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(回答先: スーダンの難民165万人 アラブ系民兵の住民襲撃続く [朝日新聞]【人道を御旗に制裁や軍事介入を“唆す”ような記事】 投稿者 あっしら 日時 2004 年 10 月 03 日 02:19:56)
チャドとの国境に接する西ダルフール州スリアの避難民キャンプ。ワラでつくった粗末なテントに、約8000人が暮らす。キャンプに隣接するコンクリート製平屋建ての診療所の病室に、右足に重傷を負ったアブカル・アリさん(40)がいた。
9月22日午後10時ごろ、キャンプから数十キロの村にあるアリさん宅に、数発の銃弾が撃ち込まれた。一緒にいた妹2人が死亡、アリさんといとこの少女2人が足などにけがをしたという。
村の周辺では、昨年夏ごろからジャンジャウィードによる襲撃が激しくなったという。「スーダン政府は治安が回復したと言うが、何も変わっていない」と嘆いた。
国連によると、軍と反政府勢力との衝突は沈静化しているが、住民への襲撃事件の報告は続いている。危険を避けて国内の別の場所に移り住んだ避難民は145万人、隣国チャドに逃げた難民は20万人にのぼる。これまでの死者は約5万人になるという。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は約3カ月前、西ダルフール州の州都エルジェネイナに拠点事務所を開いた。イラク難民向けにヨルダンに備蓄していたテント用のビニールシート2万枚と毛布4万枚を、ダルフール支援に振り替えるなどして、対応を急いでいる。
エルジェネイナ近郊のキャンプに9カ月前から住むヌスラ・スレイマン・ハッカーさん(40)は、どんぶり鉢ほどの食器に入ったトウモロコシの粉を見せ、「8人家族で食べる物がこれしかない」と訴えた。毎日、たきぎを拾い集めて街で売り、わずかな食料を買う。
最近は、避難民がとりすぎたためにキャンプ周辺のたきぎが減り、遠くまで足を運ぶ。キャンプから離れた場所では、何者かに襲われる女性も多い。「最近も少女がレイプされた。その子は今日も母親とたきぎを拾いに行った」とハッカーさんは話した。
暑さの中で、水と食べ物の配給だけを待つ生活に、避難民はいら立ちを募らせている。
約1万2000人が暮らすチャド・ファルシャナの難民キャンプでは7月、植樹の指導に取り組む日本の非政府組織「緑のサヘル」のチャド人スタッフが難民に石や木の棒で殴られ、大けがをした。難民と、チャド人住民との間のいざこざも絶えない。
チャドではUNHCRが約1年前から支援活動を始め、9月末現在で10カ所の難民キャンプを開設した。テントが、決められた区画に整然と並び、給水タンクも備え付けられていた。
これと比べて、ダルフール側の避難民たちは、枯れ木や布を使った手作りのテントで暮らす。この違いは、UNHCRが、迫害を恐れて国外に逃げた難民の保護を本来の任務とするからだ。ダルフール地方で武力衝突や住民襲撃が続いていることも、活動を妨げる要因になった。
◇
<ルベルス・国連難民高等弁務官の話> ダルフールでは、いまも数多くの出来事が起きている。ただ、スーダン政府が暫定的な停戦合意を維持し、暴力を終結させようとしていることが現場で確認できた。3、4カ月前に比べて、援助団体から避難民への接触はしやすくなっている。
首都ハルツームで副大統領らと会談したところ、すでに19万人の避難民が自分の意思で元の居住地に戻ったと聞かされた。また、UNHCRによる避難民の保護活動を拡大し、故郷への帰還を支援するよう要請された。
暴力を受けた人が、自分で当局などに通報し、保護を受けられる状況を作ることが大切だと思っている。政府の治安維持能力が信頼できるものでなければ、難民や避難民は帰還できない。ダルフールで停戦を監視しているアフリカ連合にも協力してもらうつもりだ。
◇
<スーダン西部内戦> ダルフール地方で03年2月、中央政府の干渉に反発する黒人勢力の「正義と平等運動」(JEM)と「スーダン解放軍」(SLA)が武装蜂起。政府から武器を提供されたアラブ系民兵「ジャンジャウィード」(アラビア語で「武装して馬に乗った人々」)が黒人住民への襲撃を繰り返しているとされる。
反政府勢力は一時的な停戦に合意し、アフリカ連合(AU)は7月、停戦監視団と監視団を警護する300人の部隊を派遣。また、仏軍もダルフール地方に接するチャド東部に部隊を配備し、国境地帯を監視している。
(10/03 14:42)
http://www.asahi.com/international/update/1003/005.html