現在地 HOME > 掲示板 > 戦争60 > 1118.html ★阿修羅♪ |
|
Tweet |
(回答先: 防衛懇が提言 日米同盟強化、安保と整合性課題 (産経新聞) 投稿者 愚民党 日時 2004 年 10 月 05 日 09:26:51)
安保懇報告書 侵される『戦後の聖域』
着々と日米一体化
小泉純一郎首相の諮問機関「安全保障と防衛力に関する懇談会」が四日にまとめた報告書。冷戦時代からの防衛政策の抜本的な転換を求めたのが特徴で、武器輸出の部分解禁や日米安保の再定義など、平和憲法の下で堅持されてきた「聖域」を侵す提言が目立つ。米戦略への関与を深める小泉政権の安全保障政策を色濃く反映したものともいえる。 (政治部・清水孝幸、梶雅一)
■なし崩し
「武器禁輸については、再検討されなければならない。少なくとも同盟国たる米国との間で、武器禁輸を緩和すべきだ。相手方(国)や対象となる武器・技術の範囲などの武器輸出管理の在り方については、政府で検討すべきである」
報告書では、一切の武器輸出を禁じてきた武器輸出三原則について、米国向けの輸出を解禁したうえ、他国向けの輸出も検討すべきだと提言している。
政府は昨年十二月、ミサイル防衛(MD)システムの導入を決定。日米両国が共同開発しているMD用の部品が将来、米国に輸出されると三原則に抵触するため、見直しが必要となった。
政府は、米国向けのMD部品を輸出するケースを「例外」とするのではなく、一定の範囲内で輸出条件を緩和し、部分解禁することを検討。提言は、それに沿う内容となった。
「まず日米安保に資するものに風穴を開け、最終的には他国との共同開発・生産体制に移行したい」
防衛庁内からは、なし崩し的に解禁していきたいとの本音も漏れる。提言が、武器輸出の全面解禁に道を開く一歩となる恐れがある。
■同盟強化
「時代に適合した新たな『日米安保共同宣言』や、新たな『日米防衛協力のための指針』を策定すべきである」
報告書では、日米同盟の強化を目指し、日米安保の再定義を求めた。
安保再定義は、在日米軍再編の議論の中で浮上してきた。米側は陸軍第一軍団司令部(米ワシントン州)のキャンプ座間(神奈川県)への移転などを打診しており、在日米軍基地を「不安定の弧」と呼ばれる北東アジアから中東までの地域全体の軍事的拠点とする構想を描いている。
しかし、安保条約第六条は、米軍が日本国内の施設を利用する条件を「極東の平和と安全の維持に寄与する」と規定。極東の範囲は政府見解で、「おおむねフィリピン以北」としているため、このままでは整合性が取れない。
とはいえ、安保条約を改定することは困難で、新たな指針などをつくることによって、日米同盟の位置づけを世界規模の協力関係にまで格上げしようというのだ。
首相は自衛隊のイラク多国籍軍への参加など、「世界の中の日米同盟」を目指してきた。提言はこの延長線上にあり、日米一体化を強めるのは明らかだ。
■タブー
「(自衛隊は海外で)実績のある人道復興支援と後方支援を中心とする活動を展開していくのか、それとも治安維持のための警察的活動の実施をも視野に入れるのか、政府で十分検討すべきである」
報告書では、自衛隊の海外活動について、法律的な位置付けを「付随的任務」から「本来任務」に格上げするなど、自衛隊の海外派遣路線の拡大を鮮明に打ち出した。
海外での治安維持活動などは武力行使につながりかねず、政府解釈で違憲とされる集団的自衛権の行使に抵触する可能性が高い。タブー視されてきた分野だけに、提言には自衛隊の海外活動を新たな段階に進めたいという強い意志がうかがえる。
また、報告書では、自衛隊の海外派遣について「一般法(恒久法)の整備を検討すべきである」と提言。政府はテロ特措法、イラク特措法という時限立法をつくって対応してきたが、恒久法ができれば、どこへでも迅速に送り込むことが可能になる。
一連の提言は、小泉政権が力を入れる自衛隊の海外活動に対し、歯止めを外す内容。だが、領土の防衛に専念する「専守防衛」や憲法との整合性については、未整理のままだ。
報告書では本来、議論の対象でない憲法問題を「付言」で取り上げ、集団的自衛権の行使に関する議論を早期に「整理」するよう求めた。自衛隊の海外派遣拡大の危うさを補う帳尻合わせにも見える。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kakushin/20041005/mng_____kakushin000.shtml