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http://www.yomiuri.co.jp/net/feature/20041225fe01.htm
新機種普及/定額サービス/閲覧ソフト進化
携帯電話で近ごろは読書だって楽しめるようになってきた。本を読まなくなったと言われて久しい10代、20代の若者にも好評とか。“ケータイ書籍”のベストセラーも生まれている。
(木下 聡)
電子書籍はパソコンや携帯情報端末向けに数年前から配信されているが、携帯電話ではここ半年ほどで急に広がった。高速通信と大容量の情報保存が可能な第3世代の機種が普及したのに加え、定額サービスの登場で、大量の書籍を気軽にダウンロードできるようになったためだ。
携帯電話で本を読みやすくする閲覧ソフトの開発が進んだのも大きな要因だ。シャープのソフト「XMDF」は、縦組みや文字の大小変換、ルビ、辞書検索といった読むための機能を充実させたほか、引用や転用を防止する機能も備え、出版社の採用率は最も高い。
ケータイ向け書籍配信で国内最大手の「ミュージック・シーオー・ジェーピー(MCJ)」(東京都新宿区)が運営するサイト「どこでも読書」では、出版社約30社が提供する小説やエッセーなどを800冊以上そろえている。
5月に発売したタレント飯島愛の自伝的エッセー「プラトニック・セックス」は半年でダウンロード1万件を突破。単行本も170万部売れたが、“ケータイ書籍”の分野でもベストセラーになった。
いくつか読書サイトへ接続してみた。小説やエッセーの新刊、過去の名作のほか、携帯電話でしか読めない作品もある。ただし、ズラリと並ぶタイトルを眺めて「自分の普段の読書傾向とは違う」と感じた。
若者や女性に人気のある作家や、恋愛、ファンタジーものが多い。MCJ社の本城剛史・デジタル出版事業部担当部長は「本屋へほとんど立ち寄らず、出版界が接点を持ちにくかった層へ訴えるのが重要なのです」と〈新規開拓〉を強調する。実際、利用者の9割は10代から30代で、女性が7割を占めるという。
入会登録し、名作ものの中から、学生時代に凝ったカフカの「変身」をダウンロードしてみた。「ある朝、気がかりな夢から目を覚ますと、1匹の巨大な虫になっていた……」という、主人公が突然、不条理な状況へ追い込まれる作品だ。通勤途中、携帯電話の画面で久しぶりに読み直すと、陰うつな印象の作品だったのに、むしろ明るくユーモラスな面を強く感じた。
面白いと思ったのは、マンガだ。1コマずつ切り替わり、大きめのコマでは画面が自動スクロールしたり、雷鳴のシーンでバイブレーターが働いたりと、読ませる工夫が効果的だった。
とはいえ、通常の書物と比べると画面は活字を追うには余りに小さく、読書のスピードはかなり落ちる。重厚な大作や専門書を読むのは難しそうだ。
当方、“活字中毒”としては少々重症で、常に書物が手元にないと落ち着かない。外出時には一冊読み終わっても大丈夫なように複数の書物を持ち歩く。こんなオジサンにとってケータイ書籍はまだ物足りない。まずは幅広い年代を満足させるような棚ぞろえの充実を求めたい。
携帯電話向け書籍配信サービスの一部について、ホームページのアドレスと基本料金(月額)を以下に挙げる(携帯電話から接続する時のアドレスは別)。電話の機種や契約内容によって、利用できるサービスや料金は異なる場合がある。
▽「どこでも読書」(MCJ)
http://pdabook.jp/pdabook/mobile/
315円
▽「ケータイ読書館スペースタウンブックス」(シャープ)
http://www.spacetown.ne.jp/
210―315円
▽「新潮ケータイ文庫」(新潮社)
http://www.shinchosha.co.jp/keitaibunko/
105―210円
写真:
小学館が配信している若月かおりの小説の一節
http://www.yomiuri.co.jp/net/feature/img/20041225fe0102.jpg