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http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/koushitsu/news/20050114k0000e040072000c.html
新春恒例の宮中行事「歌会始の儀」が14日午前、皇居・宮殿であった。今年の題は「歩み」。天皇、皇后両陛下や皇族方に加え、入選者10人と召人(めしうど)の歌人・渡辺弘一郎さん(89)=筆名・清水房雄=や選者の歌が伝統にのっとった発声と節回しで披露された。
天皇陛下は、戦後60年を迎え、終戦当時に苦難の日々を送った人々を思い起こす歌を詠み、皇后さまは、前立腺がん治療に絡みホルモン療法が続く天皇陛下と夏の朝に散策中、陛下の姿に感じた平安などを詠んだ。
皇太子妃雅子さまは歌会始の儀には出席しなかったが、色づく紅葉の中、赤坂御用地を皇太子さまと長女敬宮(としのみや)愛子さまの3人で散策した様子を歌にした。婚約が内定した紀宮さまは、公務を変わりなく続ける両陛下の姿から、その長い歩みに思いをはせる歌を詠んだ。
歌会始の儀には入選者らも出席した。また、宮内庁は「お母さんお母さんてばお母さん影ふみ歩き明日も天気」の歌を寄せた前橋市の小学校3年生、天野莉那さん(9)ら14人が佳作に選ばれたと発表した。天野さんは募集時に年齢の記載を求め始めた1963年以降の入選者・佳作者で最年少という。【竹中拓実】
天皇、皇后両陛下と各皇族方、召人、選者、入選者らの歌は次の通り。
▽天皇陛下
戦(いくさ)なき世を歩みきて思ひ出づかの難(かた)き日を生きし人々
▽皇后さま
風通ふあしたの小径(こみち)歩みゆく癒えざるも君清(すが)しくまして
▽皇太子さま
頂きにたどる尾根道ふりかへりわがかさね来し歩み思へり
▽同妃雅子さま
紅葉ふかき園生の道を親子三人なごみ歩めば心癒えゆく
▽秋篠宮さま
頂へ登り行く道歩みとめ山高く咲く花を愛でたり
▽同妃紀子さま
みちびかれ富良野の森を歩む子ら高だかとのびし木々におどろく
▽紀宮さま
新しき一日(ひとひ)をけふも重ねたまふたゆまずましし長き御歩(みあゆ)み
▽常陸宮さま
夏の日に那須高原の木々の間を歩みてゆけばえぞぜみの鳴く
▽同妃華子さま
熱(あつ)き日のオリーブ林歩みきてアクロポリスの丘にたたずむ
▽三笠宮妃百合子さま
をさな子は歩みたしかになりゆきてはづむが如く青芝を行く
▽寛仁親王妃信子さま
もみぢ濃き雲場の池のほとり歩む秋の陽ざしのしづかなる午后
▽寛仁親王長女彬子さま
春雨に濡るる目白の桜のみち友と新しき歩み踏み出す
▽高円宮妃久子さま
わが歩みみちびきませと夫(せ)の宮に日々ねがひつつ二年(ふたとせ)を経ぬ
◇入選歌(年齢順)
▽ブラジル 原田 清子さん
アマゾンに七十年の我が歩み大旱(おほひでり)に遭ひ洪水に遭ふ
▽熊本県 穴井 京司さん
病室を歩む足音ひそやかに歪む毛布を叩きて去れり
▽長野県 川上みよ子さん
少しづつ歩幅を拡げ歩みをりけふはマロニエの咲く道に来ぬ
▽長野県 丸山 健三さん
稲妻の照らす棚田を水洩れの音探りては父と歩みき
▽長野県 木内 重秋さん
雪とけて塗りかへられし白線の横断歩道を子ら渡りゆく
▽山口県 森元 英子さん
手話交はす少女二人が図書館車に紋白蝶と歩みくるなり
▽山梨県 深沢 完興さん
をとりとも友とも書きて鮎を売る灯暗き村に歩み入りにき
▽鹿児島県 室之園てるみさん
ゆるやかなリズム刻みて里川の水の歩幅に水車は回る
▽福島県 森 源子さん
立ちもせず歩きもしない吾が足を物の如くに引き寄せるなり
▽大阪府 中田久美子さん
いつもよりゆつくり歩く帰り道二人の影がだんだんのびる
◇召人の歌
▽渡辺弘一郎さん
老の歩みとどめて仰ぐ朝の空いまこの思ひを大切にして
◇選者の歌
▽安永 蕗子さん
冬の空ことなく晴れて北を指すひとり歩みも白雲(はくうん)のした
▽岡野 弘彦さん
谷ふかく人歩み入る道みえてふるさとの山の春しづかなり
▽岡井 隆さん
微笑みてわれを待つ人のあるごとし歩幅大きく朝の道ゆく
▽永田 和宏さん
ゆつたりと風の歩みの見えながら岬に遠き風車がまはる
◇佳作者(年齢順、敬称略)
兵庫県姫路市、鈴木ミヨ子(90)▽静岡県焼津市、長野行雄(86)▽北九州市若松区、福田桂一(83)▽長野県辰野町、下沢わかゑ(79)▽福岡県筑後市、平井達志(76)▽名古屋市南区、磯貝正温(75)▽京都府福知山市、田中利枝(74)▽名古屋市千種区、佐藤登喜雄(71)▽埼玉県鳩ケ谷市、豊田登代子(70)▽さいたま市見沼区、西尾喜代子(66)▽和歌山県橋本市、秀清子(63)▽神戸市須磨区、吉原芙佐子(61)▽大阪市鶴見区、西村芳裕(16)▽前橋市、天野莉那(9)
◇来年は「笑み」
宮内庁は来年の歌会始の募集要領を発表した。題は「笑(ゑ)み」。「笑」の文字を使っていればよく、「笑(わら)ひ」も可としている。
応募は1人1首で未発表のものに限る。海外からの応募を除き、半紙に毛筆で自筆するのが原則。半紙を横長にし、右半分に題と短歌。左半分に郵便番号、住所、電話番号、氏名(ふりがな付き)、生年月日、職業を書く。病気などで代筆の場合は、理由と代筆者の住所・氏名を別紙に書いて添える。本人がワープロ・パソコンで印字した場合も理由を別紙に記入して添える。点字の応募も可能。
あて先は封筒に「詠進歌」と書き添えて「〒100−8111 宮内庁」へ。9月30日消印まで有効。
毎日新聞 2005年1月14日 12時16分
写真:
皇居・宮殿「松の間」で催された宮中行事「歌会始の儀」=14日10時38分(代表撮影)
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