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あえていわせてもらう。
いったい、いつになったら、日本人はまともになるのであろうか。
「自衛隊撤退せぬ」「遺体は日本人らしい」
「香田さんか 遺体発見」
「解放祈った3日間」
などのタイトルが、仰々しく並ぶ。
ご家族の苦悩は起きざりにしたまま、相も変わらず、本質を度外視したカエルの合唱である。
そんな中、実際渦中を経験した人の視点にあうと、ほっとする。
「人質の経験者 政府対応憤りも」は、至極当然な反応である。
−−4月、イラクで武装グループに拉致されたフリージャーナリスト安田純平さんは、最近イラクの知人から「米軍がさらに激しい攻撃を準備中だという情報が流れ、緊迫している」との電子メールがきた。反米感情とともに日本への反感も高まっていたとみる。
「解放されてからも、日本では自衛隊派遣の是非について本格的に議論しなかった」自衛隊撤退を早々に否定した政府の対応にも憤る(賛成である)。
5月にイラクで襲撃され、フリージャーナリスト橋田信介さんとともに殺害された小川功太郎さんの父・博さんは「家族の方たちに中傷が向うことだけは避けてほしい」と
話した。−−以上は朝日新聞夕刊15面の、家族・人質サイドの視点からの声である。
4月の人質たちへの狂気じみたバッシングはいくらなんでも、今回は無いだろうとおもっていたが、相も変わらず、品性下劣な輩はいるようである。私が問題にしてきた温度差は、永久なのかと、最近、思うようになった。
ある店で
女性 「子ども一人生き残ってもね・・・でも、親の分まで生きるでしょうね」
私 「母子3人生き埋めのことね。よかったわよね。一人でも助かって。でも、イラ クでは、毎日、そうしたことが起きているのよね。この前なんか、米軍の爆撃 で親族 25人殺された青年がいたわ。」
女性「そうそう、あんなイラクのような危険なところに行く方もいくほうよね」
私「???」
テレビでは、例のごとく知ったかぶりの評論家たちが、ぴいちくぱちくとにぎやかである。女性タレントは、香田さんの不幸を語りながら、「日本へのテロの心配は」といった安っぽいシナリオを展開して見せる。
イスラム関連の政府御用学者・保坂氏は「殺害されたとすれば、武装グループは初めから交渉する気はないということでしょう。・・彼等の目的は自衛隊を撤退させることではなく、イラクを混乱させることにある。日本人を人質にとり、そのシーンを公開する。これが日本に与える影響の方が真の狙いで撤退要求は建前だったのではないか」という。
なぜ、こんなことがいえるのか。
テロリスととの交渉を最初から、やる気が無かったのは小泉=日本政府である。コイズミは4月も、そして、今回も、香田さんの声など聞く耳持たず、日本人の命より、占領戦争継続である。いかなる蛮行であれ、軍事行動に付き従うことしか眼中に無い狂人であることぐらいそろそろ、理解したらどうであろうか。
例えば子どもでも分かる理屈である。
テロリストは何を要求しているのか。自衛隊撤退でなく、イラクを混乱させるためというなら「何のためのそうするのか」教えて欲しい。最初から殺害が目的なら、わざわざ、遠まわしなことなどせずに、殺した遺体をビデオにとり、橋下にでも吊り下げるであろう。銃で殺し、「貴重な遺体」をそこら辺に棄てるなどするわけがない。米軍との緊迫した状況のなかならいざ知らず。
ほんとうに、一度くらい、テロリストといわれる人々の現状を想像してみたらどうであろうか。身内・同胞を殺され、民族皆殺し作戦でもあろうかとおもわれる空爆掃討作戦を、延々とやられているのである。対面でなく、空爆という未曾有の規模の殺戮である。
4月、高遠さんたちが人質となり、解放直後のファルージャで、1000人とも言われるイラク人が爆殺された。そして、今まで延々と続く殺戮状況である。
私達日本人は、もう少し、賢くなろう。ほんの少しでいいから、「人間」に近づこう。私の言葉のかけらも理解できぬケダモノはどうでもいいが、せめて、ここでこれ以上の恥は晒さないでもらいたい。ことは日本人の命にかかっていることだから。
私は、橋田さんは生きているのではないかと思っているのだが。米軍の空爆や銃撃戦の影響で、もしや不幸にして殺されるといった最悪の場合でも、私達のできることは、彼等の遺志を受け継ぐことである。いつまでも、人殺しを、へらへらへらへら、金儲けの話題にしないでもらいたい。OO学者だとか、御用評論家だとかにはもう飽き飽きしてきた。
米軍の攻撃がーーとか、掃討作戦だとか、緊張が続くだとか、さらりとききのがしてもらってはこまる。
新潟で兵庫で、地震や台風の被害、基本的にはこれらは天災である。がイラクの大規模な殺戮は、ひとえにブッシュ、ブレア、コイズミの手の内にある。そして、こうしたケダモノを首相なり大統領にしておく我々国民にもその責任がある。香田さんや日本兵の命はコイズミの口一つにかかっているのである。
私達は、本質を見極めよう。
香田さんを殺すもいかすも、できることは一つである。
イラク人の命も日本人の命も、同等であるということ。同等であると認識すること。これしかない。相手を虫けらに扱えばこちらも虫けらに扱われる。当然のことである。