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(回答先: 韓国大統領:南北首脳会談に消極的 [毎日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2004 年 12 月 17 日 03:18:33)
自分の国の運命は自分で切り開く。
毎日新聞との単独会見に応じた盧武鉉(ノムヒョン)大統領の語り口にはそんな決意がうかがえた。繰り返し使った言葉は「強大国」。ある時は日本をさし、別の文脈では米国を意味した。強大国の影から脱し、国際政治・経済の主要プレーヤーになる時代が来た。その自信の背景には、韓国社会に広がるナショナリズムが読み取れる。
朝鮮半島をはさんで向かい合う日本と中国。核兵器開発を脅しの手段とする同じ民族の独裁国家、北朝鮮。3万5000人の大軍を配備し大きな影響力を持つ米国。韓国の現代史は、そうした国々の思惑やゲームの中で揺れ動いた。
盧大統領の優先課題は第2次朝鮮戦争の阻止だ、と思う。ソウルは軍事境界線からわずか60キロ。開戦すればひとたまりもない。国民が生き延び、繁栄する前提は平和なのに、自国だけで半島の平和は確保できない。その危機感は私たちが思う以上に深い。
たとえば、核開発をめぐる北朝鮮との交渉は米国が中心だ。「国民の生存がかかる深刻で大きな問題だ。(しかし)これまでの米朝交渉では、韓国の立場は十分に反映されてこなかった」との不満は本音だろう。
核問題の解決策について「譲歩したとしても、(話し合いの方が)圧力あるいは武力による解決手段よりもいい結果が出るだろう」と述べたのも、単純な理想論ではない。戦争を避けるための現実主義として、対話路線が韓国には必要なのだ。だから日米が性急な対北制裁や封じ込め政策に転換しようとしても、この国は「待った」をかけるだろう。
北朝鮮が突然、崩壊した場合、南北統一のコストは膨大な負担となる。その意味で、当面は「現状維持」が韓国の選択肢だ。統一朝鮮と国境を接するより、緩衝国ないしは友好国としての北朝鮮を温存したい中国とは「現状維持」で利害が一致する。一方、「現状維持」では拉致問題は解決しないし、むしろ核開発や核拡散の危険が高まると日米が今後、判断する可能性はある。北朝鮮をめぐり、韓中と日米が対立する展開が来年、起こるかもしれない。
日米や北朝鮮に韓国国民の命運を二度とゆだねるわけにはいかない。日本の植民地時代を知らない初の大統領であり、労働運動弁護士の異色の経歴を持つ盧氏の発想はそこにあるのではないか。
韓国の1人当たり国民総所得は1万ドルを超えた。南北が統一すれば人口7000万人で英仏を上回る。経済力の向上は、アジアにおける韓国発の文化や芸能人の人気ぶりとともに人々の自信を強める。北朝鮮を脅威ではなく、助けるべき同胞とみなす人が増えている。「ナショナリズム」と形容できる急激な意識変化を代表する政治指導者として、盧大統領は位置づけられる。
北朝鮮をどう認識するかで日韓の温度差は確かに存在する。だが第2次朝鮮戦争を防ぐ目標は、私たちも共有したい。【外信部長・中井良則】
毎日新聞 2004年12月17日 3時00分
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/news/20041217k0000m030171000c.html