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連載 やさしい経済講座
BRICs(ブリックス)とは?
http://www.fxprime.com/keizai/kouza20.html
ここ数年、経済成長率が芳しくない先進国を尻目に、中国を始めとする高度成長を続けている国に注目が集まっています。
「BRICs」という言葉が誕生してから1年余りですが、投資家の間ではポピュラーな経済用語になっています。BRICsとは一体なんでしょうか?
■ BRICs(ブリックス)とは?
BRICsとは「brick=レンガ」をもじり、ブラジル(Brazil)、ロシア(Russia)、インド(India)、中国(China)の4カ国の頭文字を並べたもので、台頭する新興大国を意味する造語です。
米国の証券会社ゴールドマン・サックス社が、2003年10月に「Dreaming with BRICs: The Path to 2050」(BRICsとともに見る2050年への道)という投資家向けレポートで初めて使用して以降、広く使われるようになりました。
■ BRICs諸国の特徴とは?
広大な国土、原油や鉄鉱石などの豊富な天然資源、労働力の源泉となる膨大な人口を持つのが共通点となっています。
●人口 中国が約13億人で世界1位、インドが約10億5000万人で2位、ブラジルが5位、ロシアが7位です。BRICs4国だけで世界の人口の約45%を占めています。
●国土面積 ロシアが世界1位、中国が3位、ブラジルが5位、インドが7位です。
初めてBRICsという言葉を使ったレポート「Dreaming with BRICs: The Path to 2050」では約45年後である2050年の世界経済勢力図を下記のように予測しています。
1、2050年の国内総生産(GDP)は中国、アメリカ、インド、日本、ブラジル、ロシアの順番なっている。
2、中国のGDPは2007年にドイツ、2015年に日本、2039年にはアメリカを抜き、2050年には世界最大の経済大国になっている。
3、ロシアのGDPは2028年にイタリア、フランス、ドイツを上回り、ブラジルは2036年までにロシアを抜いている。
■ BRICs諸国の急成長で受けるメリット
BRICs各国は人口規模が大きいので、所得水準が高まれば国内消費が爆発的に伸び、先進国から同諸国への輸出が拡大することが予想されます。
また、経済成長に伴い同諸国の為替レートが上昇傾向を辿ることも予想されます。
先進国の為替レートが相対的に下落し、同諸国の内需拡大が強まるならば先進国にとって、新たな輸出先としての魅力が増します。
■ BRICs諸国の現状
●ブラジル
1992年以前は年率数千%というハイパーインフレを引き起こし不安定な経済環境でしたが1993年以降は実質GDP前年比が10年連続プラスで推移するなど安定感がでています。
2003年のGDPはマイナス0.2%でしたがIMF(国際通貨基金)の予想では2004,2005年ともに3.5%前後のプラスが予想されています。
逆にブラジルが抱える問題として債務返済があります。
2003年末の公的債務残高はGDPの約59%を超えており、今後の成長阻害要因になりかねません。2003年1月に就任したルーラ大統領は前政権の政策を踏襲し財政均衡を目指した経済政策運営をしています。
●ロシア
ロシアの強みは天然資源に恵まれていることです。
石油、ガス、金属が輸出の約3分の2を占め、鉱工業生産の約3分の1を占めています。
逆に言うと天然資源に依存している度合いが高く、経済が商品市況や為替市況に左右されやすいともいえます。
プーチン大統領は1999年12月に突然の辞任をしたエリツィン大統領のあとを受けて、翌2000年3月の大統領選挙で第二代大統領となりました。
2004年3月の大統領選では得票率71%を獲得し、高い支持率を得て再選を果たしました。
しかし一方で、独立を求めるチェチェン共和国では武力衝突が続いており社会不安が経済に与える影響も無視はできません。
●インド
1991年に誕生したラオ政権はそれまでの社会主義的経済と決別しました。
そのラオ政権で経済改革を主導したシン元財務相が2004年の総選挙で新しい首相に任命されたことは、金融市場では安心感をもって受け止められています。
近年のソフトウェア産業の急成長は安価で豊富な労働力だけではなく、準公用語が英語であることがインドの強みです。
今後も米国企業のインドでの業務委託の流れは続く見通しです。
但し、農業がGDPの約25%を占めておりロシア同様に経済が商品市況の動向に左右されます。
●中国
BRICs諸国のなかでも一番成長が期待されています。
かつて日本が1964年の東京オリンピックと1970年の大阪万博を経て経済大国の仲間入りをしたのと同様、中国も2008年の北京オリンピックと2010年の上海万博を経て誰もが認める経済大国へと変貌を遂げるかもしれません。
2003年3月に国家主席の地位を江沢民から継承した胡錦涛を中心とする指導部は堅実な政策運営をしており、いまのところ過熱気味な景気もバブル崩壊にならないようにうまくコントロールしています。
■ まとめに
BRICs諸国のうち、G8サミット参加国はロシアだけです。
中国やインド、ブラジルが参加しないサミットで世界経済の問題を協議しても意味がないとして、G8サミットの枠組みの見直しを主張する声も出ています。
BRICs諸国の躍進で、世界のパワーバランスにも大きく変化をもたし、米国一極集中から、多極化の流れへと進むことが予想されます。
特にその中で中国が一番手ですから今後の中国の政治・経済運営に注目が集まります。
以上
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