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(回答先: Re: [Re: ]真の敵(パラドクス) 投稿者 ワヤクチャ 日時 2004 年 11 月 10 日 00:01:33)
「香団さんの最後の最期の言葉は、嘘だったらしいよ」
「?」
「あのね。ごにょごにょ」
「ええッ?
首相の冷たさを際だたせるために、謝ってみせたの?」
「どうする?」
「どうする?」
「おまえ、香団さんのファンなんだろ?」
「きっと嘘じゃないよ、芝居なんだよ」
「そうだよな、正直一本の男が、土壇場で嘘つくはずないもんな」
「世の中のこと、嘘だらけ、って言ったんだもん」
「だよな。
謝るってのは、実質なにも語ってないわけだし」
「そうそう」
「じゃあ何で、謝ったのかな」
「‥‥」
「あのさあ‥‥じつはさ。
ホンモノの香団さんは、生きてるんだよ!」
「え!?」
「米匡に協力したんだ! ぜ〜んぶ、芝居だったんだ」
「え゛ーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
ち が う!!! ぜ っ た い 、ち が う!!!」
「ウソウソ。
香団さんは、初めの人質事件を、ぜんぶ芝居だと思ってたんだ。
でも、ホントに捕まっちゃったから、心底わびたんだよ」
「‥‥。
そんわけないよ! ひどいよ!」
「あのな‥‥」
「もういいよ!」
「怒るなよ!」
「怒ってないよ!」
「でもなあ」
「?」
「捕まるとわかってて、行ったんだよね!」
「‥‥」
「‥‥」
「かもしんない」
「捕まりに行ったんだよね」
「‥‥」
「捕まるとわかってて、行ったんだよね」
「かもしんない」
「捕まりに行ったんだよね!」
「‥‥」
「そんなことで泣くなよ!
だからさあああ‥‥生きて還んなきゃ意味ないんだからさあ」
「苛めないでよ」
「いや‥‥だから」
「‥‥」
「そういうことじゃなくて!」
「じゃ、なに!?」
「だから‥‥。
生還できなかったから、そのことは失敗だったから‥‥その‥‥そのことだけ、詫びたんじゃないかって」
「‥‥」
「‥‥」
「なんだよ」
「‥‥」
「あのね‥‥ぼくたちは芝居なのかなあって」
「‥‥」
「‥‥」
「わかんないな。ショートコントだし」
「笑うとこないけどね」
「ははは」
「ぼくたちは透明な存在なんだね」
「かもな」
「香団さんも‥‥???」
「わかんない」