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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041225-00000016-mai-int
【パリ福島良典】イラクで武装集団に拘束されていたフランス人記者2人が21日に解放された後、与党議員による「架空の救出工作」が人質の置かれた状況を悪化させ、解放遅延を招いていたことが判明し、仏政界で責任追及の声が広がっている。24日付の仏紙フィガロは解放された記者の体験談を掲載、架空工作を裏付けた。
渦中の人物はシラク大統領の支持母体である右派与党「国民運動連合」(UMP)のディディエ・ジュリア議員(70)。8月に2人が拉致された後、9月初旬に仏政府とは別の独自救出工作に着手した。旧仏植民地の西アフリカ・コートジボワールのバグボ大統領がパリと中東を往復する飛行機を用立て、側近のレバノン人実業家が工作チームに加わった。
旧フセイン時代に「イラク・ロビー」団体を率いていた議員の知人、フィリップ・ブレット氏(41)は9月28日、衛星放送アルアラビーヤで「2記者と会った」「誘拐グループとの合意で解放できる」と述べた。
仏紙ルモンドなどによると、大統領府は独自工作について与党筋から知らせを受けた。政府関係当局は「あまり信用できないが、工作は妨害しない」(バルニエ外相側近)方針を固め、ジュリア議員らのシリア入国査証の発給で便宜を図った。当時、「シリアで解放近し」の情報を真に受けた仏メディアは記者をダマスカスに急派したが、結局、空振りに終わった。
仏紙フィガロのジョルジュ・マルブリュノ記者は22日に帰国後、ブレット氏との「面会」を全面否定。ジュリア議員らを「ペテン師、虚言癖の人物」「同胞2人の命を危険にさらし、もてあそんだ」と指弾した。さらに24日付で同紙に掲載された体験談では9月21日に武装集団から「明日解放」を通告されながら実現しなかった経緯を明らかにし、「(ジュリア議員らから)横ヤリが入り、(仏当局と武装集団の)接触が断たれたためだ」と指摘した。
バルニエ外相ら仏政府関係者はジュリア議員の「無責任さ」を非難、UMP下院議員団は党籍はく奪を視野に内部調査の開始を発表した。これに対してジュリア議員は外務省による査証発給便宜などを根拠に「政府承知済みの任務だった」と主張、「無能のバルニエ外相は私をスケープゴートにしようとしている」と反論している。
(毎日新聞) - 12月25日10時22分更新