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日本は国土面積をはるかに超える447万平方キロ、世界第6位の排他的経済水域(EEZ)を持つ。南方にぽっかりと浮かぶ孤島、沖ノ鳥島も広大なEEZを支える存在だ。中国が「岩」だと主張し始め、日中間の海洋権益争いに揺れる島の現状を追った。【本社機から庄司哲也、沖ノ鳥島で鈴木玲子】
北緯20度25分、東経136度05分。26日、経済活動などの方策を探るため日本財団が主催した民間調査団の活動に合わせ、本社機「フェニックス2」で島に近づくと、海原の中に人の足のような形をしたサンゴ環礁が姿を現した。内側は輝くような緑色で、青い外海とコントラストを描く。人の足のかかとと土踏まずに当たる部分にポツンと突き出ているのが、北小島と東小島だ。
二つの小島は87年から護岸工事で、周囲を直径約50メートルのコンクリートブロックと鉄製消波ブロックで固められた。99年には海岸法を改正し、国が直接管理下に置いた。護岸工事費などは累計約600億円に上る。
万一、浸食などで水没すれば、沖ノ鳥島が「島」である根拠が失われる。国連海洋法条約は島を「自然に形成された陸地であって、水に囲まれ高潮時においても水面上にあるもの」(121条1項)と定義する。沖ノ鳥島は低潮時には約7.6平方キロのサンゴ環礁が顔を出し、満潮時にも二つの小島が水面上にある。「紛れもない島」というのが日本の解釈だ。
しかし、中国が今年4月の日中事務レベル協議で、日本の領土であることは認めるが、「島」ではなく、EEZが設定できない「岩」だと主張した。その根拠は同条約に「人間の居住または独自の経済的生活を維持することのできない岩は、排他的経済水域または大陸棚を有しない」(121条3項)とあることだ。
国際法学者の意見は分かれる。調査団に参加した栗林忠男・東洋英和女学院大教授(国際法)は「沖ノ鳥島は十分島の定義を満たしている。島の定義はあっても岩の定義はない。科学の進歩により居住し、独自の経済生活を維持できる可能性も十分ある」と指摘する。
一方、米ハワイ大学のジョン・バン・ダイク教授(海洋法)は「(二つの島は)高潮時にも二つのキングサイズベッドの大きさしかない岩であり、EEZは主張できない。日本の主張は国際的には認められない」と手厳しい。
「岩」発言と前後して周辺海域での中国の海洋調査活動が活発化している。防衛庁によると、日本のEEZ内で事前通報なしに行われた中国の海洋調査活動は02年には1件、03年には6件だったが、今年は既に33件。沖ノ鳥島周辺だけで13件に上っており、中国が同島周辺の日本のEEZ主張を無視していることをうかがわせている。
毎日新聞 2004年11月27日 1時47分
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20041127k0000m040173000c.html