現在地 HOME > 掲示板 > 戦争61 > 195.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
【バグダッド小倉孝保】エジプト東部のリゾート地タバとヌエバで7日夜、発生した連続爆破テロは中東地域でのテロ拡散を再認識させるものだ。米同時多発テロ以降、サウジアラビアやトルコ、モロッコなどでテロが相次ぐ中、エジプトはテロ封じ込めに成功していると考えられていた。事件はテロとの戦いの困難さを象徴している。
タバはイスラエル国境の町で同国からの観光客も多い。こうしたシナイ半島のリゾート地はエジプトが特別に外国人観光客誘致を進めているところで、エジプト人がシナイ半島に入るには何重にも検問を通過する必要があり、厳しい治安態勢が敷かれている。
エジプトはイスラム原理主義の源流でもあるムスリム同胞団の発生の地であり元来、原理主義運動が盛んだ。80年代にアフガニスタンで対ソ連戦を戦ったムジャヒディン(イスラム聖戦士)と呼ばれる義勇兵が帰国したことで、90年代初めには外国人を狙ったテロなどが続発した。
しかし、97年に観光地ルクソールで日本人などが大量に殺害されるテロ事件が発生して以来、政府は徹底的なイスラム主義者の取り締まりを実施。穏健派であっても原理主義傾向の強い者は治安当局の監視下に置かれるほどだった。エジプト政府は「イスラム主義者は完全にコントロール下にある」と自信を示してきた。
この間、中東諸国では、01年9月11日の米同時多発テロで始まった米国のアフガニスタン攻撃、イラク攻撃によってイスラム教徒に外国人に対する不満が高まり、サウジアラビア、トルコ、モロッコ、イラクなどでテロが相次いで発生していた。
ムバラク・エジプト大統領は米軍のイラク攻撃開始前、「イラクを攻撃すれば、100人のウサマ・ビンラディンを生む」とテロの拡大を警告していたが、今回の事件は、こうしたテロがついにエジプトにまで広がったことを意味している。
イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザへの侵攻と繰り返される住民への攻撃にアラブ・イスラム教徒は強く反発しており、こうした現状を放置したままテロ撲滅を進めることが極めて困難なことは間違いない。
毎日新聞 2004年10月8日 23時56分
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/afro-ocea/news/20041009k0000m030151000c.html