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ザルカウィは内戦を起こそうとしているのか?[Falluja, April 2004 - the book ]
http://www.asyura2.com/0411/war62/msg/173.html
投稿者 NJ 日時 2004 年 11 月 02 日 01:36:38:QZEFwNzGXHdaQ
 

(回答先: ザルカウィの「役割」と虚像【イラク情勢ニュース】 投稿者 バルタン星人 日時 2004 年 11 月 01 日 12:28:01)

http://humphrey.blogtribe.org/entry-665975eb09e8000f5a5d2927a98dee8f.html
ザルカウィは内戦を起こそうとしているのか?
占領を擁護する人々の間で、「我々が立ち去れば、内戦が起きるだろう」といういいわけは常に繰り返されてきた。Under the Same Sunから、ザルカウィの「内戦シナリオ」分析記事を紹介します。


ザルカウィはイラクで内戦を始めたがっているのか?
2004年10月24日
Under the Same Sun原文


占領を擁護する人々の間で、「我々が立ち去れば、内戦が起きるだろう」といういいわけは常に繰り返されてきた。これまでのいいわけや口実と同様に、これもゴミために捨てられていく中で、私はこれをほとんど忘れかけていた。この口実は、イラク人が占領に反対して団結し、シーア派モスクが包囲されたファルージャのために食料を集め、ファルージャ住人が空襲を受けたナジャフに駆けつける中で、いっそう無意味なものに思われた。実際、植民地占領者に対するレジスタンスは、恐らく、西洋世界の外では、国家創設の最もよくかる手だてであろう。クルド人については問題が残っている。イラクにとどまることに疲れ慎重な態度をとることが当然と言えるからである。けれども、それを除けば、分離主義が爆発する恐れは誇張されすぎているとの印象を私は抱いてきた。

しかしながら、ますます多くの証拠が、ジャマート・アル=タウヒード・ワ・ジハード----ザルカウィと関係していると称し、最近、ビンラディンにゴマをすり、正当性を救い出そうと「二つの河のある土地でジハードを行うアル・カーイダ」と名前を変えたグループ----が占領に抵抗すると見せかけて内戦を引き起こそうとしているのではないかという点について、まじめに検討すべきであることを示唆している。イラク軍新兵50人を処刑式に殺害した最近の事件でタウヒード・ワ・ジハードが犯行声明を出したが、これは占領に抵抗するという見せかけのもとでシーア派を標的とする流れの続きとなっている。この傾向は、恐らく米国ではあまり気づかれていない。というのも、ニュース報道は、自動車爆弾が「バグダード」で起きたとは報ずるが、その地域や犠牲者の宗教的属性についてはあまり言及しないからである。最近起きた大量殺害は、標的を定め事前に計画を練った襲撃であり、襲撃者たちは誰を殺すのか知っていた。したがって、次のことにも知っていたに違いない:殺された兵士のほとんどは、シーア派が多数を占めるバスラ、アマラ、ナシリヤといったイラク南部諸都市の貧しい家族の出身者であると、匿名を希望したイラクの上級治安官僚が語ったこと。

その前に起きた暴虐沙汰を思い起こしてみよう。下水工場の開所式でキャンディをもらいに並んだ子供35人の殺害。これが起きたのは、やはり貧しいシーア派居住地域のアマルである。さらに、その前に起きたシーア派アシュラ礼拝者を標的とし、185人を殺した爆弾、あるいは子供たちで満員のスクールバスを吹き飛ばしたバスラの自動車爆弾を思い起こせば?

さらに、イラク軍新兵への攻撃は、レジスタンスとしては意味を持たない。誰に聞いても、ほとんどの新兵そしてイラク軍と警察のほとんどの人々は、米国の命令にまるで従いたがっていないのである。彼らはファルージャで戦うという考えに抵抗し、また、同胞を攻撃せよとの命令に抵抗し続けてきた。ニューヨーク・タイムズ紙の最近の記事には、イラク軍兵士について米軍の間に広まっている考えを反映した海兵隊の見解が報じられている:


このゲリラ戦では、戦闘規則に厳格に従えば両手を縛られることになる、と海兵隊員たちは語った。彼らは、イラク警察と国家警備隊はよくても助けにならず、最悪の場合には敵のエージェントであると述べ、イラク人兵士たちは速やかに13万8000人のイラク駐留米兵の警察義務[ママ]負担を解放してくれるだろうとのブッシュ大統領の確言に疑問を呈している。


こうした部隊や警察の非武装メンバーを処刑式に俯せに寝かせたところを後ろから撃つようにして殺すことに、イラクの人々が同意すると思えるだろうか? 私は、そうした行為が人気があるはずはないと思う。事実、約6カ月前に行われた世論調査によると、イラクの人々は、一般に、占領軍への攻撃は支持するが、イラク警察への攻撃は支持していない。これらは、アヤド・アラウィがサダム式支配を再現することに成功するならば変わっていくかもしれない----そして最近のナジャフ攻撃はそうなりつつあることをかすかに示している----が、まだ今は、そうした事態にはなっていない。

これらすべては、ジャマート・アル=タウヒード・ワ・ジハードの思考にフィットする。名前に使われている「タウヒード」は一神教を意味し、「非シーア派」の暗号と解することもできる----ブッシュがドレッド・スコット判決[自由州に移り住んだドレッド・スコットが解放を求めたのに対し、1957年米最高裁が黒人奴隷は所有物であり市民ではないと却下した判決]をロー・ウェード判決[女性の中絶権を認めた判決]の意味だと言うことに似ている。スンニ派の中には、シーア派のアリ崇拝は許し難いと見なし、アリを預言者ムハンマド、さらには神と同様に崇拝しているとシーア派を非難する者もいる。そして一神教を繰り返し主張することは、シーア派への嫌悪を表明する一手段である可能性がある。エンパイア・ノートで指摘されているように、これは本当の内戦を引き起こす種を撒くことになりうる。

以下に示すのは、アブ・ムサブ・アル=ザルカウィがオサマ・ビンラディンに書いたとされる、イラクのシーハ派についての「分析」である:


3[ママ] シーア派

[奴らは]取り除き難い障害、闇に潜むヘビ、奸智にたけた悪辣なサソリ、スパイを働く敵、心にしみ込む毒である。我々はここで二重の戦いに入っている。一方は、はっきりしているもので、攻撃を仕掛けてくる敵と明白な不信に対するもの。[もう一方は]友の手袋をはめ、合意を示し、同志愛を呼びかけながら悪意を育み物事を逆さまにする狡猾な敵に対するもの。イスラムの歴史を横切りイスラムの顔に時でさえ消せない傷跡を残したバーティン派一味の遺産がある。じっくりと観察する人々や関心を持った見物人ならば、シーア派の教義は、気味悪く迫ってくる危険であり、真の問題であることに気付くだろう。「奴らは敵だ。注意しろ。奴らと戦え。神かけて、奴らは嘘をつく」。歴史のメッセージは現在の状況という証言により証明された。それは非常に明確に、シーア派の教義はイスラムと何の共通点もないことを示している。啓典の民という名のもとでユダヤ教徒がキリスト教徒と何らかの共通点を持つといった意味以外では。

あからさまな多神崇拝、墓地での礼拝、廟をうろつくことから、[預言者の]伴侶を不信心者と呼び信者の母たちやこの[イスラム]国家を侮辱することまで、[奴らは]論理の産物としてのコーランをねじ曲げてそれをよく知る者の名誉を傷つけ、さらに、この[イスラム]国家の無謬性と奴らを信ずることの大切さを語り、啓示が自分たちにもたらされたと断言し、さらに他の不信心や無神論を示し、そうして奴らが認めた本や原典----それらを奴らは印刷・配布・出版し続けている----があふれ出す。


私はここで、一つの疑問を示唆しているだけである。この問題を分析するためには私が現在有するよりも遙かに多くの専門知識と、私がこれまでしてきたよりも遙かに多くの調査を必要とする。最初にすべきなのは、イラク民間人を標的とした大規模な爆弾攻撃のうち、米軍以外が行なったもの----アシュラやバスラでの爆発攻撃----を整理し、どこで行われたかを見ることである。第二は、イラク軍新兵をねらい打ちした殺害を調べ、標的の大部分がシーア派かどうか調べることである。正直に言うと、私は、アブ・ムサブ・アル=ザルカウィが実際の人として実在しているかどうか知らない。私が知る限りでは、ザルカウィというのは、ジャマート・アル=タウヒード・ワ・ジハードが便宜的に使っている指導者パーソナリティに過ぎない。けれども、それは問題ではない:ある集団が、占領への抵抗という見せかけのもとで一貫してシーア派を標的としており、その集団は、襲撃を心理的に最も挑発的な方法で行なっている:アシュラで数百人の礼拝者を殺し、バスラとアラムで数十人の子どもを殺し、帰宅途中の非武装新兵で満員のバスを狙う、など。

だからといって私の意見は変わらない:我々[米軍]はできるだけ早く撤退すべきであり、撤退の際、暫定部隊による平和維持をできるだけ容易にすべきである。米軍は、イラクでイラク人の安全や治安を守る部隊ではないし、ましてや民主主義と主権を守る部隊ではない。国連による来年1月の選挙準備をムスリム兵士が支援することを米国が拒否したという恥知らずの行為は、イラクの主権回復や民主主義の実践に米国が何一つ関心のないことを示しており、我々の意図と役割について極めて多くを語っている。


タウヒード・ワ・ジハードそしてザルカウィ。この記事は、彼らの役割をめぐって一つの問いを立てるものです。レジスタンスの名を語りながらレジスタンスの足を引っ張り内部分断を持ち込む極端な暴力行為を繰り返すタウヒード・ワ・ジハードとザルカウィを見ると、本人たちの意図とは別に、この記事が提起している問題は的を射たものであると思えます。

とりわけ、米軍の侵略と占領、殺人という行為に論理的・法的・政治的・人道的に反対する立場を勝手に「反米」と決めつけ、「占領軍が撤退したら内戦が起こる、どうするんだ、反米を自己目的としてイラク占領に反対するなどというのはイラク人のことを実は口実に使っているだけで、占領軍が撤退したら内戦が起こるなどというのは小学生でもわかるのに」などと、論理的に崩壊した自己満足の発言をするに値すると思っている奇妙な人々がいる中では。

タウヒード・ワ・ジハードとザルカウィ。それが誰であれ、米軍はザルカウィをおまじないとしてイラクで殺人を続けて、さらに殺人の「正当化」を続けています。その前はムクタダ・アル=サドル師、その前はサダム・フセイン。 より大きな流れで見ると、今は「対テロ戦争」。その前は「共産主義」。米国は、こうした「悪魔」をプロパガンダ的に創り出すことで、侵略と殺人を世界の様々な地域で繰り返して来ました。

今、タウヒード・ワ・ジハードとザルカウィが内戦を引き起こそうとしているとするならば、彼らは、米国がイラクで繰り返す殺人についてだけでなく、不法な占領を続けることについても、ザルカウィは、信頼できるプロパガンダとしての役割を果たすことになります。


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