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(回答先: イラク邦人人質:一転「別人」 混乱の首相官邸、外務省 (毎日新聞) 投稿者 彗星 日時 2004 年 10 月 30 日 21:13:54)
イラク現地情報は米軍頼み、遺体身元確認で浮き彫り
イラクで米軍が発見した遺体の身元確認をめぐり、政府の現地での情報収集が米軍頼みである実態が浮き彫りになった。武装組織に拉致された香田証生さんと別人とわかるまで、関係者は右往左往し、説明も大きく揺れ動いた。
香田さんの救出活動はなお難航しており、今後の対応も問われそうだ。
「日本人らしい遺体が発見され、香田さんの体の特徴と一致する部分がある、と連絡があった。香田さんの可能性があると米軍が判断した」
外務省の高島肇久外務報道官がこう発表したのは、30日の午前4時過ぎ。ほぼ半日後の午後3時50分には、「遺体は日本人のものではないことがほぼ確認できた。香田さんではないと判断している」と、ほとんど正反対の記者会見を開かざるを得なくなった。
当初、カタールと発表した遺体の搬送先も、最終的にはクウェートとなった。
政府の当初の見立てが大きく狂ったのは、米軍の情報を公表する前にその真偽を自ら確かめる機会がなかったのが原因だ。
遺体がクウェートに運ばれ、在クウェート日本大使館の医務官が直接確認するまで、政府の対応はすべて、バグダッドの日本大使館を経由した米軍情報に基づいていた。
高島報道官は「(大使館員が遺体発見現場に)独自に出て行くことは事実上、不可能だった。やむを得ない措置だった」と語った。遺体の見つかったバラドは、武装勢力が活発に活動する「スンニ派三角地帯」に位置しているためだ。
町村外相らは「医務官が遺体を確認するまで、身元は断定しないでおこう」と申し合わせてはいた。しかし、「関係者の首相官邸入りなどで動きが漏れ、情報を出さざるを得なくなった」(外務省職員)ため、未明に記者会見を開き、その後は情報が一人歩きすることになった。
「米軍の情報に振り回された」「もう少し確認してから表に出すべきだったという反省がある」
外務省内では、こうした声が上がっている。
昨年11月、奥克彦参事官(当時)らがイラクで銃撃を受けて死亡した事件でも、外務省は当初、米側からの情報として、「道路脇の売店に停車した際に襲撃を受けた」などと発表した。
その後、現地情報との食い違いを指摘されて米側に再確認し、米側が「近くに売店はなく、当初情報は地元市民による誤った情報だった」などと訂正した経緯がある。イラク情報の「危うい状態」は今も変わっていない。
遺体を確認した医務官は「最初に見た時に、服装がアラブ風で一見、日本人風ではないという印象を受けた」と報告している。政府内では「これだけ特徴が異なるのに、米軍がなぜ『香田さんの可能性がある』と判断したのか。別の遺体があるのではないか」との見方も出た。
与党内でも、「恥ずかしい話だ。米軍情報の確度はこんなものか。政府もしっかりしてもらわないと」との声が漏れた。
「真偽定かでない情報に注意しなさい」
小泉首相は30日夕、東京・東五反田の仮公邸に身元確認の報告に訪れた柳沢協二官房副長官補、外務省の吉川元偉中東アフリカ局長をしっ責した。
(2004/10/30/21:45 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20041030i112.htm