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毎日新聞 2004年12月12日 朝刊 読書欄」
本と出会う―批評と紹介
『帝国以後』以後 米原万里
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『論座』(朝日新聞社)正月号の特集「笑うブッシュと黙り込む世界」にフランスの人口学者エマニュエル・トッドのインタビュー「グッドバイ!アメリカ」が載っていて、思わず買ってしまった。
76年刊行の『最後の転落』で、ソ連の乳児死亡率の上昇からインフラ弱体化を見抜いてソ連邦崩壊を予言、02年刊行の『帝国以後』で、アメリカ社会の貧富の格差拡大と低所得者層の乳幼児死亡率の異常な高さからインフラ弱体化→体制そのものの衰退を予言したトッドは、アメリカの言う「国際テロの脅威」なるものが、経済的に世界のお荷物に成り果てたアメリカが自分は世界最強であるという幻想を維持するための神話に過ぎないと、目も醒めるほど鮮やかに論じ切った。
そのトッドが『帝国以後』執筆以降のイラク戦争泥沼化とブッシュ再選をどう見ているのか興味があった。
トッドが危険視するのは、ブッシュそのものよりも、ブッシュ再選に表れた米国大衆そのものの腐敗、「退嬰的で攻撃的なポピュリズム」であり、アメリカ社会崩壊のプロセスが予想以上に急速に進んでいることのようだ。
また、大方と違ってイスラエルロビーに米国が牛耳られているのではなく、アメリカがイスラエル問題を利用していると見ているのが新鮮だ。
お互いの連携を深める欧州、ロシア、中国のアメリカ離れの加速化を指摘しており、私的にはそのアメリカとの心中に日本を引きずり込む首相の人気未だ衰えない日本大衆の「退嬰的で攻撃的なポピュリズム」こそ気になった。
(終わり) (米原万里)
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(感想)アメリカと心中か・・・、なんだかな〜。