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左側を歩け!!  井土紀州監督作品『レフト・アローン』(68年革命とは何か)
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投稿者 事件屋稼業 日時 2005 年 1 月 21 日 07:43:40:jmCxHJFaGntHk
 

左側を歩け!!

井土紀州監督作品『レフト・アローン』

<2/5(土)より渋谷ユーロスペースにてレイトショー決定 !!


『LEFT ALONE』登場人物紹介


松田政男(まつだ まさお)

1933年、台北生まれ。北園高校在学中の1951年に、日本共産党に入党。以後、共産党所感派に属しながら、山村工作隊などで活動し、卒業後は職業革命家となるも、1954年の総点検運動により党活動停止処分。その後、共産党神山派で活動するが、ハンガリア革命を巡って神山派分裂後は、トロツキズムに接近。60年安保後はゲバラやファノンの第三世界革命論を導入しながら、直接行動の原理を模索し、『テロルの回路』などの戦術思想論集を発表し、68年のアクティビストたちに影響を与える。また、未来社、現代思潮社、東京行動戦線、レポルト社などにかかわる一方、第二次「映画批評」を創刊し、映画評論家としても発言。風景論の中心的論客としても知られる。


西部邁(にしべ すすむ)

1939年、北海道生まれ。東京大学に入学した1958年12月に、島成郎を書記長として結成された共産主義者同盟(ブント)に加盟。以後、60年安保闘争を代表するアジテーターとなる。ブント解体後は、左翼と決別し、保守派を標榜。また、旧来の経済学を批判して経済行為の象徴的意味の解釈を指向するソシオ・エコノミックスで注目され、社会経済学の構築を目指す。マスコミでは高度大衆社会への批判を軸にした評論活動で知られ、深夜の討論番組にも度々出演。著書に『ソシオ・エコノミックス』、『六○年安保 センチメンタル・ジャーニー』、『大衆への反逆』などがある。現在は雑誌「発言者」を発行しながら、保守派の代表的論客として活躍。


柄谷行人(からたに こうじん)

1941年、兵庫県生まれ。60年安保闘争に参加し、61年、共産主義者同盟(ブント)解体後の社会主義学生同盟(社学同)再建の指導的役割を果たす。 69年に「意識と自然−漱石試論」で群像新人賞受賞。以後、文芸批評家として『マルクスその可能性の中心』、『探求』、『トランスクリティーク』などの画期的な著作で日本の言論界をリードしている。


津村喬(つむら たかし)

1948年、東京生まれ。早稲田大学1年在学中に『われらの内なる差別』を発表し、全共闘運動に「差別論」というかたちで、初めてマイノリティ問題(在日朝鮮人・中国人などの差別問題)を導入する。78年、ロッキード事件の際には「週間ピーナッツ」を発刊して、権力の腐敗を告発した。近年は気功や食などに関心領域を広げて活躍している。父は総評初代事務局長の高野実である。


鎌田哲哉(かまた てつや)

1963年、北海道生まれ。批評家。『LEFT ALONE』関係の論文に、「すが秀実は探している」(「進行中の批評」第三回、『早稲田文学』01年5月)、「西部忠への返信」(『重力02』03年3月)、「京都オフライン会議議事録・西部柄谷論争の公開」(http://www.q-project.org/、03年11月)など。現在、『重力03』(Q-NAM問題特集)を西部忠、松本圭二と準備中。


花咲政之輔(はなさき まさのすけ)

早稲田大学当局による地下サークルスペースの強制撤去に早大一号館地下管理運営委員会事務局員として反対。2001年7月31日に早大当局により、闘争への報復的措置として「構内立ち入り禁止」とされた三名のうちの一人。音楽団体「太陽肛門スパパーン」主宰として、1999年にCD『馬と人間』、2002年にCD『テロリストブッシュと人間』を発表。主として東京都内において活発にライブ活動を行うと共に、本作『LEFT ALONE』等の映画音楽も担当している。


すが秀実(すが ひでみ)

1949年、新潟県生れ。文芸評論家。「日本読書新聞」編集長、日本ジャーナリスト専門学校専任講師、フリーの文筆業などを経て、2002年より近畿大学国際人文科学研究所教授に就任(『LEFT ALONE』の撮影は、すががフリーの文筆業から近畿大学に就任が決まる前後に行なわれた)。主な著書に『複製の廃墟』、『小説的強度』(以上福武書店)、『詩的モダニティの舞台』、『探偵のクリティック』(以上思潮社)、『「超」言葉狩り宣言』、『日本近代文学の〈誕生〉』(以上太田出版)、『「帝国」の文学』(以文社)などがある。

『LEFT ALONE』関連の著書として『革命的な、あまりに革命的な』、『JUNKの逆襲』(以上作品社)があり、現在も来年1月出版予定の『思想読本・ 1968』(作品社)の監修をつとめている。

◎ナレーション

伊藤清美(いとう きよみ)


1959年北海道生まれ。上京後、学生の傍ら内田栄一を中心とする「発見の会」に参加。アルバイトで始めたヌードモデルがきっかけで愛染恭子一座の一員としてストリップデビュー。その途中、当時、大蔵映画の小川和久監督の助監督をしていた細山監督と出会い、ピンク映画女優としてデビュー。以降、本人曰く” 成り行きで”多くのピンク映画に出演。『ロリータ いけない戯れ』(監督:小川和久)『OL暴行汚す』(監督:佐藤寿保)等の代表作の他、『きらいじゃないよ』『きらいじゃないよ2』(監督:内田栄一)『三月のライオン』(監督 矢崎仁司)などのインディーズ映画でも特異な存在感を示した。また、大木裕之監督『エクスタシーの恥淫』では脚本も手がける才媛ぶりを発揮した。新宿ゴールデン街にある「銀河系」でママも務めている。

◎監督プロフィール

井土紀州(いづち きしゅう)


1968年三重県生まれ。法政大学卒業。94年よりピンク映画を出発点としてシナリオを書き始める。その一方で、学生時代の仲間たちと自主製作映画を作りつづけている。主な脚本作品に『雷魚』(97)、『HYSTERIC』(00)、『MOON CHILD』(03)(以上、監督はすべて瀬々敬久)、『極妻仁侠道』(02/監督 成田祐介)『熊楠 KUMAGUSU』(監督 山本政志 現在撮影待機中)。TVドラマ脚本として『私立探偵 濱マイク 第3話』(02)『ダムドファイル』(03)第17話、第20話(以上監督 萩生田宏治)、『ダムドファイル』第24話(監督 万田邦敏)。また最新作として、2005年新春公開の『YUMENO』(監督 鎌田義孝)がある。
監督作品に『第一アパート』(92)(共同監督:吉岡文平)、『百年の絶唱』(98)、『ヴェンダースの友人』(00/ヴィデオドキュメンタリー)、本作『LEFT ALONE』(04)がある。また、2003年に京都国際学生映画祭からの依頼で、中篇映画『蒼ざめたる馬』を撮影し、その勢いで2004年の夏には自主製作でその続編を撮影。『LEFT ALONE』とともにこれら劇映画の新作も公開が待たれている。


LEFT ALONE 1

プロローグ

映画全体を通じてのインタビュアーであり対談者であるスガ秀実が、2001年に早稲田大学で勃発したサークルスペース移転阻止闘争において、非常勤講師という立場にありながら学生たちと共に大学当局と闘う姿が描かれる。

ニューレフトの誕生

1950 年11月、高校2年生で日本共産党(所感派)に入党した松田政男は、極左冒険主義時代の山村工作隊などにおける非合法活動、また総点検運動での過酷な監禁・査問を経験する。その後、神山(茂夫)派で活動することになった松田は、1955年の六全協における国際派と所感派の統一、1956年のスターリン批判やハンガリー事件を衝撃的に受け止めることになる。それを契機に、日本共産党と決別し、トロツキズムからアナーキズムへ接近していく様子が一人の活動家の視点から語られる。>

花田・吉本論争

1950 年代後半から60年代初頭にかけてニューレフトの誕生と交錯する形で、花田清輝と吉本隆明は激しい論争を繰り広げた。文学者の戦争責任に端を発したこの論争は、日本共産党員である花田とニューレフトのシンパサイザーである吉本の論争であったため、旧左翼対新左翼という図式をとることになり、吉本の論理破綻や引用誤植にもかかわらず、吉本の圧倒的勝利に終わることになった。スガ秀実は、吉本の勝利を、ニューレフトが文化的ヘゲモニーを握っていく時代状況の必然的な帰結であるという。そのスガに対して、気鋭の批評家・鎌田哲哉が、当時のニューレフトが発見しえなかった大西巨人の可能性を持ち出し対峙する。スガと鎌田の言葉は激しくぶつかり加速していく。>

60年安保

アメリカの極東戦略再編と日本の経済力・軍事力復活を背景に、1958年頃から岸信介内閣によって日米安全保障条約の改定交渉が進められていた。このような政府の動きに対し様々な形で反対運動が巻き起こり空前の大衆運動へと発展していく。誕生したばかりのニューレフトは実践の坩堝に叩き込まれることになるが、全学連のヘゲモニーを握って安保闘争の中心を担うことになるのは、共産党を離れた学生たちによって結成された『共産主義者同盟』(ブント)だった。ブントを代表するアジテーターだった西部邁が、60年1月の羽田闘争の様子や盟友・唐牛健太郎のこと、安保ブントの解体、そして左翼と決別して保守の立場を標榜するに至る過程を体験的に語る。


また、60年に大学に入学し、安保を最年少のアクティヴィストとして通過した柄谷行人も、解体していくブントの様子を目の当たりにしながら、先行する活動家たちから距離をとるように、以降一人で思索の道を歩んでいった様子を語る。一方、安保と並行する形で起こっていたのが九州の三池闘争である。そのオルガナイザーであった谷川雁の自立主義と直接行動の原理を衝撃的に受け止めた松田政男は、それ以降全く独自に戦術思想の道を切り開いていくこととなる。


60年安保という激動期を生きた3人によって、それぞれの闘争と転機が語られる。>


エピローグ

早稲田の闘争で学生たちとシュプレヒコールを挙げ、今はなき東大駒場寮でのシンポジウムに参加し、法政大学の学生会館を柄谷行人と並んで歩くスガ秀実。その姿は大学再編の流れの中で破壊されていく自治空間に墓碑銘を刻んでいるようにも見える。



LEFT ALONE 2


プロローグ

暗く長い廊下をゆっくりとカメラが前進していく映像に、スガ秀実の著作『複製の廃墟』の書影が幾重にも折り重なる中、監督の井土による「なぜ今、68年革命なのか?」という問いが聞こえ、それに答える の声が続く。スガの声は次第に多重な響きを放ちつつ、ある独特の晦渋さに包まれていく。

六八年の思想と暴力

戦後の大衆社会の出現やサルトルら実存主義の登場そしてスターリン批判以後の状況は、68年におけるニューレフトの運動の中に、「経済学・哲学草稿」を中心とする初期マルクスの人間主義的な疎外論の隆盛をもたらしていた。その一方、初期マルクスの思想を再検討することでフランスのルイ・アルチュセールや廣松渉は疎外論批判の地平を切り開いていた。しかし、その疎外論批判が一般的にもニューレフト諸党派においてもまっとうに受容されることはなく、日本のジャーナリズムにおいて疎外論批判が受容されるのは、70年代半ばにおける柄谷行人の「マルクスその可能性の中心」を待たねばならなかった。その柄谷が、68年の思想状況を振り返り、廣松やアルチュセールらの諸思想と相克する形で自身の思索を深めていった過程を語る。
同じ頃、戦術思想の領域を模索し、直接行動の道へと突き進みつつあった松田政男は、それまでの活動の延長線上に、ゲバラやファノンの第三世界論を導入する。松田はその立場から、スガの言う「68年革命」を、第三世界的な総反乱が西欧資本主義によって沈静化させられてしまった実質的な反革命とする見解を表明し、自身の意識の最深部に潜む暴力の問題を提示する。

映画は再び柄谷とスガの対話に戻り、暴力という問題を巡って二人の言葉の応酬が続く。

68年を批評家として通過した柄谷行人と、あくまで活動家として通過した松田政男。その思想と暴力における対立点はスガ秀実という鏡を通して、全く異なった様相を呈していく。

マイノリティー問題の視点


津村喬を理論的支柱とするノンセクトの活動家たちによって取り組まれていた在日朝鮮人・中国人等に対する反差別闘争は、1970年7月7日の日比谷野音における華僑青年闘争委員会による既成ニューレフトへの告発によって運動の状況を一変させた。
滋賀県草津にある津村喬の自宅を訪ねたスガ秀実は、津村に対し、当時、一人の活動家として、7・7集会から決定的な衝撃を受けたことを打ち明ける。津村は、自分がそのマイノリティー的視点を持つに至った経緯を、自身の学生時代における中国滞在での体験をもとに語る。さらに、当時の反差別闘争が代行主義に陥ってしまった点について二人は議論を重ねていくことになる。

毛沢東と身体性

津村は毛沢東主義の新たな可能性を引き出した日本における唯一人の人物だった、とスガはいう。それに対して、津村は毛沢東の「活学活用」という言葉をあげて、当時の自らの姿勢を説明する。

毛沢東の死と文革の終焉の後、津村喬はジャーナリズムでの筆を折り、身体性に対する問題意識から気孔や太極拳の方へシフトしていくことになった。スガは、その津村の立場を、オウム真理教の麻原と比較し、やがて二人の対話はオウム真理教や超能力を巡るものになっていく。

大学再編と自治空間の解体

1部冒頭で描かれた、2001年7月31日の早稲田大学サークルスペース移転阻止闘争から2年の月日が流れた。スガ秀実は、その早稲田闘争の当事者の一人である花咲政之輔とともに久しぶりに早稲田を訪れ、その総括をめぐって討議する。
現在もビラ撒きや集会の開催という形で闘争を継続する花咲に対し、現在の大学再編における自治空間や自治組織の解体を受動的革命の一端と位置づける_秀実。一方、花咲は、大学の外では反戦平和を叫ぶ大学教員が学内では闘争破壊の先兵となっている事実から、カルチュラルレフトの問題を指摘し、その批判の矛先はスガ秀実にまで向けられることになる。

ニューレフトの行方

ニューレフト運動の失速と交錯するかたちで70年代半ばから「68年の思想」とも言うべきポスト構造主義が、日本においても受容され始める。その転回点をより明確にするため、スガ秀実は、津村喬に対し蓮実重彦という人物を対置してみせる。
津村は、その頃に起こった現象を、体制への反逆として生々しく生起していたものが知的に整理されていく過程だったと指摘する。

再び、映画は花咲とスガの対話に戻り、津村が持ちえていた実践性が70年代半ば以降、ジャーナリズムや大学において知に席巻されていったことについて激しく議論が交わされる。

エピローグ

花咲との対話を終え、一人早稲田の裏通りを歩くスガ秀実。その後姿に、あくまでも深刻になることなく、彼方に向かって糞を転がしつづけるスカラベサクレのアニメーションが重ねられ、映画は終わる。




「68年革命」とは何か。批評家・すが秀実が、松田政男、
西部邁、柄谷行人、津村喬、花咲政之輔、鎌田哲哉と対話を
重ねる『LEFT ALONE(レフト・アローン)』刊行間近!
イベントも続々決定!

『LEFT ALONE』関連リンク

■映画『LEFT ALONE』の公式HP
http://www.leftalone.biz

■配給会社スローラーナーのHP
http://www.slowlearner.co.jp/

■サウンドトラックを担当した太陽肛門スパパーンの公式HP
http://members.at.infoseek.co.jp/hanasaki0114/index-5.htm

■アップリンク・ファクトリーのHP
http://www.uplink.co.jp/factory/

■アンダーグラウンド・ブック・カフェ番外編の公式HP
http://underg.cocolog-nifty.com/tikasitu/

■オリジナルサウンドトラック『レフト・アローン』をリリースしているいぬん堂のHP
"http://www.inundow.com/

■『重力02』の発行をしている「重力」編集会議の公式HP
"http://www.juryoku.org/

■『思想読本 1968』『革命的な、あまりに革命的な』を出版する作品社のHP
http://www.tssplaza.co.jp/sakuhinsha/


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● 『LEFT ALONE』関連イベント紹介

● 『LEFT ALONE』関連リンク

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