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あけましておめでとうございます。
早速ですがエンセン井上氏の損害賠償の記事、あれまさかエンセンさんじゃないでしょうね。だったとしたら損害賠償はお気の毒ですけどこういう仲間が阿修羅に居たとは心強い。エンセンさんの豪快さはなぜかダブってしまいます。めちゃ楽しくなりそうです。今年もご活躍を期待申し上げます。
待ったく見てないのになぜか愚民党さんの演技がますます円熟されんことを切望いたしております。年末にNHKのBSで沢木順さんの「小泉八雲外伝」、圧倒されました。一人30役で2時間ほどの上演だったそうですが、残念ながら私は後半の1時間しか見れませんでした。ちょうどスマトラの大地震のニュースを追っかけていたので、たったの2局(BS1とBS2だけ)を行ったりきたりしているだけで、こわれたラジオからもニュースを得られず、なんとも落ち着かず、「外伝」を見たとこでした。
長壁さんの人格の円満化も切に望んでおります。今年こそ場所的現在における長壁さん自身の止揚・飛躍への挑戦があるのではないか、と期待しております。
祝・復活宮本浩樹。
マドオンナ氏ほか啓示板のみなさんの健筆・毒舌も、日に何度も覗きに行っております。
昼休み板がなんとも楽しくなりました。
んで、みなさんに贈るのが以下のコピペ。
ちと古いのですが、「かんべえ」さんのHP「溜池通信」
http://tameike.net/index.htm
をたどっていると、
「かんべえのライブラリー」(4)
http://tameike.net/jokes/jokes.htm
に所収された以下のジョークを発見。リンクフリーだそうですのでコピペ引用しておきます。
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『永田町WINS』(日本語)
http://tameike.net/jokes/wins.htm
2003年11月1日〜3日
<11月1日>(土)
○本日から3連休特別企画をお送りします。上海馬券王先生、渾身の長編大作です。(かんべえ敬白)
永田町WINS顛末記(第一回)
プロローグ:首脳たちの異常な愛情
〜あるいは、いかにして我々は恐れるのをやめ、ガミ馬券を愛するに至ったか〜
◎2003年10月19日 タイ・バンコク
これは、日本をそして世界を揺るがせた「永田町WINS事件」に関する記録である。
ことの発端は、2003年10月下旬、タイの首都バンコクにて行われたAPEC首脳会談にまで遡る。APECの開催国として、そして首脳会談の開催都市として、厳戒態勢が取られるタイの首都バンコク。全てはこの都市で始まったのである。
その日も強烈な日差しが照り付けていた。冬の予感すら漂わせる日本の弱々しい日差しとは裏腹に、バンコクを直射する日光は錐のような鋭さと痛みを備えており、そのような中、交通が完全に規制され、街の辻辻に警官がたたずむ光景は、いつもは猥雑で活気にあふれるこの南国の大都市をまったく違うものに作り変えていた。今にして思えば、その異様な雰囲気からして、既に何かを予感させるものがあったのである。
APEC首脳歓迎晩餐会の開始を4時間後に控えた午後1時40分(日本時間同3時40分)、タイ・日本国大使館の迎賓室に設置されたTVモニターを前に盛り上がる二人の男の姿があった。誰あろう、日本国内閣総理大臣小泉純一郎と、世界唯一の超大国アメリカ合衆国大統領ジョージ・ブッシュの2大巨頭である。二人が熱心に見詰めるモニターの画面には日本の京都競馬場が映し出され、牝馬GT競争秋華賞が今まさにスタートのときを迎えようとしていた。
ここで話は2日前の大統領訪日に遡る。
APEC出席を前にした大統領の日本訪問は、アメリカ合衆国の日本重視の現れであると同時に、想定外の状況悪化に伴い、出費の劇的増大が確実なものになりつつあったアメリカ軍イラク駐留経費の一部肩代わりを日本に求める事をその目的としていたというのがその時点での一般的な見解であった。
しかし、真実を知る者はそれほど多くはなかったのだが、この訪日にはブッシュにとって更に重要で神聖な意味合いを持つ目的があったのである。神を愛する彼は同時に勝ち馬の選択に夜も眠れないくらい悩むことを日常とするずぶずぶの競馬親父でもあり、日本で開催される競馬に対しても人並みならぬ関心を払っていたのである。そのような彼がAPECと時を同じくして開催される日本のGT競争「秋華賞」を見逃すはずがなかった。そう、彼の訪日の第一目的はひとえにGTレース秋華賞の馬券を買うことにあったのである。
大統領専用機エアフォース1が羽田の滑走路に滑り込むや否や、彼は小泉を伴って新橋の場外馬券売り場に駆け込み、秋華賞の前日売り馬券を購入した。そしてイラク情勢や為替問題に関するおざなりな会談を済ませると、レース当日、実況を放映するタイ日本大使館モニター前での再会を約し、早々に次の訪問地へと旅立った。今回、ここタイの日本国大使館の一室で二人が顔をそろえるに至ったのには、このような経緯があったのである。
話は戻ってタイ日本国大使館
二人が食い入るように見つめるモニターの中で、スターターの旗が振られ、3歳牝馬GT競争・秋華賞がスタートした。レースは、人気薄マイネサマンサが淀みのない逃げを打ち、それを各馬がじっと追走する展開で淡々と進行した。そして、レースの終盤マイネサマンサの逃げ切りが濃厚かと思われたまさにそのときに、スティルインラヴ、アドマイヤグルーヴ、ピースオブワールドといった実績馬が一斉に殺到し、そのまま集団でゴールを駆け抜けたのであった。
しばしの写真判定の後、京都競馬場の掲示板には次の成績が映し出された。
第8回秋華賞着順
1着 Pスティルインラヴ 1.59.1
2着 Iアドマイヤグルーヴ 1.59.2
3着 Mヤマカツリリー 1.59.2
4着 Aピースオブワールド 1.59.3
5着 Dマイネサマンサ 1.59.3
同払い戻し金額
単勝 P ¥390
複勝 P ¥130 I ¥120 M ¥300
馬連 I−P ¥450
馬単 P−I ¥980
三連複 I−M−P ¥1,880
日本国大使館の迎賓室を重苦しい沈黙が支配していた。。。。それは、レース中、世界唯一の超大国と、衰えたとは言え世界第二の経済力を持つ国の指導者が二人揃って、体面もてらいもかなぐり捨てた絶叫型の応援をずっと続けていた後だけに、より深いものに感じられた。
「わはは、はずしてしまったよ。よりによって、4着とはね。わはははは。」
長い沈黙を破って合衆国大統領ジョージ・ブッシュが言葉を発した。顔は笑っているが目は笑っておらず、瞳孔が縮小している。彼の右手には、1万円を投じたピースオブワールドの単勝馬券と、さらに哀れを誘うことに2万円を投じた同馬の複勝馬券が握られており、それが小刻みに震えていた。これは彼が癇癪を爆発させる直前に発する、知る人ぞ知る兆候であったが、一室に二人きりの環境に置かれた小泉には逃れるすべはなかったのである。
「で、ジュンイチロウ、君は当たったのかね。」
不気味な猫なで声で大統領が尋ねた。ここで受け答えを誤れば、二国間の関係に決定的なひびが入ってしまう。背筋に寒いものを感じながら小泉は、かすかにうなずき。自分の馬券を見せた。その手には、アドマイヤグルーヴから表裏で買った馬単5点買い=総買い目10点、総額1万円の馬券が握られていた。
「なんだ?10点一万円も買って、回収は9800円かぁ?わははははははは。なーんだ、ガミ馬券じゃないか。馬鹿だなぁ。そういうのは、当たったとは言わんよ。しかし、君もよくそんな総花的な買い方をするなぁ。そんなどっちつかずのことばかりやってるから日本も抜本的な景気対策が打てないんだ。ぎゃははははは。やーい、ガミってやんの。やーい、やーい!」
急に機嫌を直し、狂躁的に盛り上がるブッシュであったが小泉が面白いはずもなかった。
(はずした奴に言われたくないよ。それに、今のイラクの状況は勝つには勝ったがどう見たってガミ馬券じゃないか!自分がはずした博打のつけを人に押し付けようって魂胆の奴が威張るんじゃない!)喉まで出かかった言葉を必死におしとどめ、恥辱の念にくらくらしながら「日本の競馬は控除率(胴元の取り分)が高いから」などと言い訳する小泉であった。なにはともあれ、大統領の癇癪の爆発だけはなんと未然に防止できたらしい。だが、それで、現状に抜本的な好転が訪れたわけでもなかった。
虚脱感の後の発作的な高揚、そして再び深い虚無へ。馬券をはずした者のみが知る感情のうねりが過ぎ去った後、再び長い沈黙が訪れた。
「。。。納得できんな。。」
沈黙を破り、再び口火を切ったのはやはりブッシュであった。
「納得できん!全然納得できんと言っているのだ!偉大なるアメリカがこのような些細な敗北で全てを投げ出し退散するわけには行かないのだ!このような屈辱は、神がお許しになっても、この私が許さん!ジュンイチロウ、私の言う意味がわかっているな!」
その瞳には、先ほどよぎった激情とは別種の凶猛な光が宿っていた。悪魔が取り憑いたとしか思えない。そして、その目を見た瞬間、小泉はその言葉の裏側にある真の意味を理解し、その啓示がもたらす、殆ど宗教的ともいえる高揚に身を振るわせた。
「わかります!ジョージ!わかりますとも!」
いつしか、ブッシュと同様の凶猛な光を瞳に宿し、小泉が叫んだ。
「私に任せてください。2ヶ月、いや、1ヶ月で仕上げて見せます。あなたの期待に必ずや答えて見せましょう!」
「そうだ、作り上げるのだ、我々のユートピアを!」
当たり馬券の高揚、そしてその後訪れるガミ馬券の屈辱。このままにしておくものか。そうだ、絶対このままにはしない!決然としたまなざしで小泉が見つめる大使館の窓の外では、未だ衰えることのないタイの熾烈な陽光がじりじりとバンコクの街を焦していた。
その三日後、内閣官房より農水省経営局に向け、一通の電子文書が発送された。後に「永田町WINS事件」と呼ばれる騒動の幕がここに切って落とされたのである。
(続く)
次回予告:
神の啓示か、はたまた悪魔の降霊か、日米両首脳の間で電撃的に交わされた密約は、霞ヶ関をも巻き込み、時代は一挙に混迷の度を深めていく。
「永田町WINS顛末記」第二回 官僚達の異常な愛情 〜あるいはいかにして我々は威張るのをやめ、永田町に場外馬券売場を作るに至ったか〜
乞う、ご期待!