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郵政事業の民営化に向けた作業が本格化している。9月10日に閣議決定した基本方針に基づいた全閣僚による郵政民営化推進本部が発足、今年春に設置された有識者会議も郵政民営化担当相の助言機関に格上げされた。07年4月からの民営化がシステム面で可能かどうか判断する検討会議も動き出した。
郵政改革を当面最大の課題と位置付けている小泉純一郎首相は、臨時国会でも「自分でなければできない改革」「これで日本は変わる」など、相変わらず強気の姿勢である。
それに対して、自民党内の民営化への抵抗は依然として強いようにみえる。郵政改革に関する特命委員会に代わり設置された郵政関係3部会の合同部会では、基本方針は認めないという発言も出ており、来年3月の法案提出までに曲折は避けられない。
ただ、真正面から対立しているように見える小泉首相と抵抗勢力も、事態の進み方を見る限り、かなり歩み寄っているのが実態だ。言い換えれば、郵政民営化を巡る論点はますますぼやけてきた。同時に、何のための改革なのかますますわからなくなっている。
竹中平蔵担当相は経済財政諮問会議が郵政民営化の基本方針作りに携わることが決まった昨年10月、雇用などに配慮することを表明した。年明けには郵政事業民営化後の機能を郵便、郵便貯金、郵便保険、窓口ネットワークの四つに整理した。また、基本方針は民営化後のみならず、それに至る準備期間にも、体質強化のため幅広い事業展開を認めている。
雇用などへの配慮は、現在の27万人という公社の常勤職員の削減は自然減で行うということだ。民営化後の雇用問題は基本的に個別会社の経営判断が建前だ。
しかし、民営化の最終的な姿でも持ち株会社は窓口会社と郵便会社の株式をすべて保有する上、国は持ち株会社の株式の3分の1以上を持つ。郵便事業の全国一律サービスを維持していく観点からも、大胆な雇用調整はやらないとみられる。
身分的にも窓口会社、郵便会社の社員には民事訴訟法で公務員が扱わなければならないとされる訴訟関係文書の扱いにかかわるため、みなし公務員規定を適用する方向だ。
郵政関係議員が最も神経質になっている特定郵便局網の維持も、都市部を除けばほぼ無傷で温存されそうだ。とりわけ、過疎地では郵便の全国一律サービスを維持するため、統廃合は困難とみられる。
こうみてくると、民営化で業務面で何が変わるのか明確ではない。民間でやる利点が郵便局のコンビニ化や金融商品委託販売所になるだけでは改革とはいえない。
郵政民営化では、国債による運用が大半を占めるであろう、郵貯銀行や郵便保険会社が本当に民間金融機関として存立していくことができるのかなど、十分な議論がなされていない問題が少なくない。そのことを国民にわかりやすく示していくことこそが大事だ。
毎日新聞 2004年10月21日 0時33分
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20041021k0000m070182000c.html