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今回の作戦は今まで世界中でやってきたいろんな作戦の中でも抜群に後味が悪い作戦だったが、大義のためにはやるっきゃなかったんだよね。逆に言えば後味が悪いということはそれだけ効果も抜群ということだ。
ウチの息のかかった「商業テロリスト」は死ぬ気なんぞさらさらないから、最初からチェチェン人を自爆させたそのどさくさに紛れて逃走する計画だったが、あきらかにこれはうまくいかなかった。詳細は避けるが逃げおおせたのはごく少数で、あとはみんな討ち死にしたようだ。まあこれはこれでしかたがない。連中だってリスク覚悟で大金目当てにやってるんだから。所詮はハイリスク・ハイリターンなんだよ。
でも今回の事件は英米をはじめ世界中で何億という人間をテレビに釘付けにした。生中継で半日近く放送し続けた地域も多い。このパブリシティ効果の巨大なことといったら、広告費に換算したら文字通り何十億ドルだろう。これはここのところの首切りビデオウェブ公開戦略と相俟って、とてつもない反イスラム教宣効果をもたらしてくれた。「アッラー・アクバル」の呪文を聞かせながら、全く罪のない人間の首切りを実況生中継だもんなあ。こんな刺激的なパブリシティも珍しいよ。がはは。今回の小学生大虐殺事件もイスラム教徒のチェチェン人がやったってことで、うちの息のかかった世界中のメディアは「常識人の理解を超えた残虐性を発揮するイスラム教徒」のトーンで一気にキャンペーンを集中展開している。これは効くぞう。何しろ化石燃料資源はやたらとイスラム教徒のテリトリーに集中してやがるからなあ。イスラムをおとしめて、卑しめることは長期的に連中の資源をかっさらってこっちのものにする上では不可欠な戦略なんだ。
それから特にアメリカ人の視聴者は、あの虐殺生中継で911を鮮明に思い出したはずだ。え、ブッシュの再選を支援したのかって?いや特にそういうわけじゃないんだよ。ケリーが勝っても
ブッシュが勝ってもうちの利害には大差はない。グローバルテロの恐怖を植え付けて、兵器産業に血税を乱費することを正当化するための精神的土壌の整備が目的なわけよ。この事情はロシアについても全く同じだよ。だからプーチンの野郎だって今回の事件が自分の政権基盤を転覆するほどのインパクトが無い限り、こういう事件は歓迎なのさ。冷戦が終結して軍産複合体の事業継続に苦慮している事情は連中も同じだからねえ。「対テロ」戦争は陣営を問わずおいしい飯のタネなんだよ。だから奴もすかさず「テロとの全面対決」を宣言しただろ。ロシアには事前には通告しないで実行したテロ事件だったが、機を見るに敏な奴だよ。
とはいえ今回の事件の最大の戦略目的はなんと言ってもカスピ海の原油資源なわけで、これでプーチンも「我々」がどこまで本気でやってのけるかよくわかっただろう。へたをすると有権者に見放される危険性についても痛感したはずだ。最終的にはチェチェンがロシアの領土として存続することになってもかまわんのさ。要は我々のスポンサーの利権がきちっと認められて油田の上がりが彼らの懐に流れ込むメカニズムさえできてしまえば、それでいいわけ。
つうわけで今回の事件の背景はこういうこと。わかったね。じゃんじゃん。