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社会保険庁のコンピューターシステムの開発・運用をめぐり、昨年度、請負業者のNTTデータ(東京)と日立製作所(同)が行った契約外の業務について、同庁が作業内容を確認せず、業者側から言われるままに106億円の公費を支出していたことが、同庁のIT(情報技術)調達に関する「刷新可能性調査」でわかった。
追加業務が必要になった場合に義務づけられている契約変更などの措置も講じておらず、会計法違反の疑いが強い。ずさんな会計処理は長年続けられていたという。同庁は、契約外で行われた業務の実態や請求金額の妥当性について、調査を進める方針だ。
問題のコンピューターシステムは、社保庁の「社会保険業務センター」(東京都杉並区)などに設置されたホストコンピューターと、全国312か所の社会保険事務所の端末を結ぶオンラインシステム。
同庁は1967年、その開発・運用を日立製作所に発注。80年からはNTTデータ(当時は日本電信電話公社)も加わった。一貫した随意契約で、運営費は2社体制になった当初は年間約53億円だったが、年々増え、昨年度は計約1100億円に膨れ上がった。
刷新可能性調査は、社保庁の委託を受けたコンサルタント会社が今年1月から進めており、その中で、契約外の業務が見つかった。
それによると、昨年度、NTTデータは「サービスレベルの維持」「中長期計画策定支援」「開発環境支援」など、契約にない12項目の作業について85億6千万円を、また、日立製作所は「ドキュメント管理」「稼働監視」など7項目で20億4千万円を請求。これらはすべて「人件費」だったが、両社からの請求書では、ソフトやハード機器の調達費に含められ、内訳も明記されていなかった。
この結果、社保庁経理課も作業内容を把握できず、両社に明細を問い合わせることもないまま、106億円分の支払いに応じていたという。
会計法は、公費支出について官公庁側に厳格な審査を義務づけており、契約書に含まれていない作業などの支出が生じれば、契約の変更や再度の見積もりなどを行わなければならない。しかし社保庁はこうした会計手続きを怠っていた。
同システムの財源には、厚生年金と国民年金の保険料収入があてられている。特別会計からの支出であるため、新規契約以外は財務省の予算審査もなく、何にいくら使うかは社保庁の裁量に委ねられてきた。
同庁運営部は「刷新可能性調査の結果に驚いている」と話す一方、「業者の料金請求の仕方が不適切だった可能性があり、調査している。会計法に反するかどうかは、現段階では答えられない」としている。
NTTデータ広報室は「契約外と指摘された業務については、社保庁側も承知していた」、日立製作所広報部は「業務はすべて契約に基づいて行っている」と、それぞれ回答している。
◆刷新可能性調査=政府が昨年7月にまとめた「電子政府構築計画」に盛り込まれた調査で、各府省庁が設置するコンピューターシステムについて、支出の妥当性などを調べる。対象は、年間経費が10億円を超え、業者との随意契約が続いてきた36のシステム。来年度末までに、どのようなシステムを構築すべきかをまとめることになっている。
(2004/11/29/03:54 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20041129i202.htm