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(回答先: 番組改編問題を扱った地方紙社説 投稿者 月読 日時 2005 年 1 月 16 日 22:07:21)
NHK内部告発 うやむやに終わらすな 京都新聞 2005年1月15日
従軍慰安婦問題に関するNHK特集番組が政治家の介入で改変された疑いが浮上した。番組の担当だった長井暁チーフプロデューサーが会見して告発した。
公共放送であるNHKに国民は受信料を支払い、収入の97%を支えている。予算を国会が審議したうえで承認するのは、国民負担で成立する公共放送が憲法に定められた報道の自由を守り、国民の知る権利が損なわれないためだ。
国会議員が予算審議を「人質」にとり、番組内容に干渉しようとするとしたら、「放送番組は何人からも干渉され、規律されることがない」と定めている放送法違反である。独立性の保持は報道機関にとって死活的問題だ。疑惑をうやむやに終わらせてはならない。
問題の番組は2001年に放送された「戦争をどう裁くか」である。従軍慰安婦などに関する戦争責任を女性たちが裁く民間法廷「女性戦犯法廷」が取りあげられている。
長井氏によれば2回シリーズの第2回放送分について放送前に元慰安婦らの証言カットなど番組の作りかえが命じられた。「上司から聞いた話では、当時官房副長官だった安倍晋三自民党副幹事長と、中川昭一現経済産業相がNHK幹部と面会していた」と長井氏は述べている。
安倍、中川両氏とNHKは介入を否定しているが疑問は残る。安倍氏は放送前に幹部に会っている。発表したコメントでは「偏った内容であることが分かり公正中立の立場で報道すべきではないかと指摘した」としている。政府要人のこのような指摘が影響を及ぼしたとみても不自然ではないだろう。
中川氏は面談は放送後としているが、「NHK側があれこれ直すと説明し、それでもやると言うから『ダメだ』と言った」と述べたとも報じられている。釈然としない。安倍、中川両氏にとっては、憲法や法律の順守という政治家の根本資質が問われ、名誉が傷つく問題である。事実無根ならば司法に訴えて黒白をつけるべきだ。
長井氏は一連の不祥事を受けてNHK内に設けられたコンプライアンス(法令順守)通報制度に基づいて内部告発したが、調査が行われていないと指摘している。視聴者の不信にこたえるはずの制度は形だけなのか。介入はなかったとする「見解」は調査なしで発表されたのか。NHKは十分説明してほしい。
NHKの海老沢勝二会長は任期途中での辞任を示唆している。不祥事による視聴者の不信が高まり、受信料不払い拡大が止まらないためである。政治介入の疑惑がさらに不信感を深めそうだ。
NHKの最高意思決定機関は経営委員会だが、機能不全に陥っているという批判は強い。チェック機能を強化し、政治に弱いとされてきた体質の抜本改革に乗り出す時である。
http://www.kyoto-np.co.jp/kp/rensai/syasetsu/index.html