一・二倍から二倍程度」といい、その結果、企業の実態以上に時価総額が膨らむ傾向にある。
株式分割は個人投資家の市場参加を促す目的で、平成十三年十月施行の商法改正で分割後の一単位が五万円を下回ってはならないとする規制が撤廃された。原則として取締役会で決議すれば実行できる。
こうした現状に、金融庁は「大規模な株式分割がマネーゲーム化している例があり、株主の利益を損なわない枠組みが必要」(幹部)と指摘。法改正などによる規制は困難であるものの、新株発行までの期間短縮に加えて、分割時の正確な情報開示を求めるルールなども検討すべきだとしている。
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■企業実態かけ離れマネーゲーム化も
大規模な株式分割をする銘柄は株価が上昇する傾向にあるため、投資家の人気は高い。「株式分割を実施すると目星をつけた銘柄に分割発表前から買いが入るケースが多くなる」(市場関係者)という。ただ、企業価値が高まるわけではなく、分割が「マネーゲームに使われる」(金融庁幹部)との指摘は多い。
そもそも株式分割には値段の高い銘柄の株式を分割することで買いやすくし、幅広い投資家に株を持ってもらおうとの意味合いがある。が、こうした理念と裏腹に、株主資本の小さい発行株数の少ないIT(情報技術)企業などが株式分割を繰り返して株価を上昇させ、規模拡大に利用するケースは少なくない。これが企業の合併・買収(M&A)を仕掛ける原資となる。
金融機関から資金を借りて買収などを行う従来型企業と異なり、ソフトバンクや楽天に代表される新興企業には、株式分割を通じて株式市場から資金調達し、規模を拡大する場合も多い。
こうした中でも、ニッポン放送株を大量取得したライブドアは、大幅分割による時価総額の拡大をてこに規模拡大を図ってきたことで知られる。平成十五年八月から一年余りの間に累計で一株を一万株にする大幅な株式分割を実施。株式交換による企業買収をしかけ、少ない自社株で証券会社など数十の企業を傘下に収めてきた。
大幅な株式分割をめぐっては、一株を百一株に分割した宝石店チェーン大手のシーマが情報開示に問題があったとして監理ポストに割り当てられた例もある。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/25iti001.htm