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(回答先: 社説:サマワと日本 人々の善意につけこむな [毎日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2004 年 12 月 02 日 01:17:08)
これまで、日本は経済協力を国際貢献の柱と位置付けてきた。とりわけ、欧米先進国が援助疲れで、政府開発援助(ODA)を減らした90年代には、アジアのみならず、アラブ、アフリカなどへの供与も拡大し、援助大国の地位を固めた。
この延長線上で考えれば、イラク復興において大きな役割を期待されたのは、米国の同盟国であるからだけではなく、十分納得できることだ。また、イラク攻撃をどう評価するかを措(お)いても、イラク国民の置かれている状況を考慮すれば、復興に協力していくことは当然である。
一般的に、戦後復興などでは、まず、緊急の人道援助が行われなければならない。次いで、ある程度、社会や人心が安定した段階では本格的な復興援助が必要になる。これに続き、開発援助も求められる。もちろん、それぞれの国の経済発展段階や資源保有状況によって、事情は異なってくる。
イラクの場合、03年秋、マドリードで復興支援国会議が開かれ、援助の大枠が固まった。日本は有償、無償合わせて50億ドルの供与を約束した。米国の200億ドルに次ぐ金額である。さらに、復興人道支援部隊として自衛隊も送った。戦闘状態にはないものの、文民や民間人が援助活動を行うには、危険が伴うということで、自衛隊が給水活動や道路補修などを担ってきた。
人道援助の常識から、給水を選んだのは正しかった。ただ、こうした援助も基本は民間が行う筋合いのものである。軍隊が行うとしても、短期間に限られるべきだ。政府は、依然、サマワ周辺の治安は安定しているという一方で、民間が担うには危険が伴うという。
しかし、15億ドルの無償援助枠のうち、これまでに13億ドルは実施ないし決定されている。実際に実施されているのは2億ドル程度というが、サマワのあるムサンナ県での給水車や給水タンク、浄水装置などの供与は進んでいる。バグダッドでの浄水設備整備計画への浄水装置供与も決定している。このうち、ムサンナ県の案件は大半が地元自治体などへの草の根支援である。イラク人が自ら給水を行っていく大勢ができつつあるといっていい。
そこで必要なことは、広域に給水できる規模の大きい浄水施設の復旧・建設や、水道網の普及である。いまそれができるのかどうかは明らかではないが、この段階では自衛隊の出番はない。本格的復興援助や開発援助は民間企業や非政府組織(NGO)の舞台だ。
主要債権国会議(パリクラブ)は11月21日、イラクの公的債務の80%削減で合意した。日本が円借款を実施する前提条件は整いつつある。この先、1月の選挙が予定通り行われるのかなど楽観はできない。それでも、緊急援助から通常援助に移行するためにも、自衛隊の援助は終わりにすべきだ。【論説委員・今松英悦】
毎日新聞 2004年12月3日 0時22分
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/kokkai/news/20041203k0000m070153000c.html