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【ヨハネスブルク=加藤賢治】内戦状態が続く西アフリカ・コートジボワールで6日、政府軍が停戦監視にあたる駐留仏軍の兵舎を空爆、仏軍も報復攻撃した。
同国最大都市の商都アビジャンでは同日から、報復攻撃に抗議するバグボ大統領派の過激組織が反仏デモを繰り広げ、騒乱状態になっている。
政府軍の爆撃機は同国北部ブアケ近郊の仏軍兵舎を空爆し、仏軍兵士9人と米民間人1人の計10人が死亡、22人が負傷した。シラク仏大統領は直後に報復攻撃を命じ、仏軍機がコートジボワールの首都ヤムスクロの軍基地に駐機していた爆撃機2機を爆破、7日朝までに軍用ヘリコプター計5機も破壊した。
コートジボワールからの報道によると、アビジャンでは6日から過激組織「若き愛国者たち」のメンバーら数千人が反仏デモを繰り広げ、仏人学校4校に放火するなど一部暴徒化。仏軍はヘリの威嚇射撃や催涙弾で一時鎮圧した。デモは7日も続き、在留仏人の住居も襲撃されている模様だ。
コートジボワールの国会議長は7日、仏軍が一連の衝突で国民30人以上を殺害したと主張。仏国防省報道官はこれを否定した。
在コートジボワール日本大使館によると、在留邦人は約60人。大半がアビジャンに滞在しているが、7日午後までに邦人の被害は報告されていないという。同大使館では、政府軍の4日の空爆開始後、邦人に外出自粛を呼びかけている。
コートジボワールは2002年9月に蜂起(ほうき)した反政府武装勢力が北部を支配し、南部を支持基盤とするバグボ政権とにらみ合っている。バグボ政権は北部に多い移民の農地所有権などを認めず、「北部蔑視(べつし)」に反発した北部出身の移民系兵士が決起した。旧宗主国フランスは約4000人の兵士を駐留させ、国連平和維持部隊約6000人とともに南北境界線付近に緩衝地帯を設け、南北間の軍事衝突を抑え込んできた。
政府軍は4日からブアケなど反政府勢力支配地への空爆を開始。複数の政府軍高官は6日、ロイター通信に仏軍攻撃は「誤爆だった」と説明した。政府軍が北部への攻撃を再開した理由は不明だが、バグボ大統領は和平実現に極めて消極的だったのは確かだ。2005年10月の大統領選まで内戦状態を続け、北部を排除する形での選挙強行を狙っているとの指摘もある。
バグボ大統領の報道官は6日、反仏デモの中止を呼びかけたが、デモの噴出はバグボ大統領が自ら招いた災難でもある。仏は2003年1月に反政府武装勢力を政権に参加させる和平案をバグボ大統領にのませ、一応の停戦を実現させた。しかし、メンツを失ったバグボ大統領は、国営メディアなどで「仏による新たな植民地化政策」と反仏感情をあおってきた。バグボ大統領側近は「若き愛国者たち」を資金援助し、失業など内政問題から南部住民の目をそらせるため、反仏デモを後押ししてきたとされる。
事態収拾には北部への軍事行動と反仏デモを収束させるしかないが、バグボ大統領にとっては再選に向けた「戦略」を自ら否定することにもなり、深刻なジレンマに陥った形だ。
(2004/11/8/01:57 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20041107id23.htm
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