2004.11.16
Web posted at: 20:54 JST

- CNN

ワシントン（ＣＮＮ）　米中央情報局（ＣＩＡ）作戦担当のスティーブン・カッペス副長官とミハエル・スリックの両氏が１５日辞職したことがわかった。複数の消息筋がＣＮＮに明らかにした。

二人の辞職劇は、ポーター・ゴス新長官による権力掌握の内紛の中でおきた。カッペス副長官は８月、ジェームズ・パビット前副長官から現職を引き継いだばかりだった。

マクローリンＣＩＡ長官代行も１２日、「個人的な理由」から辞職を表明。国際テロ組織アルカイダのリーダー、オサマ・ビンラディン容疑者の捜索担当責任者も１１日に辞職している。

ブッシュ大統領は８月、元ＣＩＡ職員のポーター・ゴス前下院情報特別委員長を新長官に指名。ゴス氏は公聴会で、ＣＩＡに「愛情一徹」と公言していた。

消息筋によると、カッペス、スリックの両氏は、ゴス氏が連邦議会から引き連れてきた副官たちと衝突したらしい。共和党議員団は１３日、マクローリン長官代行らの辞職がＣＩＡ激変の懸念を引き起こしていることを受け、ボス新長官に対する支援を表明した。ビル・フリスト共和党上院院内総務は「指導者が変わったときに付き物の交代」と話した。

フリスト院内総務は「世界の自由のためにテロとの戦いに邁進するためには、個人の入れ替えや組織再編などは大きな影響にならない」と話している。

だが、ゴス新長官は米国が誇る諜報機関を再編しようとして、益より害をもたらしているとの指摘もある。ゴス氏が新長官に就任した９月に「あまりに党派的で、経験もない」と批判した下院情報委員会のジェーン・ハーマン下院議員（民主党）は、「ＣＩＡは今や急落している。つまり、戦争の真っ最中には極めて悪い兆候だ」と話した。同議員は、ゴス新長官には諜報機関を変革する権限があると指摘した上で「目標を達成するための管理チームが必要だ」と注文をつけた。

共和党のジョン・マケイン上院議員やリンゼイ・グラハム上院議員はゴス新長官を擁護する一方で、ＣＩＡ内部の機能停滞を批判。マケイン議員はＡＢＣテレビに出演し、「コス長官は正しい道を歩んでいる。現状維持を求める職員の反発を受けているだけだ。現状維持では満足できない。テロとの戦いにおいても、ＣＩＡは大統領に必要な情報を与えていない」と述べた。グラハム議員は「人々の感情を傷つけることは気にしない。私はただ、懸命に働く者を支援したい。間違ったやり方をすれば、お払い箱だ」と強調した。

http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200411160019.html

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