現在地 HOME > 掲示板 > 戦争63 > 715.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
チリで開かれた韓米首脳会談でブッシュ米大統領は北朝鮮核問題を「極めて重要な(vital)問題」にすると述べた。
韓国政府はこれが盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の要請に対する答えと見なしているようだ。
全く甘い考え方だと言わざるを得ない。先の大統領選挙でブッシュ大統領は北朝鮮核問題を引き伸ばしたという厳しい批判に晒された。
北の核のように、韓半島問題が米国民に切迫した“国内懸案”になったことはないという事実は、大統領候補のテレビ討論で明らかになった。
再選したブッシュ大統領が北朝鮮核問題に取り組むことは火を見るより明らかである。実際、ブッシュ大統領はチリでAPEC(アジア太平洋経済協力会議)加盟国とともに北朝鮮に「核を廃棄せよ」というメッセージを送ることに力を注いだ。
大韓民国の安保責任者らの“天真爛漫ぶり”が目立つ部分は他にもある。
唯一の覇権国である米国が北の核を「極めて重要な(vital)」な問題にするということは、自分の意図や方法で問題解決を推し進めるという意思表明にほかならない。
にもかかわらず、韓国側は北朝鮮核問題を6か国協議の枠内で「平和的かつ外交的に」解決してくというブッシュ大統領の発言を、韓国政府の外交的な戦利品くらいに受け止めているようだ。
問題は「平和的かつ外交的な」解決を追求する取り組みが壁にぶつかった場合だ。
その場合、米政府は「平和的かつ外交的な」解決を唱えて忍耐するだろうか。北朝鮮核問題解決に向けた米国の意思が、北朝鮮への圧力という手法に旋回することは明らかである。
こうした状況で韓国は「主導的」役割に進んで乗り出した。
韓国政府の思惑ははっきりしていないが、北の核放棄を導くのは簡単ではなかろう。
さりとて、北朝鮮核問題解決という目的を「平和的かつ外交的な」手法より優先的に位置付けている米国を韓国政府の思惑通り引き止めることも容易ではない。
のっぴきならない閉塞感のなかで、韓国国民の誰一人も願っていない韓半島の緊張が、予想より早く訪れるかもしれない局面である。
いつにも増して韓国外交が緊張すべき時期だ。
にも関わらず、政府は韓米首脳会談の結果を、まるで米国を相手にした外交的勝利であり、北朝鮮核問題の解決に明るい未来が切り開けたように内輪で祝杯を挙げている。
大統領府国家安保補佐官は「歴代の韓米首脳会談の中で最も抜群な結果が出た」と自評した。
それだけではない。国家安全保障会議(NSC)は大統領のロサンゼルスでの演説に対する批判的な見方を、「大統領の信念を貶し、国の自負心さえ傷つけようとする非難」と責め立てた。凱旋将軍のような態度だ。
一般国民より遠くを見据え、深く考えなければならない大韓民国政府の最高位級安保補佐チームの識見がこの程度だとは、憂わしい限りだ。
今国民は北朝鮮核問題に対し楽観も悲観もしていない。国家的危機が迫れば、肌身で受けなければならない当事者である国民は、大韓民国安保チームより何倍も慎重なのだ。
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/11/22/20041122000073.html