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□【イラク進駐軍内部での造反】 「死刑宣告」的任務の実行を拒否した陸軍小隊の内幕話 [反戦翻訳団]
http://blog.livedoor.jp/awtbrigade/archives/8578228.html
2004年10月27日
【イラク進駐軍内部での造反】Mary Jacoby, salon.com news(2004/10/16)
原文:Revolt in the ranks in Iraq(※1)
翻訳:203号系統
訳者より:先に寄稿した【イラク駐留の小隊が、命令を拒絶。】(※2)を、先ずお読み下さい。それにしても、末端から情報が流れ出てしまったお陰でネタが割れているにも拘らず全否定で臨むとは・・・。軍隊(=国家権力)が発表する(或いはしない)情報に信憑性が無いことを、自ら暴露してしまって居る。
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「死刑宣告」的任務の実行を拒否した陸軍小隊の内幕話。
2004年10月16日:電子便( e-mail )は、火曜日の午後には着いていた。だが、Kathy Harrisさんが息子Aaron Gordon特技官(20歳)からの緊急の懇願を読んだのは、水曜日の朝に出勤して来て初めてであった。その時には、Gordon特技官と16人の陸軍予備役の小隊々員たちは、武装警備兵の監視の下、イラクのTallilでテントに押し込められていたのである。拘束された他の兵隊が後に「死刑宣告」と表現した燃料輸送車の運行を、拒否したが為である。
「(彼女の息子が電子便を送って来た)その時点では、彼らはまだ逮捕されていなかったんです。若し彼らが命令を拒否したならどのようなことになるのか、彼は私に対して助言を求めていました。」金曜日、Mississippiからの電話取材に対してHarrisさんは私にこう言った。「彼らは汚染された燃料をとても危険な地域に輸送するように命令を受けていたそうです。一度ある場所にこの積荷を輸送したところ受け取りを拒否されて、彼の言った言葉そのままで言うと『やられる確立75パーセント』の新しい任務を背負い込むことになった訳です。彼は、司令官の命令に従わなかった場合に受ける可能性のある懲罰を、問い合わせて来ていました。そしてその要点は身体拘束的なところでどのようなことになるか、でした。」
Harrisさんは直ぐに軍法務局( judge advocate general = JAG )に居る友人に電話をして、そして息子に返信を送った。「彼には、若し上官に逆らったら3年間の投獄と除隊処分を受けるかもしれない、と送りました。『そんなこと止めなさい』って言ったんです。何とかならないか一等軍曹に相談してみるよう、言ったんです。でも、彼が私の返信を受け取ったとは思えません。」
実際、Kathy Harrisさんが息子に電子便の返信をした時までに、イラクから愛する人たちが死にもの狂いで掛けてくる電話を、何組もの家族たちが受け取っていた。或る種の叛乱があったことは、明らかだった。詳細は不明瞭だ、しかし、自分たちの生命が危機に直面しておりその危険を冒す必要はないとして、小隊がイラクのTajiに燃料を運ぶことを拒否したことが明らかになった。家族の話では、小隊の隊員たちは兵隊に銃を突き付けられて何日も拘束されている、と云うことである。
しかし軍は、彼ら予備役兵たちは全く拘束などされていない、と否定している。Alabama州Birminghamに在る合州国陸軍予備役第81地域即応司令部広報担当官Dave Rodgers中佐は金曜日の取材に応えて、今案件は調査中であるとしながらも「今回の事件の結果、逮捕・拘束・監禁・投獄されている兵隊は一人も居ない」と言っている。
愛する者たちからの連絡で、彼らが銃を突き付けられて天幕( tent )に監禁されて武装した警備兵の同行無しでは便所に行くことも許されない、と聞いている家族のみんなにとっては、この話は突飛なことであろう。
水曜日、拘束された兵隊たちが食堂に連れて行かれようとしている時に、Amber McClenny特技官(20歳)は、何とかして抜け出した。彼女はAlabama州Dothanに居る母親に電話を掛けた。留守番電話に録音されている娘のしっかりとしながらも切迫した声が、Teresa Hillさんの眠りを妨げた。Hillさんは伝言を残しており、金曜日午後の取材のときに電話機で再生して聞かせてくれた。
「ママ、聞いて。Amberです。本当に、本当に大変なことになってしまってます。」録音されたMcClennyさんの伝言である。「誰かに連絡を取って下さい。とんでもないことが起きているんです。私たちはトラックを壊してしまった。武装した車がつかなかった。誰かが乗らなければならないものなのに。お母さん、力を貸して。本当に。どうか、何とかして助けて。緊急事態です。私たちは無理やり拘束されています。今では、私たちは囚人になってしまった。」
家族によれば、輸送車列は南方に在る基地から普段よりもはるかに遠い地域、即ち極めて戦斗の激しいBaghdad地域周辺を通って200マイル以上も離れた所まで行くよう命令を受けていたそうである。弾薬・防弾装備に乏しくそして時速40マイルでガタガタ走る輸送車は、抵抗勢力の投げる爆弾や手榴弾の格好の標的となること間違いなかった。補給車輌は、傷んでおり今にもぶっ壊れてしまいそうな状態であったのだ。殆どの兵隊たちは十分な睡眠もとっていなかった。そして驚いたことに、武装した護衛や空中からの援護が全く用意されていなかった、と家族が言っているのだ。
然し最も馬鹿々々しいことに、彼ら第343補給中隊の隊員たちが生命を危険にさらして輸送しようとしていた航空燃料は、使い物にすらならない代物であったのである。それは軽油が混ざって駄目になっており、既にある基地で怒りを以て受け取り拒否されていた。そして仮に輸送部隊が何とかして目的地Tajiに送り届けたとしても、そこでも間違いなく再び拒否されたであろう。
水曜日午前5時12分、Mississippi州JacksonのPatricia McCookさんは、夫Larry McCook軍曹からの「とても興奮した」電話によって起こされた。「『起きてくれ!頼む、聞いてくれ!御前に伝えないとならんことがあって、食堂の裏から抜け出て来たんだ。おかしなことになっている。軍は、ばれないようにコッソリことを進めようとしている。でも、これは皆に知らせておかないとならん。紙とペンを持ってきて、今から言うことを書きとめてくれ。』と、彼は言ったのです。」
10代の子供が二人居る母親は、寝台から飛び出してペンを走らせ始めた。彼女の手帳には「法的な命令への不服従」「俺たちは17人」「みんな行かないことに合意した」などと書いてある。彼女が言うには、彼女の夫は「あんまり多くの情報を出来得る限り伝えようとしました。ですので、他の人たちの名前を書き留めたときには、彼にもっとゆっくり話すよう言わないと駄目な程でした。」彼女は、彼が電話を切る前になんとか3名の名前を書き留めた。
Alabama州VandiverのBeverly Dobbsさんもまた、水曜日に彼女の息子Joseph Dobs特技兵から苦悩の電話を受け取っていた。「ママ、まずいことになったよ。」と彼は言ったそうである。「僕らは、混ざり物の燃料を抱えていたんだ。或る所にそれを運んだのに、奴らはそれを突っ返してきた。そしたら中隊長が激怒して俺らを別の任務に送り込もうとした。車がボロボロだったから、行くのをみんなで拒否したんだ。奴らが俺らを送り込もうとしていたのは、滅茶苦茶危ない所だ。そこに丸腰で行けなんて、みんなお断りだ。そんなことに命を掛けてられないよ。」
彼は、電話を切る前に母親にこう言っていた。「俺たちは天幕に押し込まれている。周りからは銃が突き付けられていて、なんと弾も込められている。許可が無ければ何処へも行けない。」彼らに狙いを定めている警備兵のM-16銃には弾丸が装填してあることは、一緒に囚われた別の兵隊も家族に報告しており、便所に行くにすら武装兵の監視がある、とのことである。
Joseph Dobbs君は19歳である。Beverly Dobbsさんは私にこう言った。「貴方、私がオロオロするのも判るでしょう?私の坊や( my baby )は、たったの19歳なんですよ!」
第343補給中隊はSouth carolina州Rock Hillに本拠が在り、2月からイラクに出兵している。Baghdad南東へ約190マイルのTallilにある基地から出撃して、予備役兵たちは南のシーア派地帯にあるNajaf からスンニ三角地帯のFallujahまで燃料補給車列を運行してきた。しかし最近では、伸張する抵抗勢力のこれら中心的地域を避けてきた。
「輸送車列の任務に就いていることをAmberが私に初めて話したとき、彼女たちは2台か3台の武装トラックを伴っているものであって、彼女自身も燃料車を運転したり武装トラックを運転したりもする、と云うことを聞いていました。そして、いつも空中からの護衛があったそうです。でも、今回はそれらなしで行け、という命令を受けていたのです。」彼女の母親Teresa Hillさんは言う。
火曜日の朝までHillさんはそれ以上のことは、娘から何も聞いていなかったし、娘のことも何も聞いていなかった。拘束された一団とは別の特技兵が、連絡をつけてあげる必要のある兵隊たちの家族の電話番号を苦労して集めてよこしてきた、とHillさんは教えてくれた。その特技官がHillさんに電話を掛けてきて、そしてHillさんは他の家族たちに緊急連絡を送り始めたのである。
合州国で金曜日の朝(イラクでは金曜日の午後)までに、家族たちはその愛する人たちから、釈放の知らせを受け取り始めていた。Desmond Jones特技兵(33歳)は、North Carolina州Charlotteに居る妻のAngelaさんに電話を入れた。「彼らは即座に逮捕された訳ではなかった、と彼は言っていました。そして(警備兵たち)は本当に銃を持っていたそうです。でも、私たちはそれらのことについて詳しい話をしてはいなかったのです。彼の後ろには電話の順番待ち行列が出来ていたそうですから。」とAngela Jonesさんは言っている。Jones夫妻には二人の子供がいる。
同じくCharlotteのPam Sullivanさんもまた、彼女の夫Peter Sullivan特技兵(35歳)が金曜日の朝に電話を掛けてきた、と言っている。「みんな釈放された。と彼は言っていました。若しそれ(護衛なしのボロ車での燃料補給任務)をやっていたら、それはまるで死刑宣告のようなもんだ、と言っていました。」また、夫が弁護士への面会を求めたところ拒否されていたことを、彼女は付け加えて教えてくれた。Sullivan夫妻には三人の娘たちがいて、市民生活に於いて彼女の夫は空調会社で働いている。
陸軍はその公式発表に於いて、「第343部隊は、イラクに於いてほぼ9ヶ月に渡って任務を首尾よく達成してきた経験豊富な部隊である。今回の事件は、一部の少数たちが起こした部分的なものに過ぎない。この結果として、任務の遅延・未達などは発生していない。」
私がRodgers中佐に話を伺った時、愛する人たちが逮捕されたという家族の認識と、誰も拘束されていないという陸軍の断定的な否定の間に、大きな隔たりがあった。「確かにそうだ。」と彼は言った。説明を強く求められて、彼は答えた「まぁ、家族のみなさんが何処から情報を入手されたのか、私には判らない。」家族たちは拘束中の息子や娘そして夫たちから情報を受けたのだと言われて、Rodgers中佐は「私はBaghdadの連合通信情報中心( coalition press information center )に問い合わせをしていた。が、兵士たちは逮捕も拘束もされていない、と聞いていた。」と答えた。
Salonからの問い合わせにイラクから応えて、第13後方支援団のRichard Spiegel少佐が言うには、「混乱の原因は、単に彼らが最初に情報を発するまで部隊内に留まるよう命じられていたことにあると思われる。これは事態に関与しているか見知っている誰かによる命令であり、調査官が時に応じた方法で全ての事実を集めることを確実にするために、注意深く検証される。その過程に於いて、兵隊たちの権利は常に保証されていた。」
Spiegelは、電子便にあった問題、即ち武装した護衛や航空支援無しで輸送車列が送り出されていたのか否か、には触れなかった。「特定的な軍事力による護衛の基準や輸送車列の要領を、ここで議論することは適切では無いだろう。」と彼は書いている。しかし、「第13後方支援団は、如何なる脅威や攻撃にも強力に反撃できる能力と十分な防備無しには、輸送車列を移動させることを許可していない。と断言することができる。」と付け加えた。
またSpiegelは、弁護士依頼を拒否された兵隊は一人も居ない、と言っている。
陸軍は、その公式発表で「輸送任務を予定していた兵隊たちがまっとうな憂慮を抱いているところに、命令が下ったものである。」と述べ、「目下、何らかの軍律違反があったのか、そして懲罰基準に合致しているのか」否かを調査中である、と述べている。
しかし金曜日の午後の時点では、合州国に居るどの家族に対しても陸軍当局から調査に関する通知は来ていないことが、明らかになっている。「若しAmberが(こっそり家に電話を入れるために)抜け出して来なければ、私は何も知らないでいたでしょう。」とTeresa Hillさんは言う。「彼らは軍法会議をちらつかせて彼女を脅しています。8年間投獄すると言っているのです。」
かつてAmberさんは軍での昇進を望んでいた、と母親は言う。しかしイラク従軍の後、娘がどうしていく積りなのか、Hillさんには判らない。「(イラクでは)彼女はいつでも周りのみんなの死を恐れていました。ところが今では、彼女は自国の人々を恐れています。」
著者について
Mary Jacobyは、Salonのワシントン駐在員です。