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公明主導の年金改革 (月刊現代)
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投稿者 外野 日時 2005 年 6 月 26 日 00:41:52: XZP4hFjFHTtWY

 『月刊・現代』2005年07月号

 戦後──私たちは間違っていたか
        田原総一郎

 …(略)…

 公明主導の年金改革

 二〇〇四年七月一一日の参院選で、民主党が改選前の三八議席から五〇議席に増加させたのに対して、自民党は改選前議席五〇議席から四九議席に落ちた。無残なまでの敗北である。小泉首相はふたたび北朝鮮に飛んで、拉致被害者の子供五人(後に、曽我ひとみの夫と娘二人)を連れ戻したが、票数を増加させる効果はなかった。
 小泉自民党が選挙で敗れた原因は、一にも二にも年金改革にあった。高度成長が終り、少子化が進行すれば、福祉・年金は軽くなり、税金は重くなる、というのはいかなる党が政権を担っても変わりはない。ところが、〇四年六月、つまり参院選挙の直前に成立した年金改革法は、国民の反発を怖がるあまり、世論に媚びすぎて、逆に不信をかってしまった。
 この法案は、選挙母体である創価学会の人々の強い要望で、公明党が主導してつくられた。例えば厚生年金の保険利率を現行の収入の一三・五八パーセントから一八・三パーセントに引き上げて、給付額を、逆に約六〇パーセントから五〇・二パーセントに下げるとなっている。
 そしてこの制度を「一〇〇年安心の年金制度」とうたいあげた。だが、実は公明党主導の改革は、大甘制度だったのである。この制度を維持するためには、基本給与は一年に二パーセント以上あがり、出生率は一・三九を保ち、年金の利回りが三パーセント以上でなげればならない。しかし、ここ数年、基本給与はあがっていない。〇四年の出生率も一・二九でしかない。「一〇〇年安心」どころか、数年で破綻する、いや最初から現実とかけ離れていた。結論が掛け金一八・三パーセント、給付額五〇・二パーセントになるようにはじき出された数字であり、根拠あってのデータではなく、結果にあわせるように作られたデータなのである。

 小泉改革の行方

 しかも国会では、こうした大甘のデータや、一〇〇年どころか一〇年ももたない帳尻合わせについて、審議さえもほとんど行われなかった。…(略)…

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