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国家再生を阻む自民党内改憲抵抗勢力を撃つ(1)
http://www.sankei.co.jp/pr/seiron/koukoku/2004/0405/ronbun2-1.html
元スタンフォード大学フーバー研究所上級研究員 片岡鉄哉
護憲のアウトソーシング
安倍晋三先生
先生にはお会いしたことはありませんが、非常に重要な案件について是非とも先生を説得したいという思いに駆られて筆をとりました。
先生はもしかすると『さらば吉田茂』という小著をお読みいただいたことがあるのではないかと思っております。あの本では岸信介を再評価する修正主義の先鞭をつけたことを私は誇りに思っています。当時、岸先生は既に他界されており、安倍先生の母堂に数回お会いして話を聞いたり、文献を頂いたりしたことを懐かしく思い出します。更に、小著の巻頭で岸先生と鳩山一郎先生に献本の辞を入れてあります。岸信介は偉大な男でした。今の日本に彼のような経綸の士がいたらと思うと残念でなりません。
ここで非常に重要な案件と称するのは、他でもない小泉総理の靖国神社参拝にまつわることです。先ず、中国のウェブサイト、「人民網」(二〇〇四年一月十日)にでた二枚の写真です。解説は「海南省のあるホテルに〇四年一月八日午前、日本のA級戦犯である東条英機が中国の人々に跪いて謝罪する彫刻が登場し、市民の注目を集めている。彫刻は、ホテル側が『現代の若者が歴史を忘れず、中華民族の再興という使命を担っていくように』との願いを込めて特注したものという」とあります。
もう一つ指摘したいのは、公明党の神崎武法の訪中に関することです。彼が三月十三日に人民大会堂で前外相唐家●(●=王へんに旋)と会談するところをテレビで放送しました。唐家●(●=王へんに旋)は日中国交の正常化を妨げているのは小泉総理であり、靖国神社参拝であると言明しました。そして総理が参拝を断念すれば、新幹線を日本に発注することについて前向きに検討する用意があるというのです。
二つの事件は、共に私にとって最大限の侮辱でした。私は深く恥辱を感じると同時に、このような事態をもたらすべく画策してきた日本人に対して深い憎悪の念を覚えるのです。そうなのです。この二つの事件は日本側で書いたシナリオに従って演出されたのです。
両事件は小泉総理の靖国参拝を阻止しようとする陰謀の一端です。話を判りやすくするために、事の発端から始めましょう。
「自社なれあい」という言葉があります。金丸信が国対委員長だった頃に最高潮に達したようですが、実はあれは吉田茂が自由党の時代に始めたものです。彼は社会党も平和主義も大嫌いでしたが、アメリカの再軍備圧力を撃退するために社会党を使い始めたのです。そうすることで自分自身は親米の立場をとったわけです。社会党は反米護憲の盾として機能したのです。これを護憲機能のアウトソーシングと呼びましょう。
ところが自民党には、憲法を超越し、正面から挑戦するサムライがいました。中曽根康弘や小沢一郎が好例です。彼等のような改憲論者は、憲法も社会党も怖くないわけです。ご存知のように、自民党は憲法を護持することで政権を守る政党ですから、改憲論者が一番の敵です。そこで社会党よりももっと強力な勢力に護憲の機能をアウトソースする必要が生まれたのです。
その第一回目が鈴木善幸内閣の時に起きた教科書騒動でした。日本の新聞の誤報が発端となって、渡部昇一氏がいう「万犬虚に吠ゆ」という事態になり、そこへ中国と韓国がつけこんで抗議をしました。そうしたら鈴木内閣の官房長官である宮沢喜一が「近隣諸国条項」というのをつくって宥和したのです。これに味をしめた中国は、その後、中曽根総理の靖国神社参拝に反対介入しました。次が「慰安婦問題」です。
護憲のアウトソーシングは大当たりでした。社会党は自社馴れ合いの毒にあたって弱体化していたので、中韓両国は憲法擁護への強力な援軍になったのです。
国家再生を阻む自民党内改憲抵抗勢力を撃つ(2)
http://www.sankei.co.jp/pr/seiron/koukoku/2004/0405/ronbun2-2.html
元スタンフォード大学フーバー研究所上級研究員 片岡鉄哉
改憲「抵抗勢力」のやり口
そこへ〇一年春に小泉純一郎代議士による自民党総裁選への挑戦が来ました。彼は最初の総裁選で小渕恵三に負けて、二度目の挑戦でしたから、最大限の選挙公約を打ち出したわけです。曰く「自民党をぶっ壊す」。曰く「憲法改正」。曰く「政界再編成」。曰く「聖域なき構造改革」。そして終戦記念日に靖国神社に参拝すると約束したのです。しかし自民党を芯から揺さぶったのは、彼が総裁選に勝ち、総理に就任し、九〇パーセントに近い支持率を勝ちとったことでした。
自民党は風前のともし火といった感じでした。青木幹雄は「コップの中の嵐はコップの中に治めなければならない」などとぼやいていました。ここで自民党の司令塔の中にいる誰かが、それまで使ったことのない劇薬を使って小泉退治を図ったのです。
これまで中国が日本の総理の靖国参拝に反対した時には、「A級戦犯」が祭られているからということを理由にしたことはありました。しかし日本側から、中国に対して「A級戦犯」に参拝することは犯罪を是認することになるから、参拝を攻撃してくれと依頼したことは無かったと思います。これが劇薬です。
抵抗勢力がどのようにして劇薬を使うのかを実際に見せてくれたのは、驚くべきことにニューヨークタイムズ(以下タイムズ)の論説でした。日付は〇一年七月三十一日であり、小泉総理が靖国神社に参拝すると公約した八月十五日の二週間前のことです。ここでタイムズは総理の靖国参拝に反対介入したのです。
「日本の新しい政治のスター」という題で総理を持ち上げながらタイムズは言いました。「そのくだけたマナーといい、大きなエネルギーと野心ある公約といい、小泉純一郎総理は戦後日本の鈍感なリーダー達とは歴然たるコントラストである。…彼の前任者の殆どは当たり障りのない自民党古参で、派閥の長老に従順であり、強力な利権に逆らうような政策を提案しなかった」
だが、「遺憾なことに彼は経済近代化の課題を、日本のナショナリズムへの郷愁と結びつけた。例えば、彼は憲法による戦争禁止に止めをさすことに賛成である。賢明にも彼は靖国神社に参拝する計画を再考すると言っている。…この神社には第二次大戦後に戦争犯罪で断罪処刑された、東条英機首相を含めた数人が祭られている。靖国に参拝することは韓国や中国の隣人を警戒させる先鋭なナショナリズムを意味する」。「小泉氏はナショナリズムに火をつけるために職権を使うよりは、派閥のリーダー達を経済改革の方に引っ張るように、政治力を行使するべきだろう」
タイムズは論説前段で自民党をこき下ろしています。この新聞はアメリカの民主党を支持し、リベラリズムの旗手として自他共に許しています。特に「失われた十年」以来、自民党を毛虫のように忌み嫌ってきました。これは前段からはっきり読み取れます。それが結論に至るや急転直下、前後のつじつまを無視して、現状維持で結構だというのです。
自民党は、政治改革を避けて経済改革だけに専念しなさい。派閥の間に波風をたてないで、誰もが合意できる範囲内で進みなさいというのです。
これこそが抵抗勢力の先送り処方箋ではないですか。この論説は抵抗勢力がタイムズに書かせたものです。そもそも、このような内政干渉は、干渉する側とされる側の双方にまたがる緊密なパートナーシップが絶対必要なのです。さもなければ、一編の論説で他国を動かしたりできない。最低の条件として、日本側に土地勘のある頭脳が存在し、タイムズの論説委員会を動かせるだけの政治力が前提となります。そして両者の間に、殆ど秒読みの提携が要ります。
七月三十一日付の論説はどうして書かれたのか。読売新聞によると、自民党の山崎拓幹事長は三十一日、党本部で中国の武大偉駐日大使と会談し、総理の参拝を八月十三日に前倒しする案で妥協を探っています。これにはYKKのメンバーである他の代議士も参画しています。
論説が、総理は「靖国神社に参拝する計画を再考すると言っている」と指摘するのは、山崎・武大偉の合意を指します。これが日本時間で三十一日に浮上しました。この時点から米国時間で三十一日付の新聞に論説を出すには、まる一日はない。時差は十三時間です。しかし山崎・武大偉の合意から半日で結果を出し、日本を動かしたというのはプロであるといえるでしょう。
大事なことは、政治家小泉についての日本側の土地勘です。アメリカの大新聞が日本の総理大臣に正面きって反対介入すれば、開き直って逆手をとられる恐れがあった。なにせ「変人」です。憲法だけでは歯がたたない。劇薬が要る。総理には弱点はないのか。いや、大きいのが一つあった。外交を知らないことです。タイムズが中国と韓国の反日ナショナリズムに火をつけて恫喝したら引っ込むだろう、という読みがあったのです。
私が許せないのは、日本人である自民党領袖が、東条英機を「A級戦犯」として中韓両国に売りに出したことです。日本人が日本人を戦犯として糾弾することについて、彼は良心の呵責を感じたのでしょう。自分でやらないで、タイムズという外国の新聞にアウトソースしたのです。
北京政府がタイムズ論説の背後に自民党の領袖があったことを知っていたのか否かは判りません。恐らく感づいていたと思われます。ともかく合衆国の旗艦新聞が「A級戦犯東条英機」を叩くことにお墨付きを出し、それが「日本のナショナリズム」を抑止すると請合ってくれたのですから、何の遠慮も要らないわけです。これが冒頭に掲載した海南島ホテルの銅像となって出てくるわけです。
あの写真を見た時に、私は冷たい怒りが沸々と湧きあがるのを抑えることができませんでした。後述するように、ブッシュ大統領は〇二年二月の訪日の際に、靖国に一緒に参拝しようと小泉総理を誘うことになりますが、これは共和党右派にある伝統として、戦争を犯罪視することを嫌悪するからです。私に許せないのは日本人が、同胞に「A級戦犯」の烙印を押して、中国や韓国に売りに出したことです。これはわれわれ日本人の全てに対する侮辱でしょう。最近、中国の侮日が盛り上がった理由はここにあるのです。
察するに、この領袖は戦後の日米関係に精通しているようです。実は終戦直後に近衛文麿や吉田茂が東条英機に対する訴追状を書き上げることで占領軍と協力したという史実があります。これに関してはジョン・ダワーの「敗北を抱きしめて」にかなり詳細な記述があります。
それによると、GHQとIPS(国際検察部)に提供された資料や「罪状」の大筋は近衛文麿が四五年二月に昭和天皇に提出した「近衛上奏文」と同じ内容です。戦前から戦時中にかけての日本は統制派と皇道派の「軍閥政治」に悩まされていましたが、東条英機の代表する統制派が勝利を収めることで、「北進」は放棄され「南進」、つまり真珠湾攻撃にいたる政策が裁可されたというものです。そして東条に対する訴追が立件するように、あらゆる便宜と資料が自主的に提出されたといいます。
しかし占領下の東条誹謗と昨今の「A級戦犯」誹謗とは動機がまったく異なっています。吉田と近衛が率先して実行した東条誹謗は、検察団の矛先を天皇陛下からそらすのが目的でした。巣鴨にいる本人の同意を得て、陛下のために引導をわたしたのでした。忠臣東条は喜んで罪を背負ったわけです。それにも拘わらず「平和に対する罪」の核心の部分については、彼は「世界中の国家は自衛のための戦争を開始する権利を絶対放棄するべきでない」と市ケ谷の法廷で言明しています。それに比べて、昨今の東条誹謗とは卑劣極まりないものだといえます。
国家再生を阻む自民党内改憲抵抗勢力を撃つ(3)
http://www.sankei.co.jp/pr/seiron/koukoku/2004/0405/ronbun2-3.html
元スタンフォード大学フーバー研究所上級研究員 片岡鉄哉
苛立ったアメリカ
ここで話を小泉総理とブッシュ大統領に戻します。総理は靖国参拝を「前倒し」という形で部分的に妥協しながらも、参拝の原則を守ったのです。これをブッシュ大統領は見ていました。そして翌年、〇二年二月に小泉応援のために来日しました。国会の演説では改革の推進を全面的に支持し、同時に、総理を政治的に応援するために一緒に靖国に参拝しようと持ちかけたわけです。だが、その時には既に小泉・青木派ができていたからでしょうか、総理は断ります。
そこでブッシュが明治神宮で流鏑馬を見たいというので、総理は一緒に出かけたのですが、自分は車から出るわけにはいかないと称して、大統領を一人ぼっちで参観させたわけです。その後、急激に悪化した日米関係の視点から振り返って見ると、どうしてあの時に総理が靖国に行く勇断に欠けたのか残念でなりません。
最近の日本ではネオコンが嫌いだというと大向こうに当たるらしいのですが、これは全くの感情論です。政策を無視してスタイルで人を判断するものです。私にいわせてもらえば、ネオコンも含めて共和党の右派くらい日本にとって寛大で有り難い存在はないと思います。日本と戦争をしたのは民主党のルーズベルトというウイルソン主義者です。
ブッシュ大統領が小泉総理を靖国に誘ったのは〇二年二月でしたが、殆ど同時に行った年頭教書では、北朝鮮、イラク、イランの三国を「悪の枢軸」と定義し、五月末にウエストポイント士官学校での卒業式では先制攻撃の理論を開陳することになります。ブッシュが総理を靖国に誘った時には、既に先制攻撃理論を考慮していたのです。
ブッシュが陸軍士官学校で述べたことは東条英機が東京裁判でした弁明と同じなのです。国家は自衛のための先制攻撃を放棄できないのです。大統領はそれを意識していたのです。これは共和党右派が共有する哲学です。彼らにとって戦争は世の常であり、永遠の平和は空想なのです。乱世に生きて、緊張を保つことが民族を鍛錬するというのです。
ですから共和党右派の純正保守は、戦争犯罪と呼ばれるものの中で「人道に対する罪」の追及は是認しますが、「平和に対する罪」という概念を拒絶するのです。更に、ルーズベルト大統領が日本をこの罪で断罪してしまったことに良心の呵責を感じるのです。ブッシュはヒットラーの墓地があったとしても、絶対に参拝したりしません。だが靖国には東条がいるからこそ参拝したい。彼なしでは行っても無意味なのです。
この決定は、事の重大さに鑑みてホワイトハウスの国家安全保障会議で行われたとみるべきでしょう。小泉のためにどこまで譲歩できるかを探ったギリギリの線です。実は、レーガン大統領がドイツのヘルムート・コール首相の招待でドイツのビットブルグにある軍人墓地に参拝し、最終的に米独間の矛をおさめようという企画がありました。
ところがシークレットサーヴィスが下見検分をしたら、ナチス親衛隊士官の墓があることが判り、大騒ぎとなって参拝は中止になったことがあるのです。ブッシュがタイムズの反対を無視して、靖国に行くことはかなりの綱渡りであり、危険が伴ったのです。
純正保守は更に、日本が対等の大国になって欲しいと願っています。これがチェイニー副大統領やヘンリー・キッシンジャーの日本核武装論となって現れるのです。純正保守の大統領はニクソン以来初めてです。戦後にただの二人だけです。千載一遇の好機を掴むべきです。
共和党右派は同時にエリートです。アメリカは民主主義国家ですから貴族は無いことになっていますが、英国植民地時代の伝統が今でも温存されているのです。貴族は敗者には冷淡でもあります。貧乏人の民主党が貧乏人や敗者に情け深いのと対照的です。競争して勝つ者を尊敬し、敗者を切り捨てるのが共和党の哲学です。
日本人は民主党びいきです。民主党には平和主義者、人道主義者が多く、貧乏人と貧困に大して厚いからです。しかし民主党の持つ恐ろしい一面を日本人は知らないのです。民主党には性善説を信じるセンチメンタリズムと理想主義があります。だから彼らが怒ると、剣で理想主義を実現しようとする十字軍戦争になります。日本人が嫌うネオコンとは殆どが元民主党員でリベラルの左翼だった人たちが保守に転向したのです。彼らには転向者によくある一途なところがありますが、下地はリベラルなのです。
ブッシュ政権はいつまで経っても、日本が立ち上がらないことに苛立っています。〇二年のブッシュ訪日の目的の一つだった靖国参拝が拒否されたことは、日本担当の責任者であるアーミテージ国務次官にとっての痛手でした。ホワイトハウスの圧力が高まったのでしょう。昨年暮れ、イラク派兵問題が浮上した時に彼は「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」という要求を突きつけました。
同時にフォーリンアフェアズ誌に論文を出す決定をしています。11/12月号でユージーン・マシューズ(元米外交問題評議会シニア・フェロー)は、米国政府は、自民党にとって代わる指導者として石原慎太郎東京知事との「会話」を始めるべきだなどと示唆しています。いうまでもなく、こんな圧力を公開の場でかけるというのは国際関係で異常な事態です。自民党は世界の笑いものになっているのです。私は辱めを受けました。
マシューズは靖国問題についても発言しています。「米国の高官は、日本の指導者が靖国神社に参拝したり、歴史教科書を書きかえる度にそれを批判する日本の隣人たちを抑制するべきである」というのです。これこそが、ブッシュ大統領が総理を参拝に誘ったことの目的の一つだったわけです。
その誘いを総理は蹴ったわけですから中国政府は小躍りして喜んだはずです。現状維持、つまり総理の参拝を叩く権利を確保できると思ったのでしょう。唐家(●=王へんに旋)前外相は公明党の神崎武法を北京に呼びつけて、靖国参拝を止めるならば、中国新幹線を日本に発注する件を考慮してもよいと言い渡しました。
国家再生を阻む自民党内改憲抵抗勢力を撃つ(4)
http://www.sankei.co.jp/pr/seiron/koukoku/2004/0405/ronbun2-4.html
元スタンフォード大学フーバー研究所上級研究員 片岡鉄哉
靖国参拝批判の真の狙い
ところが中国政府を驚かせたのは、総理が憲法改正の運動を始めたことでした。日本が憲法を改正したら、靖国参拝を阻止しても全く無意味です。そもそも靖国参拝を中国が問題にするのは改憲を阻止することが目的だからです。改憲は中国にとって最悪の事態です。ここに至って、中国政府は靖国に関する現状維持を断念し、靖国で譲歩することで改憲を阻止する戦術に切り替えたのです。
その証拠が中国共産党幹部・劉洪才の最近の訪日です。某新聞によると、三月八日以来、劉は三十以上の会談を精力的に続け、問題は小泉訪中であり、これは靖国問題にかかっていると言っています。古賀誠、野中広務、公明の太田昭宏幹事長代行との会談は二時間にわたり、「話題の殆どは靖国問題だった」そうです。分祀問題では「中国首脳陣は中曽根発言に相当期待している」と言います。
劉は一連の会談を踏まえて「実力者の方々は皆さん、何とかしないといけないと思っているようだ…歴史認識の共有は難しい。英国の教科書にアヘン戦争を侵略とは書いていない…歴史問題で原則は曲げないが、いいにくい話も含め、何でも議論して行きましょう」というのです。
安倍先生。アメリカの大統領が東条首相の祭ってある靖国に行きたいというのに、中国政府は分祀しろというのです。これは傲慢極まりない。この中国の覇権主義を退治する唯一つの手段は、小泉総理とブッシュ大統領の在任中に、もう一度ブッシュ訪日を実現し、大統領と総理が一緒に靖国に参拝することしかありません。
ブッシュ大統領が靖国に参拝すれば、中国の胡錦涛もそれを拒絶できないのです。たとえ拒絶したとしても、靖国参拝する日本の総理大臣は北京に登城することはならない、などという侮辱をすることは不可能になるのです。
更に、小泉総理大臣に禁足をかけながら、公明党の代表を招待するという侮日行為も不可能になります。公明党を処理するには中国政府に任せるのが一番有効でしょう。自民党が手を汚す必要はないのです。中国という毒を以って、公明党という毒を制することです。
安倍先生。どうか私の願いを聞き入れて頂きたいのです。ブッシュ氏は再選に勝つでしょう。これから五年間の在任中に訪日の機会があるでしょう。その機会をつかんで、彼と総理を靖国に参拝するように、取り計らって頂きたい。これが私の願いなのです。
安倍先生と日本の将来に栄光のあることを祈りながら筆をおきます。
平成十六年三月十八日 片岡鉄哉
(この論文についてのコメント、反論を聞かせて下さい。www.tkataoka.com)
【略歴】片岡鉄哉氏 昭和八年(一九三三年)生まれ。早稲田大学政経学部卒。シカゴ大学大学院政治学部博士課程修了。ニューヨーク州立大学助教授、筑波大学国際関係学類教授、スタンフォード大学フーバー研究所上級研究員などを歴任。主著に『日本永久占領』(講談社)『さらば吉田茂』(文藝春秋)など。
「正論」平成16年5月号