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(回答先: JR 西日本叩きで終わる日本社会の不幸【そもそもこの国は地獄なのだ】 投稿者 匿名取締役 日時 2005 年 5 月 07 日 12:38:18)
>そもそもこの国は地獄なのだ
この考え方には共感もあります。また、最近の日本社会はこのような住みにくい社会へ
どんどん変貌している、という考え方にも異論はまったくありません。ただ、最後に引用
された英国鉄道の例はミスリードではないでしょうか。むしろ今日の日本はまさにこの
英国サッチャー政権が失敗した構造改革へ向かって社会全体が突き進んでいることによって
地獄に近づきつつあるのですから。
そもそも一般的に英国の鉄道はあまりよい評価を得ていません。英国の地下鉄は脱線事故が多いし、
保線もあまり適切に行われていないようです。イギリスでは10分以内の遅れは遅れとは見なさないため、列車の遅刻は当たりまえ、駅の設備故障で列車が何日もその駅に止まらなかったり、大規模な信号機故障で数日間も運休することも起ります。それでいて安全かというと2000年にロンドン郊外のハットフィールドという町で特急列車横転事故も起きています。(死者4名・負傷者70名)
ではなぜ英国でストライキ(職場放棄)が多く、多くの労働者にやる気がないのかというと、富の差が激しく、階級・民族差別も厳然としており、企業幹部が法外な高給をとっている一方で一般労働者が毎日の生活費に苦労しているという現実があったからです。英国の一般の労働者からしてみるとばかばかしくてまじめに働いてなんていられない、というのが本当のところなのです。
英国は伝統的に自由放任経済・金融資本主義を教条とする国です。このような性質の国は
経済学的に必ず激しい所得格差が生じます。本来サッチャーはこの英国病を退治するためには
行き過ぎた私有財産経済を見直し、もう少し所得の分配を行うような政策(例えば累進課税、
相続税の税率アップ、またその原資で得たお金で公共投資を行うなど)をすべきでした。
一般の市民が普通に生活ができる糧を提供すべきだったのです。
ところがやったことは金融ビックバンという金融資本主義のさらなる強化、小さな政府を目指して
公営企業の民営化、中央省庁のエージェンシー(独立行政法人)化、行政への民間参入、行政現場への競争原理の導入を進めてしまいました。これは英国病をますます深刻化させる結果となった
のです。
>運転手はマグカップに紅茶をなみなみとつぎ、悠々と運転台に向かう。
これも別に悠悠自適な生活を楽しんでいるというより、ある意味あきらめも入った彼等なりの生活信条なのではないでしょうか。英国の労働者は生活のゆとりからくる人間らしい職場環境を実現しているなんてことは聞いたことがありませんからたぶんそうでしょう。
>英国では線路の本数も駅のホームも多い。ロンドンのから各地に向かうどの線も複複線が続きま
>す。通勤列車が遅れても特急などの影響を気にせず専用の線路を走って遅れを回復すればいい。
>利用客は時間的余裕を持って列車を使う事になります。
これも有名な話ですが、このおかげで英国の鉄道は何番線から電車が出発するのか、発車直前まで分かりません。発表されるのは発車の2、3分前なんていうことも決して珍しいことではないそうです。そのため、この番線を表示する掲示板の前には大学受験の合格発表を待つ受験生のような人だかりがいつもできているそうです。
こうしたことからも英国が日本のめざすお手本となる社会とはとても思えません。むしろ今まで我が国が行ってきた数々の政策をみなおし、いいものは取り入れてゆくといった温故知新といいますか、懐古主義的な発想が求められている気がします。
★参考資料
イギリス病 〜ロンドンレポート
http://www.geocities.jp/tooru_ageta/report13.html
英国の悲惨な鉄道の謎 〜わたしのイギリス生活
http://plaza.rakuten.co.jp/londonlife/diary/200411250000/
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