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ライブドア、ニッポン放送株取得 時間外取引、28分間の“裏技”
インターネット関連会社のライブドアが子会社のライブドア・パートナーズを通じてニッポン放送株を大量に取得した手法が、市場関係者の間で波紋を広げている。経営権獲得を目的とする株式取得は、事前に株主に条件を明示して行う株式公開買い付け(TOB)が原則だが、市場内と位置づけられる「時間外取引」により一挙に大量の株式を取得したからだ。ライブドアの大量取得は取引所のルールを逸脱してはいないが、市場が開く前に大量に売買を成立させたことに、関係者からは「投資家の機会均等の原則に反するのでは」と疑問の声も上がっている。
八日のライブドアによる買い付けは、東京証券取引所の午前九時の取引開始前に「ToSTNeT−1」(トストネット・ワン)と呼ばれる時間外取引システムを通じて行われた。売買は午前八時二十二分から同五十分の間に計六回成立。一日あたり十万株前後で推移していた売買高が、これだけで九百二十七万株に膨らんだ。この結果、ライブドアはニッポン放送株を35%保有する大株主となり、株主総会での重要事項の決定に拒否権を発動できる権利を得た。
証券取引法では、上場株を一定規模以上取得する場合、不透明な取引や特定の株主だけに有利な取引を排除するため、原則としてTOBを行わなければならないと定めている。
一定規模以上とは、株式の取得によって(1)将来株式に転換される社債なども加算した総株式数の5%を超える場合(2)特定少数の株主から取得し、株式取得によって保有比率が三分の一を超える場合−を指す。
グループ内の組織改変や親子関係の再編などはこの条件から除外されるが、ライブドアによるニッポン放送株取得は、まさに通常ならTOBを行うケースに合致していたわけだ。だが同社はTOBではなく、時間外の市場内取引という“裏技”を使い、結果として短時間でTOBを上回った。
時間外取引は、株式で資産運用する機関投資家(生保、損保など)が証券会社を通じて大口の株式売買を行うために設けられた。トストネット・ワンの場合、取引価格は原則として直近の終値の上下7%以内と決められているため、取引時間中に成立した場合に起きる価格変動リスクを回避することができることが、投資家と市場のメリットになるとされている。だが、実際には、証券会社が個別銘柄の売り注文と買い注文を同時に出して売買を成立させるケースがほとんど。他の機関投資家がその売買に参画するチャンスは事実上ゼロで、取引の機会は限定されているのが実情だ。
市場関係者からは「機関投資家の利便性向上のために設けられた時間外取引システムのルールの網の目を抜けた。今後、こうしたケースが頻発すれば、TOBルールの見直しも必要となるのではないか」と、疑問を呈する声もある。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/11kei003.htm