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(回答先: 2004年中に最も多くの運用益をあげたファンド (モーニングスター ) 投稿者 愚民党 日時 2005 年 2 月 06 日 22:21:19)
●日本は大いに稼がせてもらった。東京は不動産バブルになった。資金を引き上げることも
検討している。5年後の投資戦略目標は中国だ。
セキュアード・キャピタル・ジャパン 高梨社長にインタビュー
2004-03-26収録
現在の株価 財務情報
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早速ですが、御社の事業内容についてご説明下さい。
高梨社長
高梨社長: 当社は収益不動産及び不動産担保付デストレス債権等を主な投資対象としたファンド運用、ならびにファンドの投資対象となる不動産や債権のアセットマネジメントを営む会社です。近年、プライベート・エクイテイー・ファンドの分野では、投資先企業に対して積極的な経営支援(ハンズ・オン・マネジメント)を実施し、株主価値を高めた後、株式公開もしくはM&A市場を通じて出口戦略を執行するという投資戦略が注目を集めています。当社の主たる事業は、言わば、こうしたプライベート・エクイテイー・ファンドの不動産版です。
プライベート・エクイテイー・ファンドの主な投資戦略は、(1)PERの低い未公開会社を公開することでPERを高める、(2)効率経営により売上げの増加とコストの削減を図り純利益を向上させる、(3)適切なレバレッジ戦略によりエクイティーに対する投資効率を向上させる、(4)IPOやM&Aにより最も有利な出口戦略を執行する、というものです。不動産投資においてもこれらの原則は通用します。(1)では、PERの変わりにキャップレートが当てはまり、(2)では、会社ではなく不動産の効率的なアセットマネジメントにより賃料収入の増加やコストの削減を目指すわけです。(3)のレバレッジ戦略についてはノン・リコースローンや証券化により資金の借り入れを行ない、(4)の出口戦略はREITなど他のファンドへの売却、証券化を含むリファイナンス、または不動産市場における個別資産の売却など多様な選択肢を検討し、最も有利な出口戦略を執行します。
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高梨社長がこの事業に携わったきっかけなどをお聞かせ下さい。
高梨社長: 私はもともと野村證券出身ですが、NY現法の社長・会長の任にあった時期の米国において、今の日本のように不良債権処理や不動産証券化等を通じ不動産市場と資本市場がダイナミックに融合し、更に不動産の投資運用技術が急速に進歩していく様を目のあたりにしました。そうしたなか、私自身、不動産ファイナンス関係のビジネスを立ち上げ、大きな成果をあげることができました。そのとき、日本における不動産ファイナンス及び投資・アセットマネジメント分野のビジネスの成長性を確信したわけですが、当時は法律、会計、税制及び情報入手の困難性によりそのようなビジネスを日本に直ちに移植することはできませんでした。日本においても90年代後半以降、これらの問題の多くが克服されるにつれ海外投資家を中心に活発に不動産投資が行われるようになりましたが、2001年に米国における不動産ビジネスのパイオニアである当社創業者と意見交換をする機会があり、当社を次の成長段階に押し上げるための仕事を引き受けることにしたのです。
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業界を取り巻く環境をどのように分析されておられますか?
高梨社長: 事業を取り巻く環境には非常に明るいものがあると思います。米国では、大手年金基金の不動産に対する資産配分は7-9%ありますし、不動産の証券化による不動産ファイナンスも資本市場において重要な位置付けを占めるに至っています。それに対して日本の年金基金の不動産に対するエクスポージャーは未だ1%未満。不動産ファイナンスも急速に伸びていますが、起債市場全体からみればまだ僅かなものです。
従来、日本において不動産は不動産会社やユーザー企業が所有する例が多かったわけですが、株式会社において、かつては事業の創業者が殆ど全ての株式を所有していたものが、徐々に事業者の手を離れ、機関投資家や一般投資家により投資目的のため所有されるようになったように、今後、不動産もユーザーが直接所有する比率は低下し、機関投資家等が投資目的のため所有する比率が高まることになるでしょう。事業会社にとっても資本コストを意識すれば不動産そのものを自社所有する意味は小さいはずです。不動産所有(投資)の機関化は大きな時代の流れだと思います。
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ビジネスモデルの特徴(ライバル企業に対する優位性)、または差別化のポイントをどう考えておられますか?
高梨社長: 当社のビジネスモデルの特徴は、まず第一に、例えば証券投資顧問会社と同じように投資のリターンを直接自ら確保することを目的とするのではなく、投資家に対する投資リターンの提供に特化していることです。昨今、様々な会社がこの分野に進出していますが、当社は創業以来一貫してこのスタンスを堅持しており、実現済リターンの優れたトラックレコードに結び付けています。
二つ目の特徴は、創業以来、海外の有力機関投資家のための不動産アセットマネジメントを行い、彼らの高度の専門的要求をクリアするなかで、日本におけるこの分野でのリーデングカンパニーとしての地歩を固めてきたことです。今般、米国最大の年金基金である加州職員退職年金基金〔カルパース〕との不動産ファンドの組成はこのような実績が認められたものです。
三点目は、当社には運用会社としての企業カルチャーが根づいているということです。当社は経営理念として、フィデューシアリー責任を強く意識するとともにプロとしての専門性と倫理観をもって顧客投資家にリターンを提供することを掲げていますし、実際、そうした使命感は現場の隅々まで行き渡っています。
セキュアード・キャピタル・ジャパン 高梨社長にインタビュー
2004-03-26収録
>>つづき
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上場の理由をお聞かせ下さい。
高梨社長:
高梨社長
従来、当社は主として海外投資家のためのアセットマネジメントを行ってきたこともあり、我が国においては専門家を除くとやや知名度にかけるきらいがありました。知名度の向上により更に事業を拡大すること。それ以外にも、顧客投資家と少額の共同投資を行う必要がありそのための資金調達、国内投資家向けのビジネスの促進、財務体質の向上、人材の確保、などが上場の主な理由です。
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今後の戦略について、中長期的なビジョンを教えて下さい。
高梨社長: 当社はこれまで培ってきた投資哲学や投資戦略に基づき、米国最大の年金基金カルパースのファンド運用に取りかかりますが、これは大変象徴的、戦略的意味をもっています。なぜなら、カルパースから運用受託するまでには年金コンサルタント等によって実施された運用会社としての厳しいデューデリジェンスの関門をパスする必要があり、これをパスしたことは同業他社との差別化という意味で戦略的に大きな意味をもっているからです。今後、こうした実績と信用力によりファンドの多様化及び国内機関投資家とのビジネスを拡大する計画です。また、証券化の対象となる不動産のアセットマネジメント分野についても順次拡大したいと考えています。デストレスト債権投資の分野については、今後、要管理債券、再生がらみの案件などに対する投資にも注力する予定です。
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最後に、株主の方々に対するメッセージをお願い致します。
高梨社長: 当社は時代のニーズを先取りすることにより、創業以来優れた実績を残しながら順調に成長してくることができました。私どもは今後の市場の潜在成長力について確信しています。また、他のビジネスと同様、高い専門性を確保し、顧客からの信頼に応え、付加価値を提供し続ける企業のみが長期的な成功を得ることができることを深く理解しています。今後とも株主の皆様のご期待に添うため当社の使命に忠実に努力する所存でございます。よろしくご支援のほど御願い申し上げます。
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本日はどうもありがとうございました。
http://www.morningstar.co.jp/stock/newcomp/itv_2392a.htm