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(回答先: 遺骨のDNA鑑定結果をめぐる歪んだ解釈 投稿者 ミネルヴァの梟 日時 2004 年 12 月 28 日 00:49:38)
今回「北は日本の科学力を甘く見た」との各マスコミでの報道は、始めに骨を特別機で空輸しながら、その後追求を求められて「らち者を骨にされる」と被害者家族を脅すような言い方で逃げる政府担当の態度からみても疑問。
科学警察研究所と帝京大の違いは、核DNA(大きく切れ易い?)と、ミトコンドリアDNA(短く母親のみから遺伝)の差によるとは聞いています。そして、同じだと証明するより別人と判定する方が簡単なのも確かです。
しかし、DNA判定のみでは間違いの可能性があることは、厚生省もかつて指摘しています。
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厚生労働省ホームページ
第5回 戦没者遺骨のDNA鑑定に関する検討会技術部会議事要旨
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2002/12/s1213-11.html
集団の遺骨を対象としたDNA鑑定等について
当部会構成員から、集団の遺骨と集団の遺族の組合せによるDNA鑑定の推計学的有用性のシュミレーションについて検討結果の報告がなされ、これについて意見交換を行った。
【報告の概要】
高感度の機器や検査者技術の質的保証があり、検査した全てのローカスが正確に、型判定されることが前提であるが、多数の遺骨群から関係する遺族をDNA鑑定で探す場合は、単独の遺骨の鑑定に比べて、かなり高い尤度比が必要であると考えられる。
【意見交換】
尤度比又は肯定確率をどの程度の高さに設定するかは、個々の事例で様々な条件にもよると考えられるが、数値が達しないものは、検査するDNAの種類を追加して、数値を高めていくことも一つの方法である。
米国では、多数の検体を対象とした場合に、全くの他人であるにもかかわらず、同じDNA型が判定され、間違えた事例が実際にあり、多数を相手にした場合には、間違いが絶対におこらないとはいえない。このため、検査するDNAの種類を増やすなどして、より精度を高めることが必要である。
資料精度が高いと思われた戦没者遺骨の個別DNA鑑定の判明結果が低い。米国の場合は、ほとんど対象者が絞り込まれていると見られるが、戦没者の場合は極端にいえば含まれないこともあるので、尤度比は対象が多ければ厳しく設定しないと、間違いが起こる可能性が増えると考えられ、何らかの工夫が必要である。
集団の遺骨を対象とした鑑定でも、親子関係に関してはある程度確率的には対応できると考えられる。同胞関係は若干問題があるが、検査するDNAの種類を増やすなどすれば、精度が高められ相当程度は対応できる印象である。
肯定確率を計算する際の事前確率論では、1対1の鑑定など通常は0.5と置くが、集団を対象とした場合には「集団の数分の1」と置くべきかどうかの議論もあるが、これは非常に難しい問題であり、今後この辺りの基準をいかに設定すべきか詰めていく必要がある。