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Baghdad Burning
バグダードバーニング by リバーベンド
... I'll meet you 'round the bend my friend, where hearts can heal and souls can mend...
友よ、私の心が失われあなたさえ見分けることができなくなったら、どうか私を偉大な文明をはぐくんだ、チグリス・ユーフラテスの胸元に連れて行って欲しい。そこで私は心を癒し、魂を再生させるでしょう。
2004年10月3日(日)
サマラ炎上・・・
はりつめた苦しい日々が続いている。軍がサマラ攻撃を繰り返すのを見、一家で避難してきた人たちやサマラ方面から来た人々の話を聞くと、戦争のあいだ感じていたやりきれない怒りがそのまま甦ってくる。死体が臥し重なるのを目にし、かつて家であった煉瓦や鉄材の下から人々が愛する者たちの亡骸を引きずりだすのを見守るのは、悪夢の中で見る恐ろしい夢のようだ。
とどめの一撃として、イラク国民は、米軍広報担当者と我がイラクの新任政策担当者が攻撃を正当化し、自分たちの言葉に心酔しきった様子で‘暴徒’だの‘テロリスト’だのとしゃべるのを、見せつけられるのだ。世界最新の軍事技術によって、毎日毎日何百人もの一般市民が虐殺されていっているという事実はないかのようにしゃべるのを。
さらに、アラウィの得意げな口上とブッシュの虚けた弁舌ではまだ足りないとばかりに、パウエルやラムズフェルドのようなやつが“精密照準攻撃”について説明するのを聞かせられるのだ。精密な攻撃っていったい何のこと? サマラのような町やバグダード外縁部のサドル・シティのようなスラムで、どうやれば精密に正確にやれるのか。攻撃されているのは、数十年を経たみすぼらしい家ばかりの、狭くて人口稠密な地域だ。サドル・シティでは、家々は建て込んでいて道は狭い。ミサイルやタンクで、いったいどうやって精密に正確にやるのか。わたしたちはアメリカの“精密兵器(スマート・ウエポン)”って何のことか体験で学んだ。占領開始からほんの数ヶ月で1万人を超えるイラク人を殺すことができるくらい手際のいい(スマートな)兵器だってことだ。
バグダードの爆音は相変わらずだ。数日前、およそ40人の子どもが爆破され、微塵にされた。子どもたちは、下水処理施設の落成式で米兵が投げ与えるキャンディを集めていたのだ(注:こんなふうにして、いつも惨事は起こっている。それだのに、わたしたちは、イラクの下水処理施設が再建されたといって祝わせられるのだ)。誰に対して、もっとも怒りを向けるべきか、わからない。軍が参列する式典で子どもたちをはしゃぎ回らせるのはいい考えだとしたばか者どもと広報担当に対してか、こどもたちを参加させた親たちに対してか。爆破を計画実行した者たちが地獄のただ中で焼かれんことを。
誰が、数々の爆破事件や車両爆弾の背後にいるのだろうか。ビン・ラディンか、ザルカウィか。もしかしたら・・・しかし、単純すぎる。そんなのできすぎだ。ビン・ラディンがワールド・トレード・センターを直撃したから、アフガニスタンが攻撃された。イラクは占領された。当初、爆破も軍に対する攻撃もすべて、即“サダム忠誠派”と“バース党支持者”のせいにされた。すべてはサダムが糸をひいている、というわけだ。サダムが捕縛されるや、“イスラム過激派”とアルカーイダの仕業ということになり、突如ザルカウィが登場してきた。ザルカウィが数ヶ月前に死んでいる、あるいはもともと存在すらしなかったということがわかったら、こんどは誰のせいにするのかしらね。誰であるにしろ、3音節以下の名前の持ち主に決まっている。それ以上長くちゃ、ブッシュが発音できないでしょ。
1週間前、バグダード、アーダミヤ地区で、イラク治安部隊に4人の男がつかまった。わたしの知るかぎり、テレビでもインターネットでも報道されなかった。わたしたちは、全貌を知るある友人から聞いて知ったのだ。4人の男は、住宅地で爆薬を仕掛けようとしていたところを住民に発見された。一人は逃げ、一人はその場で殺され、二人は拘束され尋問された。連中はバドル(ファイラク・バドル)旅団、つまりイラク・イスラム革命最高評議会の民兵組織の一員だと判明した。もし、犯人たちが逃げおおせて、爆薬が爆発していたら、ザルカウィの仕業ということになっていたかしら? そのとおり。
イタリア人人質の人たちが解放されて、心からほっとした。そして、まだいわれなく捕らわれている人々も解放されますようにと願っている。イラク人の誘拐が続いていて、もう何千人にもなる。帰された人もいるけれど、殺された人もいる。それでも、大勢の外国人が誘拐されているのを知るのは、つらい。家に招いたお客様が近所の猛犬に噛みつかれるようなものだ。自分はどうしようもなかったとわかっていても、責任を感じてしまうのだ。
でも、ケネス・ビグリーの解放交渉に、イスラム・グループがロンドンからやってきたとき、わたしはそれほど同情してはいなかった。彼が生きて帰されることを本気で願ってはいた。しかし、ファルージャやサマラやサドル・シティやそのほか多くの場所が爆撃されているというときに、多数あるイスラム・グループはいったい何をしているのだろうか。月に何百人というイラク人が死んでいっているときに、どうしてたった一人の英国人に係(かかずら)うのだろう。どうして、外国人がロンドンやワシントンやニューヨークで爆弾を爆発させたら、‘テロ’なのだろう。外国人がなんら問題のないイラクの町々を爆撃すれば、‘解放’とか‘作戦’なのに。わたしたちは、それほどまでにどうでもいい存在なのか。
リバーによって掲示 午後8時3分
(翻訳 池田真里)
http://www.geocities.jp/riverbendblog/