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(回答先: イラク:市民攻撃で解放軍から占領軍に 地元紙編集主幹 [毎日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2004 年 9 月 27 日 20:06:50)
【バグダッド小倉孝保】米英占領当局(CPA)からイラク暫定政府へ6月に主権が移されて、28日で3カ月になる。しかし、この間、米軍の死者数は増加し、抵抗運動は逆に強まった感すらある。イラク国民は今、何を思うのか。昨年4月9日、米軍のバグダッド侵攻とともに、市中心部のフィルドス広場でフセイン大統領像を引き倒す行動に加わったイラク人男性は、「占領は終わっていない」と現状への強い不満を代弁した。
暫定政府のアラウィ首相は今月23日、ホワイトハウスでのブッシュ米大統領との会談後、「イラクは安全になった」と述べ、米国への感謝を口にした。米大統領選を前にした“政治ショー”にバグダッド市民の一人、アリ・ファレスさん(21)は憤りを隠さない。「首相はうそつきだ。イラクの混乱は深まり、誰も米国に感謝なんかしていない」
フィルドス広場近くに住むファレスさんは、フセイン像を引き倒したあの日のことを振り返る。イラク戦争が始まった直後から、近所の友人4、5人で「米軍が来たら、像を引き倒そうとひそかに計画を練っていた」のだという。旧政権下では常に抑圧され、米軍が来れば、生活のすべてが変わると期待したからだ。
自宅からはしごを持って広場へ走った。米軍が用意していたロープを像にかけると、イラク人の多くが笑顔で集まりロープを引っ張った。約45分間。像はびくともしなかったが、米軍の協力を得ては引き倒された。
ファレスさんは「あの時、米兵はとても親切で礼儀正しかった。この人たちと一緒にやっていけると感じた」と語る。しかし、3カ月ほどしたころから、ファレスさんの心境に変化が生じる。
「米軍がイラク市民に対して銃を向けるようになった。電気、ガソリンは不足したままで、自由も民主主義もなかった。米軍は解放のためでなく、石油支配を目的に占領にやってきたのだということを知った」と語る。
像引き倒しを計画した友人はみな同様に米軍に裏切られた感情を持っているという。ファレスさんは「主権移譲後も占領は継続している。フセイン政権の方がまだましだった。この状況は来年1月の選挙後も続くだろう」と将来を悲観する。
宗教省職員だったアデル・アブファルークさん(38)も一緒にロープを引いた一人。「ロープを引くことでイラクの解放に参加したと考えた」という。
しかし、その後、「米軍はイラクのことを何にも知らない」という気持ちが強まった。米軍はイスラム教を理解せず、アラブの習慣にも無知だった。そして、米軍は治安の回復に失敗。主権移譲後は、武装勢力の攻撃でイラク人自身が犠牲になる傾向が一層、顕著になり、国民の反米感情に火をつけているという。
アブファルークさんは「町では今も、米兵の姿が目立つ。国民は占領が続いていることを知っている。米軍が撤収するとき初めて、イラクに主権が戻ってくる」と思いを口にした。
毎日新聞 2004年9月27日 19時06分
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/afro-ocea/news/20040928k0000m030027000c.html