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□★□ 天木直人 1月4日 メディア裏読み 2005年第2号□
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◆ 災害復興支援を巡ってまでも対立する米国と欧州
◆ どうして他人事のようなコメントで済ませられるのか
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◇◆ 災害復興支援を巡ってまでも対立する米国と欧州 ◆◇
スマトラ島沖地震による津波災害の支援をめぐって、日米豪印の4カ国を中心に支援を行おうとする米国と、国連中心の態勢を唱える欧州との間でズレが生じていると4日付の産経新聞としんぶん赤旗が報じている。
すなわちブッシュ大統領は昨年12月29日に4カ国による「核(コア)グループ」を創設して被災地支援・復興にあたると発表した。これに対しEUの議長国ルクセンブルグのディバルトロメオ保健・社会相は新年の1日にジュネーブのWHO本部で、あくまで「国連中心」の支援を行うべきであると主張したという。
欧州が「国連中心」の態勢づくりにこだわる背景には、欧州の観光客の死者、行方不明者が多数に上るうえ、「死者だけでも15万人にも達し、被災国も10カ国余に達する未曾有の災害には国際的規模の支援が絶対必要だ」(マテエ仏赤十字総裁)との認識があるが、同時に欧州側には「国連不信が強く、欧州嫌いのブッシュ大統領が意図的に国連と欧州を外した」(仏記者)との反発があるという(4日産経新聞)。
4日のしんぶん赤旗は、各国首脳の混乱した発言を更に詳細に伝えている。ブッシュ大統領は昨年12月29日の発言のあとも、1日のラジオ演説で米国は「国際的連合」を率いていると述べた。アナン国連事務総長も2日、米ABCテレビのインタビューで当面「輸送・軍事力を持つ中核グループが重要な役割を果たす」と述べた。他方欧州側は、昨年12月29日、ドイツのシュローダー首相が「国連を通じて諸国間が緊密に協力していくことでのみ可能だ」と訴えたほか、英国のブレア首相が「大規模な災害は国連が対応することが適切」と批判。欧州委員会のミシェル委員(開発人道援助担当)も国連機関との協力を中心に置く構想を示したという。
今年も米国と欧州の亀裂は容易に解消しないということか。被災者にとってはどちらでもよいから早く助けてくれということだろう。
◇◆ どうして他人事のようなコメントで済ませられるのか ◆◇
4日の朝日新聞に星浩編集委員が対北朝鮮外交について書いていた(政態拝見)。その中で二つの箇所が見逃せなかった。
一つは昨年11月20日にサンチアゴで開かれた日米首脳会談の公開されなかった裏話である。首相官邸の関係者によれば、小泉首相は「北朝鮮は米国との直接対話を望んでいる。米国も話し合いに応じたらどうか」とブッシュ大統領を説得しようとした。これに対しブッシュ大統領は表情を固くして何も答えなかった。米国と北朝鮮が対話を始め核問題が前進すれば、日朝国交化交渉も動かせるという小泉首相の姑息な狙いはあっけなく封じられた。日米事務当局はこの部分は表に出さないでおこうと打ち合わせ小泉首相もこれを了承したという。
もう一つは、横田めぐみさんのお母さん、早紀江さんの次のエピソードである。北朝鮮での実務者協議を終えた斎木外務省審議官らが「遺骨」を入れた壷などを持ち帰って拉致被害者家族に示した時のことである。壷を見て涙を浮かべた父親滋さんの隣にいた早紀江さんの話には胸がつまる。「めぐみは生きているのだから、骨があるはずはありません」ときっぱり語り表情を変えなかった早紀江さんが、拉致された後に撮影されためぐみさんの写真を見せられると、「めぐみが『母さん、助けて』と叫んでいるのが聞こえます」と、声をあげて泣き出したという。
これを書いた星編集委員は、「小泉首相と田中氏の戦略が、いまや早紀江さんの迫力に圧されている」とあくまでも人事のようなコメントをしている。
私はこの記事を読んで改めて怒りを覚えた。ブッシュ大統領に一蹴された小泉首相の利己主義と「これが母親の迫力かと思った」などと感心するだけの冷たい官僚では、決して拉致被害者は救出できない。なぜ星委員はそのことを記事の中で書かないのか。
http://amaki.cocolog-nifty.com/