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【カイロ＝長谷川由紀】８日夕（日本時間９日未明）にイラク中部ファルージャに対し総攻撃を開始した米軍とイラク軍は同夜から９日未明にかけて、市内を戦闘機などで空爆するとともに、市北東部に加えて北西部へも地上部隊を進攻させた。
武装勢力側は一部で反撃しているという。イラク駐留多国籍軍のジョージ・ケーシー司令官は、ここ数日間は激戦が続くとの見通しを明らかにしており、今後さらに激しい市街戦となる可能性が強い。
現地からの報道などによると、米軍機が武装勢力の潜伏地点とされる市北西部ジョラン地区を集中空爆し、砲兵部隊、戦車が同地区に進攻。また、別の部隊が市北東部のアスカリ地区に入った。
９日付の米紙ワシントン・ポスト（電子版）によると、この攻撃でザルカウィ容疑者側近のサウジアラビア人１人が死亡。米ＣＮＮテレビは、武装勢力側に２０―２５人の死者が出たと報じた。武装勢力はロケット弾数発を撃ち込むなどして反撃しているが、イラクのシャラン国防相によれば、一部は市南西部やバグダッド方面に逃走しているという。
一方、ロイター通信は医師の話として、民間人１５人が死亡、２０人が負傷したと伝えた。
ケーシー米軍司令官は、バグダッドからワシントンにテレビ中継された記者会見で、総攻撃の目的を「ファルージャにあるテロリストや武装勢力の安全地帯を一掃し、イラク暫定政府の支配を回復するため」と説明した。作戦名は「アル・ファジュル（夜明け）」。米軍の規模は陸軍・海兵隊計約１万―１万５０００人。ＣＮＮによれば、イラク軍は２０００人以上が参加している。
武装勢力の規模は推定３０００人前後。民間人について司令官は「人口２０万人超のうち５割から７割が避難済みと推定している」と述べ、まだ１０万人以上の市民が残っている可能性を示唆した。
ファルージャは、ヨルダン人テロリスト、アブムサブ・ザルカウィ容疑者の一派など反米武装勢力の拠点となっており、米・イラク軍は来年１月の国民議会選挙に向け同勢力を壊滅させる狙い。昨年５月のブッシュ米大統領による「主要な戦闘の終結」宣言以後、１都市に対する戦闘としては最大規模となる見込み。
総攻撃に先立ち、両軍は７日夜から８日にかけて市西方のユーフラテス川にかかる橋２か所や病院を制圧するなど、同市をほぼ完全に包囲。米軍はこの攻撃で武装勢力４２人が死亡した模様としている。総攻撃開始とともに、米軍の援護を受けたイラク軍部隊が市北部の駅舎を制圧した。
(2004/11/9/13:20 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20041109it03.htm
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。