現在地 HOME > 掲示板 > 戦争63 > 631.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
(回答先: 小泉首相、イラク復興支援の継続を表明 日米首脳会談(朝日)−−「抑止力」って日本に対する睨み? 投稿者 竹中半兵衛 日時 2004 年 11 月 21 日 10:33:44)
[ドル安・円高]「現状容認は米国経済にも有害だ」
読売新聞 11月21日
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20041120ig90.htm
しばらく凪(なぎ)が続いていた世界の外国為替市場に、ドル安の強風が吹き始めた。
今年の初夏から1ドル=110円前後で落ち着いていた円・ドル相場で、十月下旬からドル売りが加速し、週末のニューヨーク市場で一時、四年八か月ぶりの102円台に突入した。欧州通貨ユーロは、一九九九年一月の導入以来の最高値を更新した。
韓国ウォンはじめ東アジア諸国通貨も軒並み記録的な対ドル高値を付けた。
ドル売りの背景には、米国の経常赤字と財政赤字の双子の赤字が拡大を続けていることがある。ブッシュ政権は縮小に具体策を示さず、特に大統領選挙の勝利後、財務長官などがドル安容認の発言を繰り返し、投機的な売りを加速した。
米国の巨大な経常赤字の是正に、緩やかなドル安も、ある程度はやむを得ないかもしれない。しかし、投機的な売りに押された急激なドル安・各国通貨高は、世界の経済にとって好ましくない。
日本では、回復を牽引(けんいん)してきた輸出と設備投資が息切れを始め、景気に減速傾向が出ている。独仏などユーロ圏も、高い失業率、内需低迷に原油高が加わり、景気腰折れの懸念が強い。こうした時期にドル急落が続けば、景気が後退に向かうことにもなりかねない。
週末のドル急落は、米連邦準備制度理事会のグリーンスパン議長の「米国の巨額の経常赤字が海外投資家のドル資産離れを招きかねない」との警告が直接の原因だった。そして、ドル売りをきっかけに、ニューヨーク市場では株式、債券も売られ“トリプル安”となった。
ドル急落が株安、債券安を招く事態が繰り返されれば、企業業績などに響き、米国の景気にも打撃となろう。
谷垣財務相は「急な動きがあれば断固たる措置を取る」と春以来停止していたドル買い介入再開の姿勢を示した。ユーロ圏十二か国の財務相たちもドル安阻止の決意を見せている。日欧が連携すれば投機的な動きを鎮める効果も高まる。
米国の介入は当面、期待できないとしても、投機筋の売り材料にされる発言は慎むべきだ。双子の赤字縮小へ、金利引き上げ継続で過剰借り入れ、過剰消費を抑制するなどの努力を重ねてほしい。
日欧も、対米貿易不均衡を是正する努力を続けることが必要だろう。
極端に割安な対ドル固定相場を続ける人民元の弾力化、切り上げを、各国が中国に働きかけることも重要だ。世界七位の経済大国に成長した中国が日米欧の変動相場制の輪に入り、実力相応の相場にすることは、為替相場全体の安定性を増すことにもつながる。
(2004/11/21/01:48 読売新聞 無断転載禁止)