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西武鉄道株 課題山積 再上場への道のり遠く、インサイダー疑惑で「キーマンの死」がもたらす影響
http://www.asyura2.com/0411/hasan38/msg/246.html
投稿者 TORA 日時 2004 年 12 月 18 日 15:05:54:CP1Vgnax47n1s
 

(回答先: 西武鉄道、取締役会7年開かず 「堤商店」浮き彫りに [朝日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2004 年 12 月 18 日 13:43:51)

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu85.htm
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西武鉄道株 課題山積 再上場への道のり遠く
インサイダー疑惑で「キーマンの死」がもたらす影響

2004年12月18日 土曜日

◆西武鉄道株 経営正常化へ課題山積 再上場への道のり遠く
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041217-00000009-maip-bus_all

西武鉄道株が16日、東証で最後の取引を終えた。株価は前日終値比5円安の485円。10月13日の有価証券報告書虚偽記載公表直前から半値以下に落ち込んだ。西武グループは経営形態の見直しと、グループ再編の検討を進めている。来春をめどに、コクドの連結決算を作成した上で、ジャスダックでの再上場を目指すが、グループ企業の正確な財務状況の把握に手間取るなど、再上場への道のりは遠い。虚偽記載発覚前に売却した西武株の買い戻しも難航が必至で、経営が正常化するためには解決すべき課題が山積している。
【吉田慎一、町田明久】

 先月、創設した経営改革委員会(委員長・諸井虔太平洋セメント相談役)では、法令順守体制の強化と、組織再編について検討を続けている。特に組織再編は、コクドの連結決算を作成し、グループ全体の財務状況を把握することが課題だ。

 連結会社数はグループのほぼすべての134社にのぼり、財務状況が明らかでないグループ企業もある。連結決算の作成には、国内外で200を超えるホテルや遊園地、スキー場、ゴルフ場などの施設や土地の資産査定も必要。さらに西武鉄道が非上場になったことで、同社子会社86社などを含めて西武鉄道全体の資産査定が改めて必要になるなど、経営の情報開示を怠ったツケが一気に回ってきた格好だ。

 経営改革委員会の最終目標は、堤氏の支配を断ち切り西武鉄道を軸にした経営に切り替えること。そのためには堤義明前コクド会長が持つ36%のコクド株を放出させる必要がある。諸井委員長は「最後は直接お願いに行く」と話し、再編の具体像が描けた段階で、直接会談し、堤氏の保有株を買い取る交渉を行う意向を示している。しかし株を買い取るには、コクド株の価格を決めないといけない。資産査定が難航すれば、コクド株の評価もできず、改革が遅れかねない状況だ。

 虚偽記載発覚前に取引先企業に売却した株の買い戻し交渉も直近の課題だ。売却した株に関しては契約を白紙に戻す方式が中心になるが、持ち合い株として、お互いの株をやりとりしたケースもあり、損失補償を求められる可能性もある。コクドは、相手先の求めに「個別に話し合いを進めていく」方針だが、同時期に市場で購入した個人投資家への対応方針は固まっておらず、今後、株主代表訴訟が続出しかねない状況だ。

 有価証券報告書の虚偽記載発覚前の西武鉄道株の売買を巡っては、インサイダー取引疑惑もくすぶり続けており、正常化に向けて、西武グループが超えなければならないハードルは極めて高い。
(毎日新聞) - 12月17日10時8分更新

◆西武鉄道株インサイダー疑惑で「キーマンの死」がもたらす影響 川崎明
http://www.mail-journal.com/

コクドの株担当者が自殺、新聞各紙はいずれも取り上げ、亡くなった木内保 総務部次長(54歳)の役割を一様に次のように報じた。  

「コクドによると、木内さんは株式事務の担当者で、10月、同社による西 武鉄道株の大量売却問題が発覚以降、取引先からの買い戻し請求などへの対応に追われて心労が重なっていた様子だったという」(『読売新聞』11月27日付)  

大型の経済事件が発覚するたびに繰り返される担当者の自殺。今回はそれが いかにも早いが、それだけ木内氏の役割が重要だったことの“証”でもある。そして、「キーマンの死」は、西武グループ総帥の堤義明氏(70歳)が背負わなくてはならない問題であることを、改めて指摘しておきたい。  

西武グループの「なるべく税金を払わない」という経営方針は、堤康次郎氏 (元衆院議長)によって築かれ、三男の義明氏に継承された。それゆえ義明氏 は、「プロアマスポーツ界のドン」として君臨しても尊敬を集めることなく人 望も薄かったのだが、この「堤商店」の姿を維持するために苦労したのが、コ クドの総務部である。  

西武鉄道や伊豆箱根鉄道の役員・社員らによる「名義貸し」が発覚、上場廃 止となった今に至るも認めないが、名義貸し問題の行き着く先はコクドであり、その工作は、株式所有者の名義を分散することだった。  

資本金1億円のコクド株式の大半を握りながら、堤氏は相続対策のため、あ るいは同族会社認定を避けるために持ち株比率を40%以下に抑えた。したがって、コクドは西武鉄道の「親会社」ですらなかった。  

そのためにコクド総務部は、役員・社員の名義を借りて、「堤支配」の色を 薄めた。これまで「堤保有株」以外に株主を公表しなかったコクドは、マスコ ミの「経営実態を明らかにせよ」という強い要望と木内氏の死を受け、25日、 初めて株主構成を明らかにした。  

それによると、「堤保有株」以外は、社員持株会が36%、役員持株会の 「国友会」が約12%、残りがプリンスホテル社長ら堤氏の側近であった。しかし、この時までに複数のOBらが、「株主となっていたが形だけ。国友会に言われて名義を貸した」と証言している。“ごまかし”をこのまま続けるのは容易ではない。  

そして、こうした工作を一手に引き受けていたのが、木内氏だった。3年前 に「西武の大番頭」といわれた中嶋忠三郎氏の息子の康雄氏が、コクド株の返還を求めて提訴したが、提訴前、康雄氏側に「昭和33年8月5日、新株券を中嶋忠三郎氏に交付しています。この新株券は、その後第三者に譲渡され、名義変更されております」などと文書を送り、対応していたのは木内氏だった。 

役員・社長らの印鑑を数千個(西武鉄道だけで名義貸はピーク時に2000 人を超えていた)も用意、退職者の動向や配当金などにも気を配りながら株の 所有者を“ごまかす”ことは、いかに「会社のため」とはいえ、心痛を伴うこ とに違いない。  

求められるのは、愚直さと忠誠心。「秘事」ゆえ業務を簡単には引き継ぐこ とができず、総務部でもコクド株や西武鉄道株などグループの「株主構成」を把握していたのは、現場責任者だった木内氏を除いては、T監査役など数人だったという。株式担当者は、人事異動もほとんどなかった。  

それだけに、証券取引等監視委員会の調べは木内氏に集中した。同委員会の 次には地検捜査が始まり、もっと過酷な取り調べになることを、木内氏は予見できたろう。俺さえいなくなれば……と、木内氏が思い詰めたのだとすれば、その生真面目な会社人間ぶりに胸が傷む。  

木内氏を死に追い込んだのは、株の名義を分散することで、「相続」や「税」や「乗っ取り」に備えるという工作であり、それは「堤商店」の姿を維持するためのものだった。堤氏は、「私は知らなかった」では済まないし、また済ましてはなるまい。


(私のコメント)
西武鉄道が16日で上場廃止になりますが、終値は485円でいつ再上場されるかわからない株が500円近い株価とは驚きますが、再上場されるには経営が透明化されなければなりませんが、グループ全体となると、それこそ何時になるかわからない。それでも500円近い値段で買う人がいるのだから、株の世界はわからない。

まず、西武が取引先企業に売りつけた株を白紙に戻して買い戻さなければなりませんが、その費用だけでも600億円以上にもなり、その資金調達はどうするのだろうか。その責任を取るような形で西武の総務部次長が詰め腹を切らされましたが、本来ならば堤義明氏が直に責任を取って解決すべき問題ですが、古い体質の会社では部下に責任を取らせて本人は逃げ回る算段だろう。

さらに再上場させるつもりならば、コクドが持つ株式の36%を手放さなければなりませんが、未上場の株をどのようにして売却するのだろうか。取引先企業もトラぶったばかりだし、まとめて買い取るところも少ないだろう。思い切って外資にでも買ってもらえば外資系の鉄道会社が出来て面白いだろう。

しかし株を買い取るにしても、資産査定しなければ適切な売却価格が出ませんが、子会社だけでも86社もありいつ頃目処がたつかわからない。それらが済まなければ再上場の申請基準に達しないから、来年の3月にジャスダックに再上場されると情報を聞いて買った人は売るぬ売れない株を買ったことになる。

西武鉄道が上場廃止になったのは虚偽記載のためですが、虚偽記載だけなら他社も数社違反していますが、西武鉄道は全く堤家のベールに包まれて内容が公開されていないから、他社の場合と異なる。このような実態は最近になって明らかになったのではなく40年も前から行われていたことであり、しかしマスコミなどで公開されて問題にされることはなかった。政治的な圧力が働いていたからだ。

ならば西武の堤家は株式を公開せずにいれば、総会屋対策にも苦労することなく、決算種類を東証に提出することもなく済んだだろう。しかし以前に書いたようにブループ企業は西武鉄道の株式をフルに活用して銀行から資金調達していたから、株価を桁外れに高い株価に保っておくために流通株式を極端に少なくしていた。

堤義明氏が有能な会長であるならば、人から後ろ指を指されるような経営はせずとも、非上場会社に徹するか、あるいは上場させてソフトバンクを上回る持ち株会社組織にして、次々にグループ子会社を上場させて公開していけば、濡れ手で粟のごとく資産を手にすることが出来たはずだ。

ところが西武の堤会長はどちらにも徹することが出来ず、最終的には西武鉄道の大株主として留まるになるだけになるだろう。さらにはこれ以上、西武グループから自殺者を出さない覚悟で堤氏個人が矢面に立って責任を全うすべきだ。それが出来なければ上場企業の会長としての資格はない。

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