11/26 13:28 臨時政権樹立を宣言 野党、独自軍の創設発表　主要官庁の包囲呼

　【キエフ２６日共同＝佐藤親賢】ウクライナ大統領選をめぐる混
乱で、選挙不正を訴える野党候補ユシチェンコ元首相の「救国委員
会」は二十五日夜、布告を出し「国民の権力が復活した」として臨
時政権樹立を宣言、独自の治安軍となる「人民自衛隊」創設など七
項目を発表した。また二十六日から大統領府、最高会議、内閣府な
どの主要官庁を包囲するようキエフ中心部に集まった十万人以上の
支持者に呼び掛けた。
　一部警察幹部が野党支持を表明、政権側から離反の動きが出始め
るなど二重権力の様相はさらに強まり、ウクライナは国家分裂の危
機に直面。国際社会は事態の平和解決に向け、仲介に動きだした。
　野党陣営は二十五日、ヤヌコビッチ首相を「当選」とした中央選
管の決定を無効とするよう求め最高裁に提訴。これを受け、最高裁
は選挙結果公布を一時差し止めると発表した。ロイター通信による
と、最高裁は二十九日に野党側の訴えを審理する予定。
　布告によると、救国委員会は三十人で構成。内閣にあたる「執行
委員会」を設置し、ジンチェンコ最高会議副議長が委員長を務める
。憲法擁護を呼び掛けるとともに、思想と言論の自由や市民的秩序
を保障するとしている。
　キエフの中心に近い北部オバロン地区などの警察幹部は二十五日
夜、野党側の呼び掛けに応え野党側支持を表明、政権与党寄りの報
道を続けていた同国三大テレビのうち二局は野党側動静の報道を開
始した。
　一方、欧州連合（ＥＵ）のソラナ共通外交・安全保障上級代表が
二十六日キエフ入りの予定で、ポーランド通信によると、同国のク
ワシニエフスキ大統領も同日キエフに向かう。
　対立候補ヤヌコビッチ首相陣営のチギプコ選対本部長は首相の大
統領就任手続きをできるだけ早く行うよう訴えるなど、政権側は強
硬姿勢も崩していない。
20041126 1328
[2004-11-26-13:28]

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