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(回答先: ダイエー、UFJ銀 きょうトップ会談 (産経新聞) 投稿者 愚民党 日時 2004 年 10 月 08 日 07:12:43)
UFJ銀刑事告発
預金者への背信断罪
UFJが、ついに金融庁から告発を受けた。検査妨害にかかわった旧経営陣、幹部は既に一掃されたが、信用失墜は避けられず、不正行為の代償は大きい。旧三和銀行時代から引きずり、問題の根元となった「企業体質」を断ち切ることができるのか。預金者からの信頼回復に向け、現経営陣に課せられた責任は重い。 (経済部・東條仁史、川上義則)
■転落への軌跡
「内部管理体制に対する意識のぜい弱さが、企業風土としてあったことを反省したい」。七日、告発を受けて会見したUFJ銀行の沖原隆宗頭取は神妙な面持ちで、謝罪。企業として検査忌避を生む体質があったことを認めた。
「(旧三和銀の)成功体験に基づく過信で、国に大義なき戦いを仕掛けたのが誤りだった」。あるUFJ関係者のつぶやきは検査妨害の背景に、UFJで主導権を握る旧三和銀のたどった歴史が密接に絡むことを示す。
一九八八年に頭取に就任した渡辺滉(ひろし)氏は、七奉行と呼ばれた幹部を補佐役に登用し、スピード経営を推進。非財閥系ながら、都銀トップの利益を上げ、金融当局にも「ひるまずもの申す」攻めの企業文化を築いた時期もあった。
しかし「側近政治」が腐敗の温床となるのは歴史の必然。その後は派閥抗争が激化。巨額の融資案件に関する情報でさえ「派閥抗争の道具にされるため共有化できない」(関係者)という内部規律の乱れを招き、不良債権処理の遅れにもつながった。UFJグループの誕生後も、旧東海銀行出身者を冷遇する人事を加速。旧三和銀の「負の構造」が染みついたまま、組織ばかりが巨大化してしまった。
今回も悪化した経営実態を隠すために、重要書類を隠ぺいや改ざんした揚げ句、その行為を正当化しようとしたため金融庁の怒りを買った。銀行の検査資料隠しは、自動車のリコール隠しのように直接、生死にはかかわらない。しかし、銀行の経営実態が分からなくなってしまうため、最悪の場合、預金者から預かっているお金が焦げ付き、金融不安の拡大から経済混乱にもつながりかねない悪質な行為だ。
「当局とも筋論で対峙(たいじ)できた」(三和銀OB)という、攻めの姿勢はいつのまにか、預金者や国民への背任も恐れない独善体質に変質していた。
■信頼回復の道
UFJはどん底まで落ちた信頼を回復できるのか。
UFJの再建、信頼回復に欠かせないのが三菱東京フィナンシャル・グループとの統合策だ。
三菱東京はこの日、「すでにUFJは経営責任を明確にしている。刑事告発で統合方針が揺らぐことはない」とのコメントを発表した。UFJの不良債権処理の原資として、三菱東京は七千億円の資本支援を実施。既に資本という「血」が入っているだけに、三菱東京からすれば「ここまで来たら一蓮托生(いちれんたくしょう)」(首脳)という“覚悟”もある。
しかし、UFJの信用が急低下すれば自らのイメージダウンにも直結。いくら三菱東京が誇る内部管理の徹底ぶりを前面に出しても、新グループの統合作業にマイナスとなる懸念は消えない。UFJグループ幹部は、「相手(三菱東京)がどこまで耐えてくれるか、それが心配だ」とまゆをひそめる。UFJ獲得に意欲を燃やす三井住友フィナンシャルグループもUFJと三菱東京の間にすきま風が吹けば、その間隙(かんげき)を突く戦術に出る可能性は高い。
UFJは金融庁による業務改善命令を受け、経営を監視する業務監視委員会の独立性を抜本強化する再発防止策を公表。しかし、当初「八月中にも」としていた外部から招く委員長らの人選はまだ決まらず新委員会の発足は遅れている。
東京地検特捜部は早ければ八日にも強制捜査に踏み切るもよう。UFJが生き残れるかは自らの手で過去の「負のDNA」を根絶、信頼回復の道筋をつけられるかにかかっている。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20041008/mng_____kakushin000.shtml