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(回答先: Re: 沖縄タイムズ号外・米F15空中接触/訓練中に主・尾翼破損 投稿者 木田貴常 日時 2004 年 10 月 04 日 17:47:56)
防衛懇が提言 日米同盟強化、安保と整合性課題
武器輸出解禁、自民提言と隔たり
四月から十三回にわたり議論を重ねた「安全保障と防衛力に関する懇談会」が四日に答申した報告書は、総じて「防衛庁・自衛隊の考えが十分に反映された」(同庁幹部)ものとなった。ただ、武器輸出三原則の大幅な緩和や日米同盟の拡大などに関しては、政府・与党内の議論は不十分であるだけに、新たな「防衛計画の大綱」にどの程度反映されるのか注目される。
≪武器輸出三原則≫
ミサイル防衛(MD)の共同開発との関連で問題となっている武器輸出三原則をめぐって報告書は「少なくとも米国との間で武器禁輸を緩和」することを提言している。
議論の過程では、財界に「国益に沿った形」での全面解禁を要求する意見があることを踏まえ、委員からは「米国以外についても輸出を解禁し、武器の共同開発に踏み込むべきだ」との見解が出された。これに対し、欧州共同体(EU)各国が中国への武器輸出解禁を検討していることを例に、米国以外にも輸出を解禁すれば、「第三者移転に関する枠組みの構築が困難な中で、(輸出された武器などが)回り回って日本に突きつけられて脅威となりかねない」との反対論もあって、意見は分かれた。
最終的に、米国以外の国・地域への輸出解禁については政府の判断に委ねることになったが、自民党国防部会は「テロ支援国など以外への輸出解禁」との提言をまとめており、隔たりは大きい。
≪米軍再編問題≫
四日の会議で、委員の一人が「国際協力が重要だが、実効性のあるものにするためにも日米同盟の役割が大事だ」と総括したように、日米同盟強化はテロなど「新たな脅威」に対抗する重要な柱と位置付けられている。
報告書では、中東から北東アジアにかけた「不安定の弧」と呼ばれる地域で、日米の「幅広い協力」が重要だとの認識が強調され、日米間の新たな役割分担を視野に入れた「新日米安保共同宣言」「新日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)の策定を求めた。
だが「不安定の弧」での恒常的な日米協力を確立すれば、在日米軍基地を基本的に「極東の平和・安全のために使用」と規定している日米安保条約との整合性が問題となる。
在日米軍の再編協議に絡み、外務省筋は「日米安保条約六条は憲法と同様に重いものだ」と述べるなど、同省は日米同盟の拡大に必ずしも肯定的ではない。細田博之官房長官は四日午後の記者会見で、新安保宣言策定などは「これからの問題だ」と整理したが、報告書が提起した問題をめぐり今後、議論が深まることが期待される。
≪対中脅威の議論≫
報告書は「非国家主体からの脅威」が強調されたため、北朝鮮の弾道ミサイルについては、「日本にとって直接の脅威となりうる」などと触れられたのみだ。
一方、軍事力の増強が著しい中国についても、当初は懇談会では取り上げない予定だったが、今春から中国の海洋調査船が東シナ海で頻繁に違法な調査活動を行っていることから、委員の一人が「対中脅威についても議論すべきだ」と主張し、議題に上った。
最終的には「台湾海峡両岸の間で軍事衝突が起こる可能性も否定できない」と、「中国に警戒感を与えない程度」(政府筋)に触れるにとどまり、外交的配慮がうかがえる形となった。
◇
≪安全保障と防衛力に関する懇談会メンバー≫
荒木浩東京電力顧問(座長)▽張富士夫トヨタ自動車社長(座長代理)▽五百旗頭(いおきべ)真神戸大教授▽佐藤謙元防衛事務次官▽田中明彦東大東洋文化研究所教授▽西元徹也元統合幕僚会議議長▽樋渡由美上智大教授▽古川貞二郎元官房副長官▽柳井俊二前駐米大使▽山崎正和東亜大学長
◇
≪「冷戦」から「新たな脅威」 戦車・P3Cは削減/「軍事革命」推進 自衛隊は?≫
「安全保障と防衛力に関する懇談会」の報告書が打ち出した「多機能弾力的防衛力」構想は、9・11(米中枢同時テロ)以後の安全保障環境の激変に対応するため、冷戦当時からの防衛政策を抜本的に見直すものだ。防衛庁の「防衛力のあり方検討」とも「方向性を同じくする内容」(防衛庁幹部)であり、「新たな防衛計画の大綱」の策定を経て、「機能する自衛隊」への再編が加速されていくことになる。
報告書は、「本格的な武力侵攻の脅威は当分の間存在しない」との情勢認識から、戦車や戦闘機など正面装備の「思い切った縮減」を打ち出す一方、テロなど「新たな脅威」に対処するための情報、装備、組織の強化を提言している。具体的には、陸海空三自衛隊は「中央組織」(統合幕僚監部)を設け、統合運用(作戦)の原則へ転換。ミサイル防衛(MD)の整備を進め、衛星、電波情報など情報収集活動を強化し、「軍事革命」(RMA)を踏まえ装備編成の更新をはかる。
陸自は、旧ソ連軍の侵攻をにらんだ対機甲戦を見直し戦車や特科(大砲など)を削減する一方、「新たな脅威」に備え重要施設を守る普通科(歩兵)を増強する。核・生物・化学兵器に対処する防護部隊も創設する。
国際協力では、国連平和維持活動(PKO)センターを設け隊員を常時教育し、一−三カ月での派遣が可能となるよう体制を整える。
海自は、旧ソ連海軍に備えた対潜水艦戦重視を転換し、こうした観点から対潜哨戒機P3Cを削減する。そして、重点を武装工作船への対処や弾道ミサイルの監視、対応へと移す。護衛艦も削減し、乗組員の充足率を高めて練度を上げる。
空自は、戦闘機と偵察機を削減し、MDのためパトリオット部隊の整備を進める。国際協力任務に備え、輸送機部隊を拡充するほか、無人偵察機の導入を進める方針だ。
http://www.sankei.co.jp/news/morning/05pol001.htm