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(回答先: 〜米国のおいしすぎる基軸通貨特権〜機関投資家の見るマーケット (gcams) 投稿者 愚民党 日時 2005 年 1 月 22 日 12:36:50)
ブッシュ2期目、課題は貯蓄率――緩やか上昇中、金融カギ(けいざい解読)2005/01/16, 日本経済新聞
ブッシュ米大統領は二十日、二期目の就任式にのぞむ。株式バブル崩壊後の米経済を政策総動員で軟着陸させたのが第一期。次の四年はそのツケともいえる経常赤字の膨張を止め、安定成長に移行できるかが問われる。貯蓄の増強が第二期政権の経済的課題の一つになるだろう。
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米国の貯蓄率(可処分所得に対する貯蓄の割合)は昨年七―九月期にわずか〇・五%。二〇〇二年の二%から二年たたずにゼロに落ち込んだ。家計の貯蓄の少なさは政府部門の赤字とともに経常赤字の主因であり、海外からは「貯蓄率の向上を」と注文がつく。
ただ、米国人が所得を丸々使っているからといって、必ずしも無謀とは言い切れない。その裏側で家計の資産が増えているからだ。資産総額は昨年九月末で五十六兆九千億ドルあまり。前年末に比べ四%増えている。
貯蓄率は一九九〇年代に大きく下がったが、反対に家計の資産はうなぎ登り。資産から負債を引いた純資産の規模は九〇年に可処分所得の四・七倍だったが、九九年には六・三倍。これだけ資産が増えれば貯蓄をしなくても心配は要らない。
その後、株価の下落で家計の資産総額はいったん減ったものの、二〇〇三年から持ち直した。一時、可処分所得の五・〇倍に減った純資産も今は五・四倍。一昨年以降の貯蓄率の再低下は家計のバランスシートの改善とともに進んだのだ。
最近の資産増加の主役は金融資産ではない。株式資産はピーク時より三割も少なく、貯金や債券などを加えた金融資産は二〇〇〇年に比べ四%増にすぎない。この間に四〇%を超える大きな伸びを見せたのが住宅資産。住宅資産の総額は十八兆ドルと四年足らずで五兆ドル以上も増えた。
貯蓄率の低下(消費の拡大)を可能した住宅資産の増加。バブル崩壊後に株価も地価も下がった日本との大きな違いだが、米連邦準備理事会(FRB)の超低金利政策に加え、根っこには人口の増加に伴う住宅実需の強さがある。「需要超過の国」の強さだが、住宅頼みの家計には危うさものぞく。
怖いのは住宅の値上がりの速さだ。昨年七―九月期の住宅価格の上昇率は前年同期比一二・九%と過去二十五年間で最も高く、前期比年率では一八%に達した。昨年十二月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録に「住宅価格の高騰」という言葉が登場したように、住宅バブルを否定してきたFRBにもさすがに警戒感が出始めた。
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貯蓄率の緩やかな上昇は経常赤字を減らし、米経済の安定につながる。だが、急激な上昇は消費の腰を折り、米景気の後退と世界経済の混乱を招く。将来の値下がりにつながりかねない住宅価格の急騰は、後者のリスクを大きくしてしまう。
カギを握るのは金融政策だが、頼みのグリーンスパン議長は一年後に退任の公算が大きい。ブッシュ二期目の経済は決して容易ではない。