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(回答先: 消費税、2007年度メドに改革・与党税制大綱 [日本経済新聞] 投稿者 あっしら 日時 2004 年 12 月 15 日 19:18:41)
第一 新しい時代への税制改革の道筋
国民は長寿社会の到来で、一人一人が安心して暮らせる福祉社会を、将来とも引き続き享受できるかという不安を持っている。政府の課題は、年金、医療、介護をはじめとする支出をどのような財源で確保するかにある。直接課税(所得税+社会保険料)に大きく依存する国民負担のあり方では適切な対応が難しくなっている。
定率減税は99年当時の著しく停滞した経済状況に対応して、税額を一定率だけ軽減した時限的措置として導入された。導入当時に比べ不良債権処理と経済状況に改善が見られる現在、05年度税制改正で定率減税を2分の1に縮減する。今後の景気動向を注視し、必要があれば、その見直しを含め機動的・弾力的に対応する。06年度は所得税から個人住民税への税源移譲を実現し、国・地方を通ずる個人所得課税の見直しを行う。07年度をめどに、消費税を含む税体系の抜本的改革を実現する。
1 国・地方を通ずる個人所得課税
04年度与党税制改正大綱の考え方に沿って、05年度税制改正で、定率減税を2分の1に縮減する。06年度は、わが国経済社会の動向を踏まえつつ、三位一体改革の一環として、所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を実現し、国・地方を通ずる個人所得課税の見直しを行う。
税源移譲については、06年度税制改正において、所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を実現する。税源移譲は04年度に所得譲与税及び税源移譲予定特例交付金として措置した額を含め、おおむね3兆円規模を目指す。05年度は暫定的措置として、所得譲与税により、1兆1159億円の税源移譲を行う。税源移譲は個人住民税所得割りの税率をフラット化することを基本に実施する。
2 住宅税制
個々人がライフスタイルにあった住宅を選べる環境を構築するため、多様な立地を有し、価格も安い良質な中古住宅の流通を促進していく必要がある。若年層の子育て世代の持ち家ニーズに応え、その居住水準の向上を図ることは重要な課題となっており、中古住宅政策を後押しするため、耐震基準を満たす良質な中古住宅を住宅ローン減税の対象に追加する。
3 金融・証券税制
「貯蓄から投資へ」の流れを進めるため、一般投資家の利便性向上、投資リスクの軽減に引き続き取り組んでいく必要がある。今なお大量に残っているいわゆる「タンス株」の存在も重要な課題。09年に迫る株券のペーパーレス化も視野に入れ、本年末で終了する特定口座へのタンス株の受け入れを、05年4月以降も可能とする。
4 国際課税 略
5 中小企業・ベンチャー支援 略
6 NPO税制 略
第二 改正の具体的内容
一 国・地方を通ずる個人所得課税
1 定率減税
所得税額の20%相当額(上限25万円)を10%相当額(上限12.5万円)に、個人住民税所得割り額の15%相当額(上限4万円)を7.5%相当額(上限2万円)に、ぞれぞれ引き下げる。
所得税については06年1月から、個人住民税については06年6月徴収分から実施する。改正に伴い、06年1月1日以後に支払うべき給与等に係る税額表及び公的年金等に係る源泉徴収すべき所得税の額から控除する定率減税の額を見直す。
2 税源移譲
04年度与党税制改正大綱(03年12月17日 自民党・公明党)、三位一体の改革に関する政府・与党協議会の合意(04年11月26日)等に基づき、06年度税制改正で、所得税から個人住民税への本格的な税源移譲を実現する。
この税源移譲は、04年度に所得譲与税及び税源移譲予定特例交付金として措置した額を含め、おおむね3兆円規模を目指す。05年度は暫定的措置として、所得譲与税により、1兆1159億円の税源移譲を行う。また、個人住民税所得割りの税率をフラット化することを基本として実施する。
税源移譲に際しては、所得税及び個人住民税の役割分担を明確化し、所得税においては所得再分配機能、個人住民税においては応益性や偏在度の縮小といった観点をそれぞれ重視しながら改革を進める。税源移譲に伴い、個々の納税者の負担が極力変わらないよう配慮する。
さらに、国・地方を通ずる個人所得課税のあるべき姿と整合的な所得税・個人住民税の制度とする。このため、所得税においては、税率構造・控除双方の見直しを視野に入れ、検討を進める。個人住民税においては、税率のフラット化、低所得部分に係る負担調整措置等について検討する。
今後、06年度税制改正までに、こうした課題について検討を深め、具体的な改正内容について結論を得たうえで、06年の通常国会で必要な税法の改正を行う。
この改正法は、07年分の所得税及び07年度分の個人住民税から適用し、06年度の税源移譲の所要額については、税源移譲関連の税法改正の内容を踏まえ、所得譲与税で適切に対応する。
05年度の所得譲与税1兆1159億円については、同年度に実施される国庫補助負担金の改革内容等を踏まえ、都道府県へ5分の3、市町村(特別区を含む)へ5分の2をそれぞれ譲与する。各地方団体への譲与基準は、都道府県分・市町村分ともに、04年度分と同様、人口(最近の国勢調査人口)とする。
二 住宅税制
<国 税>
1 住宅ローン減税の適用対象となる中古住宅の範囲に、必要な耐震基準に適合する住宅を加える。
2 特定の居住用財産の買い替え等の長期譲渡所得の課税の特例の適用対象に、耐震基準に適合する耐火建築物を加える。
3 住宅取得等資金に係る相続時精算課税制度の特例対象に、耐震基準に適合する中古住宅を加える。
4 住宅用家屋の所有権の移転登記、または住宅取得資金の貸し付け等に係る抵当権の設定登記に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用対象に、耐震基準に適合する中古住宅を加え、適用期限を2年延長する。
5 住宅用家屋の所有権の保存登記に対する登録免許税の軽減措置の適用期限を2年延長する。
<地方税>
1 特定の居住用財産の買い替え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税特例の適用範囲に、耐震基準に適合する耐火建築物を加える。
2 中古住宅及びその土地に係る不動産取得税の課税標準等の特例措置の対象となる住宅として、木造住宅は築20年超、鉄筋コンクリート造り住宅は築25年超のうち、新耐震基準に適合する住宅(登記簿上、82年1月以降の住宅は適合している住宅とみなす)を加える。
3 中古住宅及びその土地に係る不動産取得税の課税標準等の特例措置に、人が住んだことがない住宅が対象となるよう規定の整備を行う。
三 金融・証券税制
1 特定口座に保管している上場株式等の譲渡所得の計算の特例について、次の措置を講ずる。
(1)05年4月1日から09年5月31日まで、特定口座に上場株式等を実際の取得日及び取得価額で受け入れることができる。
(2)保管上場株式等を証券会社に貸し付けた場合、貸付期間後に返還される株式等を、貸し付けた際の価額で受け入れることができる。
(3)特定口座取扱者に日本郵政公社を加える(05年10月以降)。
2 証券会社が開設する特定口座で、上場廃止等になった以降も引き続き保管されている株式について、価値を失ったことによる損失が生じた場合、その株式会社の清算終了等で株式を譲渡したとみなし、同時に損失の一定額を譲渡損とみなして、株式等の譲渡所得等の課税の特例を適用することができる。
3 略
4 金融類似商品に係る収益に対する分離課税等の適用対象に、外貨預金の差益を加える(06年1月以降適用)。
5 上場会社等の自己株式の公開買い付けのみなし配当課税の特例の適用期限を2年延長する。
第三 検討事項
1 わが国金融・証券市場の透明性、公平性、効率性を高めるとともに、個人の株式投資を促進するため、金融商品間の課税方式の均衡化、損益通算の範囲の拡大を進めていく。また、納税者番号制度は、適正・公平な課税の実現、納税者の税制への信頼の向上に資するものであり、番号利用にかかるコスト、経済取引への影響、プライバシー保護の問題等について検討を行い、その導入に向け取り組む。
2 略
3 生損保控除については、医療、介護など高齢化社会における社会保障政策を踏まえた新たな商品開発の進展、制度創設の目的が達成されているとの指摘等を踏まえ、制度のあり方の抜本的な見直しを行う。地震保険については、地震災害に対する国民の自助努力による個人資産(住宅・家財)の保全を促進し、地震災害時における将来的な国民負担軽減を図る必要があるとの指摘も踏まえ、損害保険料控除制度全体の見直しの中で、そのあり方を検討する。
4 要援護高齢者等の介護費用に係る税制上の措置については、介護保険制度改革の実施に向け所要の措置を講ずるとともに、介護保険の実施状況や特別な人的控除との関係等を踏まえ、検討する。
5 耐震改修税額控除制度については、地震災害から地域を守ることの重要性にかんがみ、そのための国・地方を通ずる総合的な施策の一環として、地域の実情に応じた助成金制度のあり方との関係を含め早急に検討する。
6〜11 略
12 原料・製法等によりきめ細かく酒類を分類し、その分類ごとに異なる税率を定めている現行酒税制度の下では、近年の技術開発の進展に伴い、税負担を低く抑えた類似商品が数多く出現するに至っている。
真に高品質・低価格の商品開発を目指した公正な競争を促進し、経済活動に対する税制の中立性を確保するために、酒類間の税率格差を縮小し、酒類の分類の簡素化を図る方向で酒税制度の全般的な見直しを行うこととし、06年度税制改正までに結論を得る。
13 略
14 われわれは、過去とは比べものにならない大量の化石燃料を消費し、豊かで便利な生活を享受している。その半面、大量の二酸化炭素を排出し、将来世代に地球温暖化という大きな負の遺産を残している。京都議定書の05年2月発効とそれに伴うわが国の責任を踏まえ、地球温暖化対策推進大綱の評価、見直しにも考慮を払いつつ、環境と経済の両立を図ることが重要である。このため、あらゆる政策的手法を総合的に検討した結果を受けて、いわゆる環境税については、必要に応じ、そのあるべき姿について早急に検討する。
15 個人住民税均等割りは、広く住民が地域社会の費用の一部を等しく分担するものであり、地方分権を支える重要な税であるという性格を踏まえ、その標準税率を引き上げる方向で検討する。
16〜19 略
毎日新聞 2004年12月15日 21時47分
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20041216k0000m010116000c.html