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10月18日付・読売社説(1)
[憲法9条]「公明党は改正論議を加速させよ」
公明党も、憲法九条の改正問題に取り組もうとする姿勢を示した、ということだろう。
公明党が憲法改正に関する党見解をまとめた。運動方針案に盛り込まれ、三十一日の党大会で正式決定される。
焦点の九条は、「戦争放棄」を定めた一項と、「戦力不保持」を規定した二項は堅持する。その上で、「自衛隊の存在の明記」や「国際貢献のあり方」について、「加憲」の対象として、「議論を深め、慎重に検討していく」という。
「自衛隊の存在の明記」と「戦力不保持」は矛盾しないのか。疑問もある。
だが、「自衛隊の存在」も、「国際貢献」も、今年六月の論点整理では両論併記にとどまった問題だ。九条に新たな項を立てて明記する、と受け取れる方向性を示したことは一定の前進ではある。
ただ、「議論を深め、慎重に検討する」といっても、いつまでも時間をかけていいものではあるまい。
運動方針案は、9・11米同時テロ後の世界で、安全保障の危機をどう克服するのか、日本の平和貢献はどうあるべきかと問題提起している。「時代状況の大きな変化」「憲法制定時に想像さえされなかった新たな問題」も指摘している。
安全保障環境の劇的な変化によって、憲法九条と現実との矛盾がますます大きくなっているということだ。当然、憲法改正が差し迫った課題となってくる。
政権与党の一角を占める責任政党として、公明党も、二十一世紀の国際社会と日本の平和を維持・創出するための理念と基本原則を憲法に明記する、という作業を避けるわけにはいくまい。
疑問なのは、集団的自衛権について、「行使は認められないという意見が大勢だ」として、行使を容認しない姿勢を明確にしていることだ。
公明党は運動方針案に関連する政策文書で「新しい平和主義」を唱え、「領域保全能力」と「国際平和構築能力」をその柱としている。
だが、例えば、日本近海の公海で米艦船が攻撃を受けた際、近くにいる海上自衛隊艦船が、集団的自衛権の行使になるとして座視するようなことがあれば、日米同盟関係は大きく揺らぐ。そうなれば日本有事の際の「領域保全能力」が、著しく損なわれる恐れがある。
政府が策定中の新防衛大綱では、テロなどの脅威から国際社会の平和を守る国際平和協力活動が、重要な柱となる。
集団的自衛権の行使を認めないで、十分に「国際平和構築能力」を発揮出来るのかどうか。公明党には、改めて踏み込んだ議論をしてもらいたい。
(2004/10/18/01:48 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20041017ig90.htm