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(回答先: Re: 宿敵ふたりの写真がありました 投稿者 木田貴常 日時 2004 年 9 月 07 日 19:57:52)
再掲:プーチン対オリガルヒ
8月16日のエントリーですが、今回の学校占拠事件に対するロシアのマスコミの対応に関して参考になる記述があるので、再掲しました。
NYMEXで取引されているWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の9月物は、今日の時間外取引で1バレル46.9$の史上最高値をつけ、まだ上昇しそうな勢いと報じられている。
一旦35$台に落ち着いたかに見えたWTIが急上昇に転じたのは、7月初めのこと。
折りしもロシア石油大手のユコスは7月5日までに脱税追徴額34億ドルの支払いを命じられていて、直前の2日には裁判所から資産を凍結された。
5日には外国銀行団が10億ドルのデフォルトを宣言し、にわかに危機感が強まった。
ユコスの前社長ホドルコフスキーは、90年代後半にエリツィンと組んで巨大な利権を手にした7人のオリガルヒ(新興財閥)の一人で、ユダヤ人だ。
ホドルコフスキーは元々コムソモール(共産主義青年同盟)のエリートだったが、エリツィンを応援することで国有企業の民営化に関して便宜を図ってもらい、次々と旧経営者が所有する株式を買い叩いて巨額の財を成したと言われている。
昨年10月の逮捕直前には、元々3億ドルで購入したユコス株式の一部を250億ドルでエクソンモービルに売却する交渉を行っていた、とFinancialTimesは伝えている。
オリガルヒ7人衆の内5人がユダヤ系と言われているが、代表格はベレゾフスキー。
国営放送「ORT」、民放「TV6」をコントロールして世論を操り、96年にエリツィンを再選させ、2000年にはプーチンを大統領の地位に押し上げた功績者だ。
しかし、オリガルヒに対し反攻に転じたプーチンとの争いに負け、現在はロンドンに自称「政治亡命中」。
もう一人のメディア王グシンスキーは独立TV(NTV)を擁して反クレムリンの立場で報道し、欧米から「ロシアの言論の自由の象徴」と賞賛された。
しかし、99年の下院選でプリマコフ元首相が率いる「祖国・ロシア」を支持するものの、ベレゾフスキーが立ち上げた親クレムリン政党「統一」に敗れてツキが落ちた。
大統領になったプーチンはグシンスキーを横領容疑で逮捕。
何とか釈放されたものの、やはり国外に脱出する破目に陥った。
NTVは2001年4月、天然ガス最大手で元国営企業のガスプロムに買収され、事実上クレムリンの軍門に下った。
NTVを追い出された当時の社長キセリョフはベレゾフスキーが所有するTV6に移ったが、そのTV6も2002年1月に裁判所決定により閉鎖される。
キセリョフはプリマコフの支援を得て新たに民放「TVS」を立ち上げたが、視聴率不振で経営危機に陥り、03年6月ロシア新聞省から放送停止を命じられ、結局TV界での居場所を失い、現在は週刊誌モスクワニュースの編集長となっている。
国家に忠実となったNTVは着々と「改革」を実施した。
今年6月にはチェチェン報道を理由に人気報道番組「ナメードニ」を打ち切った。
7月には人気討論番組「言論の自由」と、ユコス寄りの番組「個人出資」も放送中止。
これで支持率70%というプーチン人気を批判的な立場から検証するTV番組は消滅した。
ベレゾフスキーが所有していた国営TV「ORT」の株式49%は現在 ロマン・アブラモビッチ (チュコチ自治管区知事、元下院議員)が所有している。
最近プレミアリーグの名門チェルシーの買収で有名になったアブラモビッチは、元々エリツィンと親しく、ビジネスではベレゾフスキーに師事していたが、現在は政治介入しない立場を取っており、それ故に第二世代オリガルヒとして生き残ったようだ。
アブラモビッチはORTのみならず、石油大手シブネフチの株式もベレゾフスキーから引き継いだ。
ホドルコフスキーは、ユコスとシブネフチを合併して、メジャーに対抗し得る巨大石油資本とするべく計画していたが、今やユコス自体が風前の灯火。
今日のFinancialTimesは、ユコスのCFOの話として、あと数日で破産を申請する可能性を示唆している。
もっとも、ユコスの現場は順調に原油生産を続行出来る体制と伝えられているし、元よりプーチンが金のなる木をみすみす腐らせるとは考えられない。
破産後プーチンはユコスを「合法的に」解体、そして再生し、「偉大なる祖国と世界のために」ロシア産石油が再び安定的に供給されるよう全力を尽くすことだろう。
September 04, 200
http://akazukin.cocolog-nifty.com/nikki/2004/09/post_1.html