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(回答先: 対地長射程ミサイル、次期防で研究着手へ(読売新聞) 投稿者 スタン反戦 日時 2004 年 12 月 03 日 15:02:13)
[概要]防衛庁は次期中期防衛力整備計画(次期防 05年〜09年)に、対地攻撃を行う長射程の精密誘導ミサイルの研究着手を盛り込んだ。防衛庁は「本土から数百キロ離れた離島が侵攻された際に、反撃する手段として検討する」としている。自衛隊は現在、対地攻撃用のミサイルは保有していない。ただ長射程の精密誘導ミサイルが配備されれば、敵国の弾道ミサイルの発射基地などを攻撃できる可能性が生まれ、「攻撃兵器」の保有を自粛してきた従来の方針転換につながるという見方もある。次期防では空中給油機を計8機整備する方針で、これに加えC−130輸送機にも空中給油機能を加える改修も行う。
[コメント]これは日本製の巡航ミサイルを開発するということである。自衛隊は今までに、射程が最大でも100キロ前後のミサイル(対艦)に制限して保有してきた。その理由は対馬から釜山までの距離を約100キロとして、日本本土から韓国(朝鮮半島)を攻撃できないための配慮だと聞いたことがある。しかし韓国は昨年、射程300キロの対地ロケットの開発を完了(実験のみ)している。また空自が新しく空中給油機の整備するので、この100キロ制限枠は政治的な意味を失った。
日本製巡航ミサイルの開発だが、すでに陸自は96式多目的誘導弾システムや88式地対艦ミサイルを配備している。96式ミサイルはミサイル先端のカメラがとらえた赤外線画像を、光ファイバーで地上に送り、地上からミサイルを操縦して命中させる画像識別誘導システムである。光ファイバーを引っ張って飛ぶのは100キロ枠に配慮した武器システムと思っていた。もし内蔵したコンピューターに画像識別させたほうが射程を伸ばせるからだ。
それよりも巡航ミサイルを開発する方がより簡単で、兵器としての威力(効率)は格段に高い。だから日本は簡単に巡航ミサイルを完成させると思う。しかし米国のトマホーク巡航ミサイルは射程が数千キロもある。なぜ日本は数百キロと短いのか。それは韓国の次に中国に配慮するからである。日本が本土から北京を攻撃できる巡航ミサイルを保有すると中国を刺激する。
だが射程数百キロの対地巡航ミサイルを開発して、それを艦船や航空機に搭載して発射することは可能である。その気になれば潜水艦から発射できるように改造もできる。だから日本製巡航ミサイルの射程は、中国の領海から北京までの距離以内というように、政治的な制限枠が設けられる可能性が高い。
それから問題になるのは値段である。米国のトマホークは01年のアフガン戦争のころから大量生産され、価格が1発1億円程度に下がっている。だから米国がトマホークを買えと、日本に圧力をかけてくることも考えられる。が、トマホークは射程が長すぎ、中国に脅威を与える危険があると断り、あくまで国産にこだわる理由にできる。
このように日本製巡航ミサイルが、北朝鮮のテポドン・ミサイルの発射基地を攻撃するなどという議論は、まったく軍事の現状を考えていない「見せかけの議論」なのである。
http://www.kamiura.com/new.html