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株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu85.htm
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未熟練労働者の失業があふれて、有能な経営幹部が
不足しているミスマッチが日本経済を停滞させている。
2004年12月23日 木曜日
ほとんど動かぬ株式市場
◆「景気と失業」について ニュースと感想 12月19日
http://www005.upp.so-net.ne.jp/greentree/koizumi/main.htm
若手の失業率は相変わらず高い。去年の数値だが、20歳〜24歳では失業率が 9.8%だ。この数値は、今年になってもたいして変わっていない。(今年、失業率は若干の改善を見せているが、はっきりした改善にはなっていない。)
で、この年代の若者が、雇用状況で絶望的になって、犯罪に走る人も出てくるという。生々しい実例が報道されている。外食産業に勤務したが、バブル後ですごく厳しいので、ちょっとしたことで昇進不能となった。研修会で「客の方が悪いこともありますよ」と言っただけで、昇進資格すら奪われる。絶望して、大家を殺して、5万円を奪い、無期懲役。(朝日・社会面・特集・コラム 2004-12-17 )
若者に漂う無力感。ひどいですねえ。
経済というのは、国民の生活を直撃する。そのことをはっきりと理解しよう。朝日の社会部の記者は、そのことをちゃんと理解しているようだ。つまり「景気や経済は、国民生活に関係する、社会現象である」と。(社会部だから当然だが。)
で、経済部の記者は? 全然、理解していない。かわりに、こういう記事を書く。
「企業の収益性が改善している。ゆえに、景気は良くなっている。だから、増税しよう。それが正しいことだ。経済とは、企業の経営のことなのである」
国民の視点がすっぽり欠落している。……呆れたもんだ。企業の数字だけを見て、国民の失業や自殺者なんかをまるきり無視している。こういうのは、古典派の発想だが、朝日は経済部も論説部も、こういう古典派で占められている。(政府と結託しているわけ。小泉や竹中と仲良し。)
「サリンやテポドンや大地震よりもずっと怖いのが不況だ」と、はっきり理解しよう。金正日はテポドンで日本人を一人も殺していない。しかし小泉や朝日は、不況によって、日本人をすでに数万人も殺しているのだ。
[ 付記 ]
小泉や朝日は、「不況を続けるべしなんて言ってないぞ」と弁解するかもしれない。しかし、そんな弁解をしても駄目だ。「企業収益が向上しているから景気は回復している」と強弁して、「増税で財政再建」なんていう路線を取っている限り、実質的には、「不況を続ける」という方針を取っていることになる。
たとえて言えば、悪魔が、「あなたを幸せにしてあげます」と言いながら、魂を奪うようなものだ。口で何を言うかが問題ではない。手で何をしているかが問題だ。……小泉も朝日も、悪魔と同様、甘い言葉をささやきながら、人々の人生を破壊する。
その実例が、上記の記事だ。ここでは、本人が無期懲役になってしまったが、本当は、小泉や朝日を監獄にぶち込むべきなのだ。
◆日本経済は良いのか悪いのか 12月22日 ケンミレ株式情報
http://www.miller.co.jp/kmp00/visitor/market/report/
エコノミストの間では「日本経済は悪い」という見方がほとんどで、竹中大臣も景気の下方修正を2ケ月連続で行なっています。景気指標も悪い結果が連続していますので、単純に考えれば日本の景気は減速し続けていることになります。
しかし、実態経済に触れているものとしては『どうして日本の景気が悪いのか』と思うことが続出しています。一番はっきり出てきているのは雇用です。先月、日経新聞とインターネットの両方で『企画スタッフの募集』を行ったのですが、以前とは、様相が変わってきました。
以前は一度募集しますと100名前後の応募がありましたが、今回は新聞とインターネットのダブルの募集であったにもかかわらず、以前の1/3以下の応募者しかおりませんでした。そして、入社はゼロでしたので、ずっと採用されない人が回っているだけで『新規の職を探す人』が減少しているのではないかと思います。
ケン・ミレニアムでは、スタッフ数を10月からの3ケ月で22名増やす予定で募集を行ないましたが、増加したのは13名で、そのうち企画職での4名は全て新聞などの募集以外からの採用となりました。このように、募集では人が集められなくなったことは、雇用が大幅に改善している証しではないかと思います。
政府の発表でもパート社員の数が減少して、正社員の数が増加してきているとなっており、企業が後ろ向きの経営姿勢から前向きの経営姿勢に転換したと思われます。デジタル家電業界も、アナリストや政府の統計では在庫が積み上って落ち込むような数値になっていますが、デジタル家電業界では来期も売上は増加すると見ていますし、デジタル家電関連企業の経営者も強気の見方をしている経営者が多いと言われています。
つまり、景気指標と実態経済にミスマッチが起こっているのではないかと思います。よくタクシー運転手が景気の先行指標になると言われていましたが、現在では『タクシー運転手の景況感は景気の先行指標にはならない』と思います。
以前は仕事がなくなればタクシーの運転手で当面の生活費を稼げると言われていましたが、今はタクシーの運転手では生活できなくなってきています。その理由は、『規制緩和』によってタクシー会社が乱立し、会社ができるだけ多くの運転手を採用して数で儲ける経営姿勢を採り始めたからです。
つまり、景気回復でパイが広がっても、それ以上にタクシーの数が増加していて、タクシー運転手の景況感に意味がなくなってしまったわけです。
(私のコメント)
私は株価が一番の景気先行指標と見ていますが、この一年は株価がほとんど動いていません。長いスパンで見ればなべ底をずっと這っているような状況ですが、政府などは一部の輸出企業の業績が良い事から景気は回復していると言い続けていますが、そこから日本経済全体に広がっていかない。鉄鋼などは世界的に品不足になっている。日産自動車など鋼材不足で生産にも支障をきたすほどだ。
本来ならば日本は輸出景気でミニバブル状態でもおかしくはないはずだ。だから景気の見方も部分的に正反対の見方も出てくる。若者の就職状況も相変わらず悪く、フリーターやニートなどが増え続けている。これが長期化すれば職業技術を身につける機会がないまま歳をとって、社会の脱落者となって犯罪予備軍にもなる。
その反面、ケン・ミレニアムでは人材を募集したところ、いつもの三分の一しか応募者がなかったということで雇用状況が改善していると観測していますが、どのような理由なのだろうか。今までは証券会社等の金融業のリストラで応募してきたのが、今年は株式が前期は堅調だったから忙しくなってリストラが減ったのか。
しかし全体的に見ればタクシーなどに転職する人は多く、盛り場の通りは空のタクシーで埋め尽くされている。わたしも時々タクシーを利用しますが、運転手は素人ばかりで都内の道を知らない。しかたがないから地図帳を持ってタクシーに乗ったこともあります。このように未熟練労働者が増えて、人材を募集しているところは即戦力を募集している。
したがって若い人はみんな未熟練労働者だから就職が出来ず、一部の有能な人材は引っ張りだこになっているミスマッチが起きている。つまり人手はたくさんあまっているが、即戦力は不足しているという構図ですが、ここから何が読み取れるだろうか。未熟練労働者だと賃金は極端に低くなるだろう。その反面、会社の業績を飛躍的に向上させることが出来るような有能な人材がいないということだ。
最近の日本経済の低迷は日本企業の有能な経営者が枯渇してしまい、年功序列で出世した無能な経営幹部であふれているから、外部に人材を求めても、似たり寄ったりの無能な中年の経営幹部ばかりなのだ。若い頃はがむしゃらにやれば業績は上がるだろう。しかし経営幹部になれば、がむしゃらにやっても無能なら会社は傾く。
産業のグロ−バル化によって単純な低賃金の工場労働は中国やアジアへ職場は移って行きましたが、高度な技術や能力を要求する業種が残りましたが、その分野は極端な人材不足で、単純低賃金労働の分野は人手が余って失業者があふれてしまっている。3Kと呼ばれるきつい仕事はありますが、その分野は外人労働者しかやる人はいない。
12月5日の株式日記でホワイトカラーの生産性が向上していないと指摘しましたが、企業でもパソコンは導入したものの、どのように活用するかははっきりせず、もてあましているようだ。日本ではいまだにパソコンと実務の両方をこなせる人材が育たず、情報産業の停滞が日本経済の停滞の原因の一つになっているのだろう。その証拠に日本ではブログを書けるようなビジネスマンが本当に少ない。
日本では知識やアイデアには金を払おうとしません。その反面、汗を流したり長時間労働には評価が高い。ブルーカラーはそれでよくても、ホワイトカラーはそれでは通用せず、知識やアイデアが勝負のはずですが、日本ではそうはなっていないから企業は利益を上げられない。本来ならばホワイトカラーになるべきでない無能な人材がホワイトカラーの仕事をしている。若いときはそれでも良くても、経営幹部に年功序列でなればその企業は停滞する。
ダイエーグループや西武鉄道グループの崩壊は一つの象徴ですが、ダイエーの中内会長や西武の堤会長がIT技術をフルに使ってグループを統括していたとは思えないし、また使いこなせなければあのような巨大組織は巨大恐竜のように時代の変化に適応できずに滅びるのだろう。NHKの海老沢会長もグループ内の不祥事も気がつかないということは、ITをフルに活用していればありえないことなのだ。